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曇天の下の極彩色  作者: 雨水雄
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第51話

以心伝心とはよく言ったもので。

相手の気持ちは言ってくれなきゃ分からないものばかり。

でも、受け取る立場にいるのなら……せめてそれが愛のあるべき姿なんだと信じたい。

私の知っている世界に、形の見える愛はなくて。

それは幸せも同様。喜びも満悦も快感も……教えてくれるのはいつもそこにぽつぽつと芽生える感情を表す顔と、いくつもの色彩を放つ声だけ。

でもそれらはどれも結果論。経験と体験が編み出した答えが産んだ解答のようなもの。

今、たったこの瞬間、相手がどんな立場でどんな心で、なにを欲しているのか……それらを含めて最適解を導かなきゃいけない。

それが思いやり。打算的で打算的で計算された相互理解。

私はずっと笑美えみの顔色を窺っていた……?

あなたが一番幸せになれば。そんなあなたがそばにいてくれれば。私はそのどんなときも自分を客観視して、自分を操作して、そこに幸せを見出していた。

それは間違い? いや否よ。だって私は幸せだったもの。

笑美えみが笑ってくれるなら、それはきっと幸せに近い色をしているから。傷跡が見えなくて苦しんでいる姿を探さなくても、その笑顔だけが私の報われる唯一の一手だった。

そんな私だから、今、この場所で受け取る立場になった瞬間、すごく戸惑って困惑して困窮して……感涙を覚えた。




母から直接言われたことのない言葉を、今耳にして。

こんなにも愛されていたんだと知って。

愛とは教えてもらうものではなく気付くものなんだと学んだ。

誰もこれが愛だとは明言してくれない。その人にとってはその人なりの愛の伝え方があって、届け方があって、受け取る私はいつもそれを上手く言葉にできないから有耶無耶にしていた。

だって、いつも私の元へ辿り着くそれは具現化された分かりやすいものではなく、心の揺らぎだったもの。

そんなもの、器用じゃない私には分からない。誰一人として幸せに導けない。彼女といれば喜んでしまう自分が全てだった私にとってそんなの解読不可能に決まってるじゃない……。


人はやさしさを、やさしさと分かっているから相思相愛に近づける。

でも私はそんな紛い物が嫌いだった。塗り固められた贋作に興味なんてなかった。

いつだってそれは受け取る側の解釈でしかない。相手が嬉しいなら、報われたなら、そこで初めてやさしさと呼んでいい価値が生まれる。

あぁ……そのくせ、私はこんなにも大きくてたくさんの愛を、どうしてこんなにも忘れていることができたのか……。

否。もっと早くに正直にその言葉を前提に受け取ることさえすればよかった。


母は自分がしたいがために私を大切にしていて、それを愛というのなら、私はこれ以上ないほど愛された。

母のそんな愛なら、もっと愛されたい。

同様に、この独りよがりの思いやりが彼女の元に愛として届いているのだとしたら……。

私は彼女の本当に欲しいものを、考えて生きていたかった。

どうもこんばんは雨水雄です。

先週に続き夜分遅くに投稿となってしまいました……。

まぁ正直、どんな時間に投稿しようが雨水の勝手ですし、誰かに怒られることなんてありません。

でも、そんな意識一つなんだと、雨水は考えています。

この甘えがいつか爪の甘さになる。この油断がいつかの怠慢になる。

そんな嫌な癖をつけたくないから、小さなことからこつこつと規律を守りたいな……と。

だからこれは雨水による雨水自身の姿勢でもあります。このあとがきまで読んでくださっている方にいつか雨水の真摯が伝わるように。

また来週からはいつもの朝に投稿できるよう頑張ります!

さて今週もここまで読んでくださりありがとうございます。

では来週もよければここで。

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