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ぼっちな俺とラブコメは関係無い  作者: 窓野水斗
生徒会で活動するぼっち
40/72

ぼっちと職場体験は関係無い5-5

 坂墓と木場の間に何か変化はあるのだろうか⁉︎

 朝目が覚めるとすごく学校に行きたく無い気持ちが溢れ出てきた。


 …いつもか。


 今日は階段を降りても妹はいなかった。


 朝飯の隣にメモが置いてあり「お兄ちゃん私交通安全委員の立ち番あるから先行くね」と書いてあった。


 いやはや頑張りますな、とくだらない感想をもちながら顔を洗いに行った。


 立ち番って門番みたいなものか?よく分からんな。


 まあ交通安全委員の立ち番ってあいさつするみたいなやつだったなたしか…


 あれあいさつされて俺いつも無視していたからもう誰からもあいさつされなくなっちまったんだよな。…俺の中学時代悲しい。


「ふぅー」


 顔を洗い、目が覚めた。


 そのまま朝のニュースを見ながら朝食を食べた。


 だがコーヒーが無いのに気づき、最強ブレンド(自称)コーヒーを入れた。


 うん、いい香りだ。コーヒーで始まりコーヒーで終わるみたいな?


 朝飯を食べ終わった後に制服に着替えた。


 どうしても昨日のことが頭から離れず学校に行きたく無い。


 けどぼっちはこんな理由で学校を休むわけにはいかないのだ。ただの引きこもりになってしまうからな。


 行きたく無いが、しぶしぶ靴を履き玄関のドアを開けた。


 ”引きこもりになるわけにはいかなかった俺はしぶしぶ学校に行きました”の状態だ。


 寒い道のりを歩いて学校に行った。


 学校に着いて、自分のクラスに入ってもなにも変化は無かった。


 けど木場に見られている気がした。まあ勘違いだろう。もしそんなことがあったら僕の綺麗なピーチが危険!


 まあホモは無いと思うがあまりいい気分では無かった。


 朝のSTになり水島先生が来た。


 そして”スッ”と再提出になった職場体験希望調査の紙を渡した。


 忍者になるんだ!俺!


 そのまま席に座った。


   ☆★★☆★☆★☆★☆★☆★☆


 なにごともなく授業が終わり、生徒会に行こうとしたら、


「坂墓君、時間あいてるかい?」


 今、一番話したく無いやつが話しかけてきた…


 木場はいつもの笑顔でそう言ってきた。


「いや、生徒会の仕事がある」


「そうか、じゃあ明日少し時間をあけておいてくれ」


 …ここはどう返事をするべきなんだろうか迷った。


 YESかNOかどっちだ?俺的にはNOだが断る理由が無い…


 ここはYESにするか。


「YES」


 間違えて英語で言ってしまった。恥ずかしい。


「センキュー」


 と向こうも気をつかってくれたようだ。


 日本で英語を使うのはやめよう…だから英語の授業はいらないよ!先生方!


 時代は日本語だ!…意味わからん。


 そんなやりとりをして生徒会室に向かった。


「よー」


 ドアを開けて気さくなあいさつをした。


「んー」


 適当な返事が返された。


 あれ?”よ”から”ん”にいっちゃったかー、そこは”わー”でしょ!あいうえお順だと。


 どうやら今日も仕事は書類系らしい。


 まあサラリーマンになったらいやでもやる仕事だな。


 多分、書類アレルギーになっちゃうんじゃないの?ってぐらいやらなきゃいけないんだろうな…社畜怖い!


 お父様も頑張って!書類は婚約届けだと思えば幸せ気分味わえるから!


 いや、逆に現実をみて絶望するな。


 手渡された書類を処理していると奈津が


「坂墓君、昨日はありがとう」


 とお礼をしてきた。


「べつにたいしたことはしてねえよ。それより楽しめたか?」


「ああ!」


 すごく満足そうな顔で言われた。


 ちょっと嬉しくなってしまった。


「金沢は昨日早く帰ったけどなんか用事があったのか?」


「ええ、家の用事よ…」


 表情は読めなかったが笑顔はしていないと思った。


 他人の家の用事を詳しく聞くのは野暮だろうと思った。


「そーか」


 適当な返事をした。


 喋っていたら自分の仕事が終わった。


「おい瑠美、ここに終わった書類置いとくぞ!」


 少し間が空いた。


「あ、ああ」


「どうした?体調が悪いのか?」


 額に手をおき


「ああ、少しな」


 どうやら疲れが溜まっているようだ。ハロウィンパーティーも終わり、その疲れがでたのだろうか…


「なら今日はもう帰って休め」


「まだ仕事が…」


「俺がやっとく」


 喋っている言葉をさえぎり言った。


 俺も病人に仕事をさせるほど人間は腐っていない。


 俺はこの優しさが嫌いじゃない。


「悪いな、頼んだ」


 そう言って帰る準備をしていた。


 まあこのぐらいの仕事は俺ならこなせるな、と自信に溢れていた。


 今なら空も飛べる!…んなはずない。


「では、私は帰る」


「お大事にな」


 など金沢や奈津も言葉をかけた。


 一人減った生徒会室で俺は黙々と仕事をやっていた。


 やべー、今の俺超輝いてるわー!仕事できる男性とかもてるだろ!


 いや、だいたいのやつが仕事できるな。うん。逆に仕事できないやつの方が珍しいな。


「坂墓ー」


「あん?」


 ちょっとヤンキー口調になってしまった。


 悪い悪い、ただアンパンマンと言いかけただけだ。それか”あっこれ俺のこと呼んでるの?マジ⁉︎”の訳だ。


「あんた職場体験どこ行くの?」


 昨日聞かれたはずだが…認知症かな?それまた記憶喪失?


「いや、昨日聞かれたんだが…」


 呆れて言い返すと


「あんた昨日のはジョークでしょ?職場体験に自宅行くアホがいるわけないでしょ」


 …アホです。


 あとジョークってチョークに言い方にてるよね☆…超くだらねぇ。なに考えてんの俺。


 ここでまた自宅と答えるわけにはいかないと思い


「まだ決まってない」


 と言葉をにごした。


「そう…私は病院に行こうと思うの」


 聞いてもないのに言われたが、病院か…似合わないな。


 まだツンデレ喫茶に行った方がいいな、うんそうしよう!


「病院ね…以外だな」


「そう?私の親は医者なの」


 医者か…セクハラとか問題になってたな…ダメだよ医者がセクハラしたら。


 あのなんか心臓の音を聞くときに「あー、もっと服上げて!もっと!」とか言っちゃダメだよ。


「親が医者ね…それがどうかしたのか?」


「親が医者をやれってしつこいのよ…」


 まあ親が自分の子に今している仕事をついで欲しいと思うのは普通だろ…けどそれは思うだけで口に出してはいけないのだ。


 将来は自分で決めるものだから…


 誰かから強要された仕事はやりがいを感じられない。それは自分がやりたいと思っていないからだ。


「べつにいちいち聞かなくていいだろ。将来は自分で決めるものだ」


「そうね…けど…親の期待を裏切れないのよ…」


 期待か…俺は期待されたことが一度も無いが期待は嫌なものだろうと思っている。


 期待はなかなか裏切られない。裏切ったら影で何か言われたりするし絶望される。


 …だから俺は期待はしない。


「そうか…まあ将来は自分で決めるべきだぞ、それしか俺には言えん」


「そう言ってもらえるだけでありがたいわ」


 その笑顔はどこか可愛らしく、どこか悲しそうだった。


「じゃあ私は帰るわね」


 仕事が終わったらしく書類をまとめていた。


「ああ、お疲れ」


「お疲れ様、金沢さん」


 別れの挨拶をした後、自分の書類をまとめていた。


 もう生徒会の仕事や雰囲気にもなれたなと思った。


「坂墓君、私はもう帰るが君は?」


「ああ、俺ももう帰る」


 席を立ち上がり、鞄を肩にかけた。


 生徒会室の鍵を閉めて


「じゃあ私は鍵を返してくるから」


「悪いな…」


「いいんだよ」


 と言い、それぞれ別れた。


 帰るために廊下を歩いていると、体育館裏で木場が告白されているところを見た。


 あいつは表面は爽やかそうにしていたが、拳をきつく握っているのが見えた。


 それを俺はどうしても見たくなくなった。


 顔を、目線をそらして廊下を歩いた。


 俺はなにを考えているのだろうか…ただ無心で帰り道を歩いていた。


 途中で自販機のカフェオレを買った。


 かじかんだてを温めながら俺はなにを考えているのだろうか。


 味噌は白か赤かとっちが好き?かかまぼこは白か赤かどっちが好き?とか考えているのだろうか。


 いや違うな、てかなんで白か赤か考えなきゃいかんのだ。かまぼことか味変わんねえしさ。


 多分俺は木場のことを考えているのだろう…。別に恋とかじゃ無いぞ!俺はホモじゃないからな。


 ただあいつの行動が理解できなかったのかもしれない。


 あいつの言動が理解できなかったのかもしれない。


 あいつの考えが理解できなかったのかもしれない。


 けど普通、理解できないものだ。


 相手の心を読む能力とかあったら多分三日で自殺する。


 それだけ人間の心は酷いのだ。


 だからあれだな、心が読める宇宙人とかひんぱんに自殺してそうだな。


 まず俺は心を読む前に空気が読めないからな。うん。


 深く考えているとマイハウスについた。


 …俺の職場体験場所…良いとこだなー。


 けど多分ここに職場体験しに来ないだろう。明日先生に言われるだろう。


 家に入り鞄を放り投げて冷蔵庫からコーヒーゼリーを取り出した。


「…うまい」


 一日の疲れをコーヒーゼリーで浄化していた。


 うん、これは来年の二十四時間テレビのタイトルは”コーヒーゼリーは世界を救う!”に決定だな!

 コーヒーゼリーは世界を救います!(確信

 やっぱりカフェインは正義ですね。

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