ぼっちと正月は関係ないー2
皆さん、お久しぶりです。こうして更新できたことを嬉しく思います。僕も成長したので文の構成力も向上していると思います(多分)
☆あらすじ☆ぼっちの俺、坂墓は鬼の生徒会の高橋留美から神上神社に呼び出されたのだった。はたして坂墓の運命は⁉︎
みたいに可愛くまとめてみたんだが、めんどくさい。なにがめんどくさいって、行くのがめんどくさい。
人口密度がとんでもないくらい高い場所を好むのはコミケのオタク共だけで十分だっつの。
まあ、神上神社に来たんですけどね。会長さん怖いし。どこが怖いかって家に来ることが怖い。
これまで、俺目当てで家に誰かが来たことなんてなかった。その記録を打ち破られるのはかんべんだ。
……来たはいいが、集合もなにも人が多すぎて分からん。高橋留美さんはどこにいらっしゃるんだ。
周りの風景は、ザ・縁日といったものだった。イチャイチャするカップルや、それを見て舌打ちする大学生。いいとしこいて輪投げをやっているアラサーまでいる。本当に縁日と言うものは様々な人間が集まるものだ。
ちなみに今日は珍しく様々な人間の中に、ぼっちも含まれている。
縁日と言えば甘酒だが、俺は甘酒が嫌いだ。甘い飲み物は嫌いでは無いが、甘酒だけは飲めない。
ぼーっと眺めても、甘酒のお店が何軒かあったが、まあまあ人がいる。どうせ「正月は甘酒を飲むもの」という固定概念にとらわれているのだろう。固定概念にとらわれていては、新しいものは何も生まれないのだ。
ーーと、ぼっちと言う固定概念にとらわれている俺が言っても説得力は皆無だ。あー、ほんと呼び出しといてなんなんだこれは。帰りたい。帰りたい。
「坂墓じゃん」
「……金沢か」
「なによそのちょっとがっかりみたいな反応。ぼっちのくせに生意気よ」
「なによそのラブコメのツンデレキャラみたいなツンは。チビのくせに生意気よ」
「……坂墓。あんたチビなめんじゃないわよ!!」
おっと、どうやらちっさいことを気にしているみたいだな。失敬失敬。
多分、電車料金は子供料金でも通るレベル。てかこの前食べ放題を家族と行ったら子供料金になっていたと生徒会室で話していたな。あれはいいすべらない話だった。
「悪い、今日は身長が伸びるように神様に頼みに来たんだよな!伸びるといいな、背!」
「なによその哀れみの目……もういいわよチビよ私は」
しゅんと、金沢のテンションレベルが下がった。ドラクエで言うといてつくはどうをくらったときと一緒だ。
まあ、俺は小さいものが嫌いではない。むしろでかいよりましだとおもっている。昔から小さいものは愛され、可愛がられてきたものだ。きっと大きすぎて「巨人」と言うあだ名がつくよりマシだろう。
「ほかのやつらはどこだ?」
「あー、私も今来たところなのよ」
となると、考えられる可能性はまだ来ていないか、違う場所にいるかだな。まあ、最悪帰ればいいか。
あくびをしながら、金沢を見つめる。
……あっれれー?おかしいな?もしかして僕、女の子とお祭りにくるのは初めてなんじゃないかなー?
そう思うといっきに緊張と言うか、冷や汗が出てきた。金沢と言えども女の子は女の子だ。それに顔の偏差値も低くはない、むしろ高い。
俺のこれまでの人生、女子と深く関わることなんてなかったからな、なんなんだこの出世ぶりは。
「他のやつらが来るまでどうする?」
「そうねぇ、先にお店まわるのも悪いし」
「驚いた、お前常識あるんだな、子供みたいに早くお店まわりたい!って言うかと思ったわ」
「失礼ね、私にだってそれくらいの常識はあるわよ……と言いたいところだけど来るときにもう何軒か寄ってきたわ」
結局早くまわってんじゃねえか、いや、なんだ、うん。子供みたいだな。
「そうだ!金沢、お前甘酒飲んできたらどうだ?ほら、正月の縁日と言ったら甘酒だろ!それか子供にはまだ早いかなぁ」
「なめないでちょうだい!私にだって甘酒くらい飲めるわよ」
「おっ、あそこにお店があるな、俺がおごってやるよ」
「あら、優しいのね」
「勘違いしてもらったら困るな、これはある意味嫌がらせだ。お前が甘酒を飲めないことくらい分かる」
なんせ俺だって甘酒が嫌いなんだ。金沢が飲めるわけが無い。そもそも俺はこういった祭りでは基本、金を使わない。コストパフォーマンスが悪すぎるからな。まあ、甘酒一杯くらいおごってやっても財布にダメージは少ない。
「なら遠慮なくおごってもらうとするわ」




