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曇天の下の極彩色  作者: 雨水雄
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第13話

けれど、私にとっては、そこから眺める景色はあまりにも高すぎたのかもしれない……。

だから、いつもその小ささを掴むにも躊躇いを覚えていんだろう。


笑美えみと話した内容はどれも、笑美えみのことではなかった。

…………私が心内で彼女を名前で呼んでいることは内緒にしているのと一緒くらい、彼女も自分の顔を表面化に出そうとはあまりしなかった。


「今日は佐江島さえしまさんがね、フォローしててね! それで彼女のチームが見事勝ったの!」とか。

「それでね、北川きたがわさんは英語の発音がすごくて! よくリーディングとかで指名されるんだけど……私は気付いてるんだよ。あ、先生今日授業急いでるだなって! 苦手な子を当てちゃうと時間かかるは仕方ないんだけどね……」とか。

「そういえば美術のときに私の前に座ってる中ノなかのざわさんはね、すっごい芸術家なんだよ! 絵は上手いんだけどなんかすごすぎて私にはなに描いてるか逆に分かんないし、工作とかもね、なんていうんだろ……なんか色々仕掛けがあって! 蓋開けたらまた小さいのがでてきたり、それがさ家の中にまた家って感じなの! すごくない!?」とか。

そんな、その日にあった小さな優しさ、嬉しさ、楽しさ、明るさを話してくれた。

だから、彼女の笑顔は常に絶えなくて、私には眩しくて苦しくて遠かった……。

だから、ふと聞いたこともあるの。

「逆になにか嫌なこととかしんどかったこととかはなかったのかしら?」と。

それでも彼女は、笑美えみは……。

「ううん、ない!」

そんなに簡単に笑っちゃうのよ……私にはむしろその純粋さが怖かった。

どこか裏があるんじゃないかって、なにか隠しごとがあるのではないかと。

でも、笑美えみがそんなうそがつけるほどずるい子だとも思えなくて……。幸せそうに話す笑美えみの姿をずっと見ていたい気持ちが強くて……。

「そう。ならいいわ」

私はついになにも言及できなかった。

ただ、笑うだけでは人が幸せになれないのでしょうね……。

感動して泣くことも、喧嘩をして泣くことも、怒鳴られて泣くこともあって。

そんな誰かの影響を受けて、誰かとなにかがあって、それがあなたとだから分かり合える私の全部があって。

だから、これは私の傲慢で倨傲で驕慢でなによりも横暴だけれど……私はあなたの全部を知っていたい。

たったそれだけでいい。でもそれが一番難しい……。

猜疑も懐疑も狐疑もあって。

結局大事な人一人ですら怪訝な目を向けてしまう一面があって。

人はその亀裂に敏感になる。

「え、笑美えみ……」

私は初めて、その名を呼んだ。

隣にいる彼女には聞こえているのか定かではない小さな呟きだった。

それでも、彼女はぱっと顔を上げて、私を見る。

「ん、なに!?」

濁りのないきらきらした瞳。

淀みのない喜びで吊り上がる口角。

歪みのない真っ直ぐ突き刺さる高い声。

どれもこれも私だけが知っている彼女なのかしら……。

「あなたにとって、ちゃんとした幸せってなんなのかしら?」

「う〜ん……ちゃんとした幸せかぁ……」

今もこうしておとがいに手を当てて、あからさまに悩んでいる彼女は、私といない方が実は幸せなんだと思っていたりするのかしら……過ぎる時間の分だけ鼓動が強くなっていく。

「たぶんなんだけど……こういう時間かなって思う」

「こういう時間ってなによ……こんななにもない時間」

想定していた最悪の答えは返ってこなかったけれど、代わりに理解できないその彼女の解答に私は少しじりじりとする。

「ううん、こんな時間だからだよ」

笑美えみは大きく首を横に振って、心に決めてあるかのような自分の答えを聞かせてくれた。


「こうしてさ、るいちゃんと会える。るいちゃんと話せる。るいちゃんと分かり合えるとかさ、ちっちゃな幸せがいいの。それが毎日こつこつ積み上がっていくのがいいんだよ。なんかさ、夢が叶うとか結婚するとか大きなものじゃなくて、気付いたら大きくなってるくらいが私はいい」


私は彼女と焦点を合わせて、口が開いていたことにしばらくしてからはっとした。

そんな無邪気で無抵抗で無警戒な私の一面を見て。

彼女はけらけらとまた笑っちゃうのよ……。

あ、どうも曜日感覚を失った雨水雄です。

えぇ……と……え!? 今日日曜日!? 正気かよ!

という驚愕と、またかよ……と落胆がのしかかっている気分です……。

あ、それよりもいいことあったんで聞いてもらっていいですか?

「すずめの戸締まり」観てきたんですよ!もーめっちゃよかった!なんかえ、すずめすっごい勇者じゃない? みたいな現実離れした行動力には度肝抜かれましたがそのおかげでスリルがとんでもなかったですし、たとえそれが作品の中での設定だとしても、作品の中ではそのキャラは生きているわけですし同時にそれは作者の思いや理想が詰まったいわゆる具現化といっても過言ではないはずなので、少なからずともあの作品を観てなにかを感じ取ってなにか一歩でも踏み出すきっかけになってほしいなと雨水は思いました!雨水、すずめ好き!

あ、あとレディクレ当たったんですよ!今年は忙しくなりそうです!よっしゃー楽しみだー!!

…………というわけで、いやほんとすみませんでした。

来週はちゃんと日曜日に、6時に、上げます。

さて、今週もこの自己満のあとがきまで読んでくださりありがとうございます。

では来週もよければここで。

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