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第25話 村の外は、やさしくない

連続投稿です。

23話からお読みください。


――レグ視点――


ミルネ村を出て、

北の村へ向かう。


思ったより、

道は荒れている。


踏み固められていない土。

伸びた草。

獣の足跡。


(……王国領、だよな)


地図では、

そうなっている。


だが――

管理されているとは、

とても言えない。


夜。


焚き火は、

小さく。


獣より、

人の方が怖い。


行商人の言葉を、

思い出す。


「外は、

準備してない奴から、

消える」


笑って聞いていた。


今は、

笑えない。


遠くで、

叫び声がした。


助けに行くほど、

余裕はない。


(……すまねえ)


足を止めなかった。


それが――

外の世界の、

正解だ。


三日目。


小さな村に着いた。


だが――

様子が違う。


家は、

ある。


人が、

いない。


「……遅かった、

ってやつか」


井戸の周りに、

血の跡。


獣のものか、

人のものか。


分からない。


分かりたくもない。


(……ミルネ村は、

まだマシだった)


あの静けさ。

あの距離感。


子どもたちの声。


――トアの顔が、

ふと浮かぶ。


不思議と、

怖くなった。


(……あいつ、

まだ小さいんだよな)


なのに――

妙に落ち着いた目をしていた。


(……あの村、

何かある)


理由は分からない。


だが、

“まだ壊れていない”と、

本能が言っている。


夕方。


道の先に、

王国兵を見た。


鎧は、

くすんでいる。


数は、

少ない。


(……来てはいる、

か)


だが――

間に合ってはいない。


兵の一人が、

ぼやいた。


「……次は、

南だ」


次。


つまり――

ここは、もう終わりだ。


レグは、

踵を返した。


行く先を、

変える。


生きるための、

判断だ。


夜。


焚き火の前で、

空を見る。


(……ミルネ村)


出たことを、

後悔はしていない。


だが――

あそこに、

戻れるなら。


そんな考えが、

頭をよぎる。


(……あの子、

選べるといいな)


外は、

やさしくない。


だが――

選べる場所は、

確かに存在する。


レグは、

歩き出した。


背中に、

かつての村を背負って。


それが、

自分の“出発点”だったと、

ようやく理解しながら。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

小さな選択の積み重ねを意識して書いています。

何か感じた点があれば、感想で教えていただけると嬉しいです。

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