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奈落のイロハモミジ  作者: ツルギ
9/60

9、願いとお酒

9話です。よろしくお願いします。

 3人は地獄には帰らず現世でマオが所有する別荘で夕食を終え談笑していると時計は21時になろうとしていた。


 「色たん今日は疲れたでしょ先にお風呂入っておいで」

 

 色葉は返事をしお風呂へ向かいリビングを出る。マオは色葉が完全に居なくなったのを確認し立ち上がると素早く動く。


 「さてと紅葉!一緒に色葉の部屋に行くぞ」


 「ああ」

 

 紅葉はマオが何をするかわかっている様に無言で後を歩く。


 マオは真剣な表情で色葉の部屋を開け見回す。


 「出てこい」

 

 何もない空間を切るように手を振り下ろすと、青白い光がフワァっと光だし次第に人型に変わるが実体ではない。


 「なるほど意識を飛ばしたか!許可も無く私の家に入るとはね……神使い」


 「………」


 「今なら聞くぞ話してみろ」


 「……返してほしい」


 「はっ…これは決まりだ。それに1度地獄の門をくぐったものは神使いであろうが天には戻れないそんなこと知っているであろう」


 「………」


 「まぁいい…お前はあの子が外に出るのを待っていたが残念だったな…既に私にはお前の正体もどこに居るのかもわかっている」

 

 マオは毅然に話していたが片手をあげると再び光を切るよに素早く下ろす。


 「帰るといい神の下僕」

 

 光は二つに切れると消え去って行った。


 「当主自ら来るとはね」


 「あの者は切られて本体はどうなるんだ」

 

 紅葉は光よりもその者が気になっていた。


 「負傷はしただろうそれに、実体出来ないところで私の敵では無い」


 「そうだな」


 2人は部屋を出て何事もなかったかのようにお風呂から出た色葉を迎える。


 「お先に頂きました」

 

 タオルを肩にかけほかほかになって帰ってきた色葉はソファに腰掛ける。


 「そう言えば昼間にあったあの人間達は何しにきたのですか?」

 

 色葉は何食わぬ顔で向かいに座る紅葉に聞く。


 「あの人間等は、面識の無い人間を遊びに誘ったりしてたんだ……あまり知らない奴にはついて行くな」


 「そうだよー僕すっごく心配したんだから!」


 そう言いながらマオは色葉の前に飲み物を置く。


 「すみません…」


  色葉はテーブルに置かれた飲み物をぐぃっと飲む。

 

 「ンッ」


 何かすごく苦い気がするけど…苦いお茶なのかな?


 色葉は眉を顰めながらもせっかくだからもう一口飲む。


 「久しぶりの海だったから楽しかったなーまた行こうね」


 「はい!」


 「もちろん紅葉も来るんだよ」


 紅葉は嫌そうな顔をしていた。


 「拒否権は?」


 「もちろん無い!今度は色たんにも水着用意するから一緒に海入ろうね」


 「今から楽しみです」


 色葉は再び飲み物をグッと飲む。

 

 「お風呂入ったからか少し暑いですね」

 

 その言葉で2人は色葉を見る。


 「確かに色たん顔が赤くなってるな…あっ飲み物無くなりそう今お茶入れる」


 「あ、ありがとうございます」


 マオは色葉のグラスに飲み物を注ぎこむ。


 「紅葉さんは何を読んでいるんですか?」


 紅葉はずっと何かを読んでいた。


 「これは鬼からの報告書だ。誰かさんがいきなり海に連れてきたから」

 

 紅葉は鋭い眼でマオを睨みつける


 「ひぃ!こんな時まで仕事しなくていいのに」


 「忙しい時に1日でも休んだらその分溜まるだろ」


 「そうなん…ヒッ…れすね〜」

 

 色葉の呂律が回ってない返事にマオと紅葉は色葉を見る。


 「色たん顔すっごい赤いよ大丈夫?」


 マオは色葉に近づき額に手を当てる。

 

「大丈夫れすよ!ヒック…少しぼーっとするだけ…」

 

 その様子を見ていた紅葉は色葉の空になったグラスを見る。


 「飲み物何入れた」


 「えっ?麦茶だけど」

 

 やっぱりとした顔をする紅葉だったがマオはわかっていなかった


 「この家には麦茶は無い」


 「えっじゃあ冷蔵庫に入っている茶色い液体は?」


 「ウーロンハイだ…度数高めだがな」

 

 そう言う紅葉の前のテーブルには少ししか飲んでいないグラスが置いてあった。


 「えっ!じゃあ今まで飲んでたのって」


 「酒だな気を遣ってほとんど飲んだんだろう」

 

 色葉は慣れていないお酒で今にも寝そうになっていた。


 「何でお酒があんな小洒落た水差しに入れるの!」

 

 また2人が言い争ってる…止めなきゃ…


 色葉は力が入らない体を無理やり起こす。


 「やめてくだしゃい…けんかはよくな…い……」


 限界だった色葉は、言い終わる前に力尽き視界が傾くが痛みはない。


 「とりあえず部屋へ運ぶ」

 

 そう言ったのは紅葉だった。紅葉は色葉を軽々とお姫様抱っこし部屋へ向かう。


 「なんだかんだ大事にしてるな……良いなぁ!僕もそんな人居たらなぁ」

 

 そんなマオを背にし紅葉は色葉を部屋で寝かせるが紅葉は色葉の髪を撫でる。


 「私はお前が望むなら…」


 紅葉は先程の光を思い出して自分の覚悟が口から出ていた。


 「ん〜髪の色……きれい…」

 

 色葉の寝言で紅葉は部屋にある鏡を見ると綺麗な黄緑色だった。夏に来たからか…と思うと同時に、この髪も悪くないか…と思う紅葉は色葉を部屋に残してドアを閉めた。リビングへ帰ってきた紅葉を待ってましたとばかりにマオが寄ってきた。


 「紅葉」


 「なんだ」


 「ここからは遠いが怨霊が出たみたいだ」


 「みたい?」

 

 いつも的確な事を言うマオの歯切れの悪さに引っかかる。


 「現世にいるせいか色んなとこの霊が怨霊に重なって見えるから…まぁまだ大丈夫だけど明日色たん連れて見に行ってみよ」


 「でも色葉の着物はどうする」


 その言葉にマオは任せろと言わんばかりに親指を立てる。


読んで頂きありがとうございます。

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