尸鬼戦奇譚 ~過の穢去るは青天の黎~
とある理由で、都市部から過疎の進む集落《三申村(みさるむら)》に引っ越してきた少年《加良陽士(から ようし)》は、転入した村の中学校で上級生達からの壮絶な〝制裁〟にさらされる。
エスカレートする彼らの暴力行為がやがて陽士の生命をも脅かしたとき、突然の嵐のように、《鬼》としか言い表せない怪物が出現した。
圧倒的な鬼の力と残虐さを目の当たりして、己の運命を皮肉りながら死を覚悟する陽士。
だがそのとき、まるで鬼の出現に呼応したかのように、心のなかに謎の声が響き、激しい衝撃とともに陽士は〝人ならざる肉体〟に変身する。
それは紛れもなく、目の前の怪物と似て非なる、だが紛れもない《鬼》の姿だった。経験したことのない力への興奮と解放感に突き動かされるままに、陽士は《鬼》との闘いに身を委ねるのだった。