ぼっちと職場体験は関係無い5-2
映画から戻り、本屋に行くとそこにはいつかの中二病少女鈴見加奈子が…
映画館を出て、そのまま本屋に向かった。
それにしても、なぜ木場は俺に関わってくるのだろうか…
あいつは優しい。
こんな俺にでも優しく接してくれる。
もしあいつが女だったら告白して、速攻振られるとこだった。
いやーやっぱないなー。ないない。絶対。
だが…あいつが最後に言おうとした言葉…なんだったのか…
本当は分かっているのかもしれない。だがそれを信じたくない自分がいる。
それは青春を自ら捨てた自分だ。
腐ったのは自らで、他人のせいじゃない。
だから…他人に救ってもらう義理もない。
いわゆる義理チョコをもらう義理もない的なやつだ。うまい!二重の意味で!
あれだ、義理チョコって知り合いの人に配るらしいぞ。
だから俺は17年間チョコを母親以外からもらったことがない。
母の愛情が胸に響く!
これは母の愛情が嬉しくて泣いてるわけで、毎年貰えないから泣いてるわけじゃない。
そもそも俺泣いてね〜し。心もう超清楚だし!清楚系男子だぞ!
清楚だからお返し目当てのビッチからのビッチョコはいりませんわ。おほほほほ。
本屋に着いてラノベの本を探していた。
…ラノベすげー探しにくいな。
買いたいのが見つからない!
だが、俺は諦めない!ファイト!俺!
こういうふうにめっちゃ探しても無くて店員に聞いても大体無いんだぞ。
無いもんは無い。これ常識!
だけどいまどきの高校生はどうやらバイトして無いもんを稼いでるらしい。
高校生….侮れない。
あっ俺も高校生だ一応。高校生(仮。
本を見つけて会計に行こうとすると、なんかうざそうな中二くさーいやつが来た。
「あー!先輩じゃないですか!」
「お、おお」
テンションがすごく高かったので対応に困った。
あと店内で”あー!”とか言うな!目立つでしょ。なに?発声練習?奇声?
てかこいつの名前忘れたな。インパクト強いのになー、なんでだろ?
あっ、こいつへの興味が無いからだ。ならしょーがない。認知症がこの歳で⁉︎なんて考えなくてよかったわ。
あー、今こいつの名前が思い出しそうなんだが…まあ花子でいいか。
「どうした?花子」
「いやいや、花子じゃなくて加奈子です!」
あらー。間違えてしまいましたわー。まあ人生間違いばかりだよね☆
間違いの塊の俺になにかようかな?高校デビューに失敗した中二さん。
「で、加奈子どうした?」
「ふっ、我の買い物に付き合ってもらおうとな…」
悲しい。悲しいよ!もう中二やめよ!
お母さん泣いてるよ…きっと…
「もうキャラ崩壊してるな。もう中二卒業しろよ…」
中二卒業…俺も壮絶な戦いが…ないない、ないからね!
もちろん中二病なんかだっさいよねー。
聖域の絶対領域なんて書いてないから、いやまったく。
俺が事実を告げたらおどおどした。
おお、これがかの有名な阿波踊りか。
「いやー、もうしんどいです」
こいつは多分、中二病でも恋ができると思ったんだろう。
馬鹿野郎!それはアニメの中だ!リアル見ようぜ、REALを!
中二病で恋ができるのは特殊な目を持ってる人だけだからな!あとサーヴァントがいる人デース。
中二病なんて白い目で見られがちなんだが…こいつはどうなんだろう。
「お前、高校デビュー失敗したのか?」
高校デビュー…これはこれからの学園生活を決める重要なことだ…
中学ガリ勉君だったのが急に「いやー、マジUSJ行きてーわ」とか「この曲いいな!破天荒なとこが!」とロックを聴き始めたらりするやつは高校デビューの意味を履き違えたアホだ。
本来、高校デビューは爽やかイケメンで行かなければならない。
やっぱり時代は清楚だな。
まあ木場がいい見本だろ。だけどあいつは高校デビューしてないだろうな。素だから。
「友達いないだろ」
一つの事実を確認した。
いやまあ、僕もいないんですけどね。人にものを言える立場じゃないですけどね。
「いやー、それが高校デビューに成功して、めっちゃ関わってくるんですよー。ほら可愛いーとか言われちゃって…」
なるほど…それがお前の高校デビューが成功したら…の作文の内容なんだな。
もう高校デビューは諦めろ。
高2デビューとかもあるがほとんど意味がない。
前同じクラスだったやつに悟られるからだ。
「今日そんな夢をみたのか。いい夢だったな」
「いやいや、現実ですって。この中二キャラが受けてもう戻せないんですよ…」
嫌そうな顔をしたがなんだこいつ。
人気者アピールしてきてうぜえ。
俺なんか人気者すぎて誰も近寄ってこないわ。
あー、最近俺の足元におよばないくらい人気者の木場くんが近寄ってきたくらいだなー。
「まあ、そうなのかもな。…俺に聞くなよ」
「中二病と言ったら私!みたいな感じなんですよ」
だからなんだよ。なに、君は僕になにを期待しているの?おこずかい?
しかも中二病と言ったら私とかすげーかわいそうじゃん。
会話でノリで中二病の真似して「おいおい、それどこの中二だよw」とか話のネタにされるだけだぞ…
「いやいや、俺に言われてもな…てか今日は一人か?」
すると周りをキョロキョロ見渡した。
なに?キョロちゃんアピール?
「クラスの人ときたんですけどはぐれちゃいました…」
さらっと事実を言った。
いや、それぐらい気づけよ。
気をつけろよ、はぐれると体が溶けてドロドロになっちゃうぞ。
ってそれどこのRPGに出てくるモンスターじゃーい。
心の中でアホな一人ノリツッコミをした。
「なら探さないと。クラスのやつらも探してるぞきっと」
「そうですかねー?」
いや知らんけど。俺は千里眼もってないんで。あと輪廻眼も。
俺は外道だからな。
こいつもう中二キャラ崩壊したな。けどこっちの方がまだうざくない。
「俺は知らん。じゃあな」
そう告げ帰ろうとすると、
「せんぱーい」
涙目で止めてきた。
やめてくれ。上目使いされても”ドキ”なんてしないから。
むしろあざとすぎて引いたわ。
「じゃーな」
しっしっとはらって店を出た。
「せんぱーい。大声で泣きますよ?」
「分かった少しだけな…」
それをやられたらたぶん警察のお世話になるな…
俺は家族の世話しか受け付けないから。
親の仕送りしか受け付けないからー!お金は大事!すごく。
そう言って探すことにした。
今日のこいつはツインテールだしまあ許すか…ツインテールは最高!
ほら鬼だって角が二本のほうが強そうじゃん?あれだよ。
だが本来俺がてつだうことでは無いだろう。あっち探すわー、とか言って帰ろ。
「あっち探すわー」
「いやー、ダメです。先輩帰りそうなんで」
なんかにらめつけるように言われた。
うでをくみすごく偉そうに。
あの…手伝ってるの僕ですよね?
怖い怖いと違う方向を見たら、誰かを探してそーなグループがあった。
「あれか?」
指をさして聞くとどうやらそうらしい。
「じゃ、先輩ありがとうございました!」
にっこり笑顔を見せたと思ったら、すぐに中二キャラになりきったようだ。
「ああ」
そう見送ると俺は帰ろうとした。
スマホを開き、時間を見ると2時…もうお昼も少し過ぎたぐらいだ。
腹減ったな。家には冷凍品しかないからここで食うか。
そう思い、フードコートに行った。
もちろん食べるのはスガキヤラーメンだ。財布にも優しいし寒い冬にも優しい味だ。
ラーメンを頼み待っている時間、スマホでボールをひっぱって遊んでいた。
お知らせ機みたいなのが鳴りラーメンを取りに行った。
熱々のラーメン…うまそうだ。
「いただきます」
美味しそうなラーメンを食べようとしたら…
「あっ、坂墓君じゃないか…」
やー、とか言ってこっちに来た。
こいつらまだ昼飯食ってなかったのかよ…
「おお、どうした?」
近くには座るなよ…腐女子の皆さんから妄想のネタにされるだろ…
「いや、お昼を食べに来たんだよ」
「そうか」
どうやら一緒にいるやつらに気を使って遠い席に座りに行った。
ナイス判断!さすがサッカー選手っぽい見た目のイケメンだ。
俺は速攻で食べ、片付けた。
逃げるが勝ちだな。
昼飯を食べ、アピタを出た。
自転車に乗り家へと向かった。
木場の態度などいろいろ考えていたら寒さを感じる余裕がなかった。
あいつの言葉はまるで自分も同類…と言ってるように聞こえた。
だがそんなはずがない。彼と俺は違うのだ。根本的に。理論的に。
生態系すら違うのだ。
彼らがシマウマとかなら俺はクマなのだろう…
交わるはずの無いこと…そのはずなのだが…。
考えても意味がないなと考えるのをやめた。
家に着き、残りの時間を録画したアニメを見て過ごした。
夜寝る時にそのことを考えようとしだやめた。寝る前に考えるのは羊のことだけでいい。
羊が一匹、羊が二匹…
二匹目で寝てしまった。
最近寒いですよねー。寒さでてが震えて文字が打ちにくい…
中二病少女のキャラが崩壊しちゃいましたね…中二病演じてるとわ尊敬だ。




