表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
曇天の下の極彩色  作者: 雨水雄
27/73

第26話

思えばこのときすでにたかが外れてしまったが故に。

私は理性という知性を少しずつ失っていったんだろう……。

夏休みに入ると、必然的に学校へ足を運ぶ必要はなくなる。

部活動や課題、またはそこを集合場所にしない限り、学校に役目は何一つない。

それは私にとっては好都合ではある。別に好んで学校へ毎日来ているわけでもないのだから……。

ただ、今年の今この瞬間に私の中に残るこの虚しさは。

「複雑なものね……」

いつもの昼休み。いつもの屋上前で私はこの心境に思わずひとりごとを口にする。

「ん? なにが複雑なの?」

「!?」

しかしそれは即座にふたりごとに変わり……。

私は驚きを貼り付けた目で声の方角へ目を向ける。

「お嬢、もしかして嫌なことでもあった……?」

私が最もよく知るその声の持ち主は、次第にその目の色に憂いを帯びていく。

「あ、いえ……特に大したことでもないわ」

「本当に? 本当になにも隠してない……?」

なにかにとても敏感になっている彼女は、ぐいっと距離を詰めて私の顔を覗き込んでくる。

私が今一番苦手な距離感で、一番効果的な声色で、一番してほしくない表情で彼女が攻めてくる。

「ほ、本当になんでもないわ……」

実際、彼女の懸念は完全に杞憂に終わるものだとして。

私はつい顔を逸らしながらも、きっぱりと否定する。ただ、その行動は仇となってしまうことに瞬時に気付き、視線だけをちらりと彼女に向ける。

…………今にも泣きそうになっていた。

「あ、ちょっと笑美えみ。そんな顔しないで……。本当になにもないの。本当にないのよ……。ちゃんと説明するから、少しだけ離れてもらえるかしら」

彼女がここまで過敏になるのも僅かばかりだけれど理解はできる。だって最近でこそ私たちの距離はさらに縮まり、それが周知される範囲であることは明白なのだから。

それに伴いお互いに背負うリスクも同じになっていく。今現在被害を受けている彼女にとって、同様のそれが私に降りかかることはなによりも最悪の展開だということ。

だからこの現状は分かる。私なりに、彼女のそのやさしさを真っ新なぬくもりとして至福の贈り物をいただいている。

ただ、私が引き剥がそうと右手でその肩を少し押し返すと、離れるものの、次にはその手の袖をきゅっと摘んでくることで妥協を表してくるのは……。

この子、実はすごく甘えたがりだったりするのかしら。

「じゃ、話して」

彼女は俯きながら、まだ話を聞くまでは心配しているからと手は決して力を緩めてはくれなかった。

「分かったわ。笑美えみ

それから私は口を開いて、話を続けた。

これは私を含め、周りからすれば本当想像以上に小さな悩みを……。

「明日の終業式が終わると夏休みが始まるじゃない」

「うん」

「学校に来なくていいというのは正直嬉しいと思うし、去年までならそれだけだったのだけれど」

「うん……うん」

「ただ、今年はその……会えなくなってしまうのが……」

「誰と?」

「え、笑美えみと……」

「寂しんだ?」

「そこまで言わせないで頂戴……」

ここまで話すと、ようやく笑美えみは袖から手を離し。

今度は袖から生えてある私の手を指を絡めて握ってくる。

そして顔を上げて私と目を合わせる。なんとも表情がころころと変わる忙しい子なこと……。

「お嬢、私も寂しい! だからいっぱい会いたい! たくさん思い出作りたい!」

笑美えみは体を乗り出し、私に顔を近づける。

とても無邪気で無鉄砲で、最高にかわいい顔で。

「ねぇ、るいお嬢!!」

「なに?」

「私、今度はお泊まりしたい!」

その提案は、私にそもそも拒否権はなく。

あらかじめ用意された決定事項ですらあった。

どうもおはようございます雨水雄です。

まだまだ寒い日続きますね……勘弁してほしいでっせ本当。雨水はこの頃に生まれたまぁ冬生まれと云われる人類の一人ですが、寒さにはめっぽう弱いので、生まれた時の環境による耐性や特性、そういった補正は嘘なんだなとつくづく思います。というか雨水はもっと体脂肪増やせって話なんですけどね……。

あ、そういえばなんですが。YouTube始めましたと言って一つだけ動画上げましたけどあのあとからどうしようどうしようと嘆いています……とほほ。実は周りの方の協力もあってイラストなどを描いてもらってるんですが、まだ揃ってなかったりして素材が足りねーって感じなんですよね。それなら動画投稿遅らせてゆっくり始めていけばいいか……とも考えたんですが!やっぱ誕生日にやっておきたいじゃん!が率先してあの日に決行しちゃったって感じです。あとそんなことここで言うなって感じですよね、すみません……。

とまぁ、そんなこんなもありますが、またこれからも雨水の新しい一面を表せる舞台も増やせるかなとも思いますのでもしよろしければご愛顧下さいませ。

さて、今週もここまで読んで下さりありがとうございます。

では来週もよければここで。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ