ぼっちと職場体験は関係無い5-1
新章の職場体験編に突入‼︎
坂墓の休日に木場と映画館で会うことに…
失敗や挫折…それは青春をしなければ味わえないものだと思っていた…
俺は失敗をした。
だがこれは青春と呼べるものなのだろうか?
違う。これは青春などでは無い。
人生を普通に生きていても失敗や挫折はあるものだと今更ながら感じた。
これは本当の青春などでは無い。言ってみれば与えられた青春なのだ…
生徒会のメンバーからもらった…
俺に青春をする権利は無かった。
だけど彼女達は俺に青春まがいな体験をさせてくれた…
感謝すべきなのだろう…
だけど俺は俺だ。変われない…どうしようもない腐ったぼっち…それが俺、坂墓千田果なのだ…
☆★☆★☆☆
「ねみい、寒い」
ハロウィンパーティーの代休の日、朝起きてはっした第一声だ。
眠いと寒いを同時に言う俺スゲー!
冬場の朝は布団から出られない…これはいわば自然の摂理だ。
布団の呪い…恐ろしい…
布団から出るか出ないか一人で議論していたら、いつのまにか一時間たっていた。
まぁ、することないんですけどね…
布団から出る決心をし、布団から出た。
時計をチェック!ウオッチ、今何時?いちだいじーとか言わない。10時だ。
もちろん妹は学校に行っている。
一人だけの休日…かっこいい。
ラップに包まれた朝食を食べ再び自分の部屋に戻った。
「しっかし暇だな。まあいつもなんだが」
つい恥ずかしい独り言が出てしまった。
暇じゃない日のほうが珍しいな。いわばアンラッキーデーだな。
部屋のテレビで朝の星座占いがやっていたので見た。占いは信じないが、案外面白い。
11位から2位まででた。残るは1位か12位…
来い!蟹座!カモーン!
「よし!」
おっと、1位になってつい喜んでしまった
てか最後まで12位を残すのはひどいよな。1位かも⁉︎って希望を持たせて絶望におとす。
どっかの勘違い思春期男子のようだ。
えーと、内容わ…
彼女と良い感じ!彼女がいない人は彼女が出来るかも⁉︎だってー、
うわー、彼女いないしそもそも彼女以前に友達いねえー
占いは酷いよな。俺のハートをぶち壊す。
だがさすがにずっとひきこもるのはダメだな。ダメよーダメダメ。引きこもりはダメ!ぜったい!
今はやりのギャグから麻薬防止ポスターのようなこと考えちまったな…
…と言っても俺が行くのは本屋かゲームショップくらいだが。
まあ、アピタぶらぶらすっか…
そう考えた後、服を着替え部屋の電気を消した。
俺はファッションとか言うものには興味がない。モンスターももちろん興味無い。
服はいつも妹が買ってきてくれる。早希まじ完璧!
黒のジャンバーを着て準備OK.
ドアを開けた。
引きこもり回避!自宅警備おつかれしたー
寒い中アピタに向かった。
もちろん自転車だ。寒さが二倍感じる。
手なんかもうかじかんじゃってガチガチだよ。誰かファイヤーを。おい、リザードンしっかりしろ!
途中でコンビニに寄りホットコーヒーを買った。
最近のコンビニコーヒーは美味いな。あとガムシロップ、ミルクかけ放題はありがたい。
温かいコーヒーを手に持ちながらアピタに向かった。
アピタに着いたら自転車を停めた。
平日だからもちろん自転車は少ない。だからうちの学校の自転車が目立つ。
「うわー、めっちゃあるじゃねえか」
あるあるだな、自分の学校の自転車を見つけると「まじかよー」とか言いながら運命的な出会いを期待するやつ。
大丈夫だ。多分会っても無視されるぞ。思春期の諸君。
いざ会っても気まずいだけだからな。
自動ドアを抜け映画館を目指した。
ここで注意するべきポイントが一つ!
ゲームセンターには近づかないことだ!
あそこはばったり会っちゃう確率が超高いんだ。まあ、俺は認識されないだろうが。
そして思春期の諸君!穴場スポットだぞ。ほら運命的な出会いを期待してるんだろ?無視されて期待を裏切られてこい。
映画…よく見る。もちろん一人でだが。
俺は案外のアニメ好きで、好きなアニメが映画化したら見に行っちゃう派だ。
だが今日はるろうにとか言う留年してそうな映画を見る。
アニメじゃないが、このアニメが好きだったから見てみるのだ。
ポップコーンやジュースが高い!だからもちのろんでペットボトルジュースを持ち込みだ。
映画に入って早く始まらないかそわそわしていた。
そしたら
「あっ、坂墓君じゃないか」
なぁに⁉︎と振り向くとそこにはリア充の頂点に君臨する木場がいた。
「よ、よう」
そこにはクラスのピラミッドでも上位のやつらがいた。
「坂墓君も映画とか見るんだね」
こないだの一件はどう広まったかしらないが失礼だ。俺がまるでヒッキーみたいなこと言いやがる。
「そりゃ見るだろ。映画なんかは一人でも行きやすいからな」
話していると隣に座った。
うわー、まじかよー。気まずいなー。
「そうか…」
「ああ、そうだ」
どこか悲しそうな顔をしたがすぐに笑顔に戻った。
「こないだの一件だけどさ、僕がしっかり皆に誤解だと伝えといたから」
はい?なんだって?
誤解だと?そんなわけが無い。木場というリア充が俺の肩を持つはずが無い。
「は?」
するとまた悲しそうな顔をした。
「君は矢田さんを救いたかったんだろ…?俺も彼女の性格をしっている。」
救いたかった…そんなはずが無い。
見ず知らずの他人を助けるほど俺も余裕が無い。
「知ってるならお前が教えてやればよかったじゃねえか」
「僕には出来ない…立場があるからね…」
そうだ。こいつには立場がある。
クラスの人気者と言う大きな立場が…
だからこいつは間違いを指摘することは出来ない…出来るのはクラスの雰囲気を良くすることだけだ。
こいつが間違いを指摘する…それはこいつのすることじゃ無い。したら皆絶望する。
完璧が完璧じゃなくなるからだ…
「だから君には感謝してるんだ」
「おいおい、勝手に感謝されても困る。俺はあいつを助けてない。現実を見せただけだ」
矢田に感謝される義理も、こいつに感謝される義理も無い。
俺がしたくてしたんだ。やめてほしい。
感謝されると勘違いしてまた間違ったやり方をしてしまうから。
これでいいのかと錯覚してしまうから…
感謝やお礼は麻薬だ。一度言われたらまた言われたくなる。
だからお礼はいらない。
「そうだね…でも彼女は変わった…」
知らなかったが変わったのか…
俺のしたことは中途半端な事だ。もしかしたらもっと性格がひどくなったかもしれない。
ただ一つの事実を言われただけで少し救われた気がした。
「そうか…よかったな…」
下を向いて言った。
こんな事を言って欲しいわけじゃ無かったかのだがな…
「ああ、だから俺と…」
「幸村くん!こっちで喋りましょ」
何か言いかけたがクラスに女子に阻害された。
「あっうん」
木場はクラスの女子と喋ることを選んだ
それでいい。お前がここまで堕ちてくる必要は無い。
隣からワイワイ楽しく喋る声が聞こえた。
うるせぇー、ほら画面見ろ!館内でのおしゃべり厳禁だぞ!
特にあの三沢とか言うチャラ男がうるさい。なんだよ「君かわウィーね」って。
どこの行き遅れの合いの手ラッパーだよ。
聞いてるこっちが恥ずかしい。
あっ始まった。
「おい三沢、始まったから静かにしろ!」
わあー、ありがとう木場君!さっすがー
そこらの三流イケメンとは格が違う!
ヒューヒュー、色男め!
静かになったな。これで映画に集中できる
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面白かったな。バトルシーンに迫力があった。
けど隣から聞こえる「カッケー」とか「あっこれなら俺余裕っしょ」とかアホな言動がうざかったな。
終わったので席を立つと
「あっ坂墓君、これから遊ばないか?」
どうやらこいつは三流以下のやつとも優しく接してくれる完璧イケメンらしい。
だがやめよう。周りの女子が皆睨んでるよー。怖い怖い。女は怖い。
「やめておく、もう帰りたいからな」
「そうか…」
やめろ!凹むな!俺が悪いことしたみたいだろ。
「じゃあな」
「うん、また!」
また…か。また会えるといいな。プライベート以外で…
新章に入りましたね。
木場君はこれから重要人物になりますのでよろしくお願いします。あっもちろんホモ系の意味じゃ無いですよ!(笑




