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ぼっちな俺とラブコメは関係無い  作者: 窓野水斗
生徒会で活動するぼっち
52/72

ぼっちと職場体験は関係無い

 ついにラジオ収録が始まる!坂墓のぼっち解答で空気が⁉︎

 昼飯を食べ終わり、俺は一人本をよんでいた。木場達はわいわいお喋りしている。


 俺はペラペラ本のページをめくりながら、聞こえてくる話し声に迷惑していた。


 木場君すごい!とか木場君かっこいい!など中身の無い会話をしている。


 なんなの?君たち太鼓持ってるの?


 今日はイヤホンがないので我慢するしか無かった。…イヤー、ホントミスった。訳してイヤホン。


 寒いダジャレで寒がっていると、ドアから清水さんが入ってきた。


「では、収録を始めましょうか」


 そう言って現場に緊張感が広まった。清水さんの後ろにどうやら一緒にラジオに出演する人のようだ。


「初めまして、根元です。今日はよろしく」


 そう言ってきたので俺たちは「よろしくお願いします」と返事をした。


 流れの説明を受けて、なぜか俺は足がガクガク震えていた。静まれ!足!


 緊張をほぐして、ホッと一息をついた。どうやらもうすぐ始まるらしい。


 清水さんがカウントダウンをする。


「3.2.1.始め!」


 その合図を聞いてから、根元さんが喋り始めた。


「どうも!サーモンラジオが今日も始まりました。今日は職場体験で来てくれた特別ゲストが来ています。どうぞ」


 自己紹介がこっちに振られる。


「金谷高校から来ました木場と」


「山野です」


「さ、坂墓です」


 自己紹介を終わると早速話題を振られた。


「君たちは学校生活で何か思い出に残ったことはある?」


 や…やばいぞ。これは思い出が無くて答えられないパティーンだ。


「そうですねー、今年の体育祭で優勝したことですかね」


「おー、体育祭かー。いい思い出だね」


 さすが木場だ。そつなくこなす。


 てか俺のクラス優勝したの?知らんかった。


 次は山野が喋り始める。


「えーと、部活の大会ですかね?テニスの大会で優勝できました」


「おおー、すごいね。じゃあ次どうぞ」


 どうでもいい山野の話が終わると、俺に話が振られる。


 だ、だだだだだだだ大ピーンチ!ここで恥をかくわけにはいかない。


「そ、そうですね。僕も体育祭のことですかね」


 よし、同じ話題で話を終わらす。強制会話終了(スピークエンド)を発動した。


 だがだめだった。


「へー、どんな思い出?」


 詳しく聞かれて、つい本音が出てしまう。


「せ、先生と組み体操したことですかね?」


 とっさに出たのがこんなことだ。一瞬、部屋が固まった。


 どう返したらいいか分からないらしく、すごい適当な返事が返って来た。


「そ、それはすごい思い出だねー」


 おい、すごいってなんだよ!どうすごいの?ねえ!


 どうやらこの空気をどうにかしたいらしく、すぐに別の話題が振られる。


「じ、じゃあ木場君は高校生活のどんなところが楽しい?」


 すぐさま木場に話を振ったのはさすがと言っていい。この状況でも、木場の空気支配(エアーバインド)があれば大丈夫だろう。


 空気を支配するとかマジかっけー!


「やっぱり友達といろいろな行事をすることが楽しいですね」


 この解答は「もし高校生活について質問されたら⁉︎」のテキストの解答例だな。


 完璧すぎる解答に、根元さんもほっとしている。


「じゃあ山野さんは?」


「私はやっぱり恋をしてる時ですかね」


 まるで恋する乙女のような振る舞いをする。…乙


 俺が心でそう唱えていると、


「じゃあ…さ、坂墓君は?」


 どうやらまだこりないらしく、もう一回俺に話が振られてきた。


 話が振られるとは思わず、思ったことをつい口にする。


「ひ、一人で本を読んでいる時ですかね…?」


 俺の生態系に誰も反応してくれず、根元さんなんかもう黙っちゃっている。


 どうやら俺の能力は空気破壊(エアーバスター)らしい。






 

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