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第45話 依頼された者

連続投稿です。

44話からお読みください。


数日後。


村の入り口に、

二つの影が現れた。


一人は、

鎧を着た男。


もう一人は、

杖を持った女。


(……前とは、

違う)


直感が、

そう告げた。


「ミルネ村だな?」


鎧の男が、

声を張る。


「依頼を受けて来た」


村人たちが、

安堵の息を吐く。


“冒険者”。


分からないことを、

解決してくれる存在。


――のはずだ。


女の方は、

周囲を見渡し、

小さく眉をひそめた。


「……魔獣、

じゃないわね」


(……同意だ)


だが――

その先が違う。


「魔力が、

溜まってる」


「弱いけど、

数が多い」


「……焼けば、

散るでしょう」


その言葉に、

胸の奥が、

ひやりとした。


(……“散る”)


鎧の男が、

頷く。


「よし、

森を一度、

掃除する」


「被害が出る前に、

な」


父の肩が、

わずかに動く。


母が、

唇を噛む。


(……早すぎる)


“対話”の選択肢が、

最初からない。


夜。


冒険者たちは、

村に泊まることになった。


焚き火。


杖の女が、

詠唱の準備をする。


(……やる気だ)


魔力が、

集まり始める。


精霊の気配が、

森でざわつく。


(……逃げろ)


心の中で、

そう願う。


だが――

逃げ切れない。


“弱い”存在は、

遅い。


(……このままじゃ、

壊れる)


壊れるのは、

精霊だけじゃない。


森の“流れ”が、

乱れる。


結果は――

村に返ってくる。


拳を、

握る。


(……動くか)


いや。


(……まだだ)


“説明できない力”で、

割って入れば――

次は、

自分が“異物”になる。


(……守るには、

順序がある)


この夜は、

耐える。


ノルエルディアの辺境、

ミルネ村。


冒険者は、

善意で動く。


だが――

善意は、

いつも正しい結果を

連れてくるとは限らない。


少年は、

知っていた。


このまま進めば、

何かが取り返しのつかない形で

壊れることを。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

小さな選択の積み重ねを意識して書いています。

何か感じた点があれば、感想で教えていただけると嬉しいです。

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