ぼっちと職場体験は関係無い5-14
職場体験体験の朝を迎える坂墓だが…はたして職場体験でなにが起こるのか⁉︎
「ホームページなんだが、一応今日中に終わると思う」
ちょうどいい温度まで冷えたイチゴオレを飲みながら言った。
どうやら俺が仕事をしっかりしているのが意外なのか「ほー」とか関心の言葉が返ってきた。
「なんだよ、俺が仕事するのがおかしいか?人間、生きてるだけで仕事みたいなもんだろ」
人間一生仕事しなきゃいけないとか最悪。休日でも家事とかあるしな。案外主婦も大変なのかもな。
イチゴオレを飲みほして、缶を机に置いて鞄からノートパソコンを取り出した。
俺以外はどうやら他の仕事があるらしく、書類に手をつけている。
ノートパソコンを開き、昨日作ったホームページの大体の形を見せた。
「おー、まあまあいいじゃん」
金沢はノートパソコンに顔を近づけながら言った。
他の二人も内容を確認して「お疲れ」と声をかけてくれた。
お疲れって…まだ半分なんですけどね。手伝ってよ。ねえ。
もしかしてさっきのお疲れって、おー、まだまだ疲れてないだろ?もっと仕事しろ。の略?だったらまじ社畜だな。
これからもうお疲れは使わないでおこう。
今日得た教訓を胸に刻んでいると、
「坂墓君、これをやってくれ」
瑠美から十枚の書類を渡された。…仕事ですかぁ。
もし就職出来なかったら、昔社畜扱いされたからってこいつらのせいにするしかねえな。
「ああ、分かった」
俺は抵抗せずに書類を受けとった。多分、猫以下の俺の手を借りたいぐらいなんだからきっと仕事がヤバイんだろう。
猫は癒してくれるが、俺はヒールは使えない。ついでにバイキルトも使えない。
いわば俺はパーティーの盗っ人役だな。いや、足手まといか。
ボスに一撃で殺されて他のやつに舌打ちされるんだよな。でそれはいつの世代の俺?
まあ俺は第五世代だからな。ボスに一撃で殺されるようなへまはしない。
大防御ばっかして、報酬だけもらうというのが第五世代の俺だ。もう防御力だけパーティーからずば抜けてるみたいなかんじだな。
あっ、そもそも一緒にパーティーを組んでくれる人がいなかった。
ドラクエの話はそこまでにして、仕事を片づけるか。テッテレー♪坂墓のやる気が1上がった。
「あっ、坂墓君これもお願いします」
奈津からまた10枚の書類が送られてきた。テッテレー♪坂墓のやる気が8686減った。ハロハロ食べたい。帰りたい。
そういやハロハロはもう売ってないな。ハロハロって、八口八口と似てるよな…八口ってなんだよ。歯茎?
歯磨きしないと歯茎が炎症をおこすぞ、気をつけろ。俺。
俺は、歯磨き上手かな?のメロディーを鼻歌で歌いながら番組からの挑戦を受けとった。
ふっ、面白い。歯磨き上手かなだって?高校生にもなって親に仕上げをしてもらうわけないだろ!中学までだ、親に仕上げをしてもらうのわ。
俺の脳内変換(妄想)が教育テレビの挑戦を受け始めたので、思考を停止させた。
渡された書類を書き始め、そろそろ終わりそうになった。
金沢達も仕事が終わったらしく、ティータイムを楽しんでいた。
金沢の揺れるツインテールに反応(欲情)してしまうところだったが、ケータイのホーム画面を見て抑えた。
もちろんあみちゃんは二次元出身だよ。
全員の仕事が終わり、それぞれが自由に休憩していた。
金沢は茶菓子と紅茶を飲み、瑠美はポテチを食べ、奈津はBL本を…。アウトー!
「せめてカバーだけでも…」
「無理です」
俺の提案は考えもせず却下された。なんだよそのスピードは、俺が告白してから振られるスピード並みじゃねえか。なに?反射的?脳まで信号がいくほどのことじゃないと思ったの?なにそれひどい。
それぞれ自由な時間を過ごしたら、もう最終下校時刻が近づいていた。
「じゃあ今日はここまでにしましょうか」
瑠美がそう言うと、それぞれ帰る用意をしてドアから出た。
俺は瑠美の前の三番目に教室から出た。
「じゃあな、瑠美」
俺は別れの挨拶をして、ドアに手をかけた。
「ああ、お疲れ様」
その言葉を聞いてからドアを開けた。
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帰りにどうしてもハロハロが食べたい!とコンビニに入ったが、やはり売っていなかった。
我慢して、普通のアイスを見ているとあることに気がついた。
雪見だいふくが無い…だと⁉︎雪見だいふく、それはアイス界のプリンセスと呼んでもいいものだ。
もちもちした餅に口溶けのいいアイスが包まれて、口の中でぱっ、と広がる。
そんな俺のプリンセスが売っていないだと?俺のアイスへのこだわりが…まあガリガリ君でいいや。…俺のこだわりどこ行った?
コンビニから出て、ガリガリ君をガリガリ食べていると、
「おっ、当たりだ」
棒を見たら当たり、と書いてあったのでもう一本貰おうとコンビニに戻った。
…けどガリガリ君をタダでもらうだけでレジに並ぶのかぁ、恥ずかしい。
俺のアイスへの欲望と、羞恥心がケンカしていた。
まあどうせ他人だしー、とガリガリ君をもう一本貰うことにした。
店員に少し嫌な顔をされたがまあいい。俺も嫌な顔でお返ししたから。
ガリガリ君を食べながら職場体験のことについて思い出した。
止まっているのもアレだし、歩きながら食べることにした。
職場体験…俺はたしかラジオスタジオだったか。まあ隅っこで話聞いてるだけだな。
隅っこ以上に安らぎを与える場所は自宅以外ないだろうな。
おっと、職場体験のことを考えたつもりだったがいつの間にか自宅は安らぎを与えてくれる、なんて考えてたわ。
あと木場から貰う一万をどう使おうかな?まあ貯金か贅沢するか。木場って実は優しいやつなんだな。お金くれるし。
まじでスーパーどうでもいいことを考えていると安らぎを与える自宅についた。
ドアを開けて、鍵を閉めた。防犯OKだな。昨日不審者情報があったらしいが…俺じゃないよな、多分。
不審者扱いされていないか不安になりながらリビングに入った。
「あははははは」
早希の笑い声が聞こえてきた。俺を笑ものにするな、不審者じゃねえぞ。
不審者扱いされているかと思ったらどうやらお笑い番組を見ているらしい。
てか勉強しろよ…大丈夫か、こいつ。
と心配したが、早希は案外成績がいい。そしてこの性格だ、先生に媚を売ってるか知らないが内申も高い。
すごいな、俺は先生にケンカぐらいしか売れないわ。そして多分買ってくれない。
安いよー安いよー、ケンカが安いよー!
…まあこいつはほおっておいて、仕事やるか。
俺は階段を上がり自分の部屋に入った。部屋に入ったら鞄からノートパソコンを取り出した。
なるべく早く終わるようにと思い、愛しのコーヒーゼリーを食べずに仕事をした。
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仕事が終わり、一息しようとリビングに行くと、早希がコタツで寝ていた。
「おい、飯は?あと風邪引くぞ」
俺は晩飯コールをしたが反応がなかった。疲れてんのか?こいつ。
まあ寝てるならしょうがないな、晩飯は自分で作るか。
冷蔵庫を開けて材料を確認した。卵とケチャップと鳥肉とご飯あったぞ。
もちろんオムライスだ。(それ以外は作れない)
俺はオムライスを作った。早希の分はラップをしておいた。
「いただきます」
俺はオムライスを食べ始め、新聞を開いた(テレビ欄)
見たいアニメを適当に録画して、オムライスを食べ終えた。
その後、風呂に入った。やはり風呂は人を癒してくれる。多分、風呂とコーヒーゼリーと自宅があればもうなにもいらないだろう。
あと金だな。金は無きゃ死ぬわ。人生は金なり。
お金は大事!と当たり前なことを考えながら風呂から出た。
風呂でも仕事の疲れかとれなかったのか、睡魔に襲われた。
すぐに自分の部屋に入り、ベッドに入った。あったかい、母の温もりをかんじる。
すぐに寝てしまった。職場体験があるのをしっかり忘れて…
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寒さを感じる日になった。もうすぐ本格的な冬になりそうだ。
ケータイの目覚ましで目が覚めた。金曜日おはよう。そしてさようなら。
金曜の夜には金曜労働ショーがやるな、間違えた金曜ロウドショーだった。いかんいかん、ケータイのカレンダーの予定を見てしまって間違えてしまった。
どうやら今日は俺の労働の日らしい。つまり職場体験の日のようだ。
夢のような最悪の現実から逃げたいと思ったが、一万のために布団から出られた。
制服を着て、朝飯を食べた。いつもどうりのある日のこと♪君は突然立ち上がり言った♪今日は職場焼き払おう♪おっとすまない。ついつい君の知らなくていい物語を歌ってしまった。
しまった、職場焼き払うなら昨日の夜にやればよかった。
など現実味の薄いことを考えていたら
「お兄ちゃんが職場体験かぁ、心配だなー」
「分かるぞその気持ち、自分でも心配だわ。職場体験場所で気づいたら寝てました☆なんてことがありそうで」
早希がいらんことを心配してきたので、俺の心配を話してやったが、呆れられた。
「いやいや、お兄ちゃんが職場に耐えられなくて帰ってくるのが心配なんだよ」
「アホ、職場は耐えるものだわ、残業とか残業とか残業にな」
残業しかないな。
次回は職場体験のことを書いていきますね。ついに労働がはじまる!




