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ステータス

 意識が戻ると見知らぬ場所にいた。


(ここは…… 宮殿?)

 周りを見るとクラスメイト達が


「ここはどこだ?」

「一体何なんだ?」


 と戸惑っていた。俺には何となく察しがついている。この時期の男子高校生なら憧れる者も多いだろう。

 

 すると、頭に冠を被った王様っぽい人が出てきた。


「静まれ〜いっ!」


 皆の注目がそちらに向かう。


「わしはこの国の国王じゃ。とりあえず状況の説明をしよう。」

 と言って説明をし始めた。


 端的に言えば


 この世界に魔王が復活した。魔王は強大な力を持ち次々と人の住まう土地を侵略していった。この世界の住人ではとても太刀打ちできないから異世界より俺たちを召喚して魔王を討伐してもらおう。


 ということらしい


「は!?ふざけるなよ!?俺たちには何の力もないんだ!そんなこと出来るわけないだろう!」


 そんな声が聞こえた。確かアイツは小池こいけ 隼人はやと

 学級委員とかだったか。

 それにつられて周りの生徒も


「そ、そうだ!そうだ!そんなことより元の世界に帰せよ!」


と言い出した。中には不安で泣いている女子生徒もいた。


「安心せい。代々勇者として召喚された者は何か特別な能力が宿っておる。それに、そなたらには明日から城で訓練してもらう。戦う力は手に入れられるぞ。」


「でも…!それじゃ俺達にメリットがない!」


「魔王を討伐すればいくらでも、この世界にある物なら褒美を取らせよう。元の世界に帰りたいというのならちゃんと討伐すれば帰らしてやる。城での豪華な生活も約束する。」


 嘘だ。こういうやつは大体元の世界に帰ることが出来ない。まあ俺としては元の世界に未練もないし少しワクワクしてるからいいんだよね。


「わ、わかりました…。とりあえずそれで条件を飲みます…。」


と言いつつもまだ納得し切れてない表情だな。


「さて、これからそなたらには自分の能力を見てもらいたい。まずは心の中で“ステータス”と唱えてみよ。」


お!やっぱり来たか!

文哉の中で俺tueeeが確信となりつつあった。

ワクワクしながら


(ステータス!) 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


名前:神崎文哉 

種族:ヒューマン

年齢:17歳

性別:男

スキル:なし

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

はあああぁぁぁぁっ!!??

スキルなしってどゆこと!?

これじゃ異世界無双出来ないじゃん!召喚モノのお約束は!?


周りの奴からは「聖剣術」とか「上級魔法」とかのスキルだったーとかそういう会話が聞こえてくる。


「では一列に並んでわしのところにそれを見せに来い」


うわぁぁ……どうしよこれ……


クラスメイト達が王にステータスを次々と見せていってそれを王の秘書らしき人が羊皮紙にメモを取る。


そしてついに俺の番。


「名前は?」


「神崎文哉です」


「ではステータスウィンドウを見せるのじゃ」


 仕方なく見せると王の表情が強張り、


「ス、スキルなしじゃと!?そんなものただの役立たずではないか!だが勇者として召喚した以上殺すことは出来ん!とりあえず訓練には参加してもらおう!」


お、おう………

ここは殺されずに済んだと安堵するべきなのだろうか……

それともスキルなしということを悔やむべきなのか……


最後の一人のチェックが終わり


「そなたらには一人ずつ部屋が用意されている。

1人ずつ案内人をつけるから今日はそこでゆっくり休め。では解散!」


 役立たずと言った割には待遇だけは他の生徒とは変わらないんだな。それは良かった。

とりあえず城での生活は出来そうだと思った。


 明日から訓練か。体力ないから辛そうだな。

まあいい、今日は色々ありすぎて疲れたからもう寝よう。部屋にあった風呂に入ってからベッドで眠りについた。



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