ぼっちと正月-1
あけましておめでとう、人々は正月に口を揃えて言う。
今では「あけおめー」と友達同士メールで送りあったりしている。
あけましておめでとう、とは年があけておめでとうという意味だが、彼らが本当におめでたいと思っているとは俺は思わない。
むしろ「こんばんはー」でも変わらないと思っている。友達同士でメールを送るなんて「こんばんはー」でいいんだ。
まあ、俺はこんばんはーと送る相手すらいないんだけどな☆てへっ
大晦日はコタツでみかんやらお菓子やらを食べながら笑ってはいけない24時をみているだけであった。
しかし、その時間こそが至福の時でもある。一年間で1番笑ったと言っても過言ではない、むしろ普段笑わない。
大晦日と言ったら、除夜の鐘とかを鳴らしに神社へ行く人も多いだろう。
男友達と神社に行って、出店をいろいろみてたら好きな女子と会っていい雰囲気になるなんてシチュエーションが起きると信じている思春期な男子も少なくはないだろう。
まあ絶対そんなのないんだけどな!ぷぷぷっ、まじうけるー。
俺から言わせてもらうと、この寒さの中、わざわざ人の多い所へ行き、さらに金を失うなんて絶対嫌だ。
むしろ金もらっても行きたくない。寒い、その金でハワイ行きたい。
「俺、宗教とか興味ねえし!仏教とかだせえ!」とか言うやつ、残念!除夜の鐘をしに寺や神社に行く時点で君は仏教と関わっているよ。ダサいのは君なんだよ。
ちなみにそういうやつは絶対モテない(俺調べ)
なーんてことを考えたりしながら、俺は年をこしたのだった。
◇◇◇◇◇◇◇
ーー年があけた。
たいていの家は親戚の家やら、ショッピングやらに出かけるだろう。
しかしうちは例外で、親は両方仕事疲れで昼まで寝ていた。……年末ギリギリまで仕事なんてご苦労なこった。会社怖い。
とか言ってる俺も起きたのは10時だった。
いやぁ、笑ってはいけないの後に面白ろ荘がやるからなぁ、しょうがない。
階段を降り、リビングに向かった。
リビングの電気がついている、親は寝ているので妹の早希だろう。
「あっ、お兄ちゃんあけおめー」
「おう、あけおめ」
あけおめはやはり妹とするのが1番!!くぅー!世界一可愛い!!
「出かけるのか?」
「うん、友達と神社にお参りにね」
「気をつけてな」
「うん」
そう言うと、早希は家を出て行った。
友達ね……うんうん友達。男は友達に入らないよな普通。
俺は、妹が作っておいてくれた雑煮を食べながら、正月によくやっているお笑い番組をぼーっと見ていた。
朝飯も食べ終わり、テレビも一区切り付いたので自分の部屋に戻って漫画でも読んでいると、携帯が鳴りメールが届いたかとを知らせた。
…はて?誰からだ?俺の携帯は滅多に鳴らないからなぁ。
メールの送り主は留美であった。内容は「十二時に上代神社に来たまえ、会長命令だ」
……お、おお。
会長命令とかどこの生徒会をモチーフにしたアニメだよ。てか会長そんな偉いのか、こき使えちゃうのか。
……無視しよう。
俺はそっと携帯をおこうとすると、「ピコンー」とまたメールの着信音が鳴った。
恐る恐るみてみると「ちなみに来なかったら家に迎えに行きます」
…やっべー、マジなやつだ。
これ居留守は「正月にどこかに出かけても人が多くて行く気すら出ない」って考えがバレバレで多分通用しない。
くっそぉぉぉぉ、なんで俺の家知ってんだよぉぉぉ。
家に来られるのは極めて厄介だ。親もいる。……仕方が無い、行くしかないな。
俺は心の中で財布には百円だけ入れておこうと決意した(無駄使いしないよう)
だいぶ前に年明けてますね…。
久しぶりの更新ですね。
そういえば雪がたくさん降るらしいですね。寒い寒い。




