パンナコッタ
ボケ(パンナコッタという名の犬を飼っている)
ツッコミ(スイーツ作りが大好き)
仕事終わり、電車の中でボケはスマホを取り出してにやにやしている。
ボケ「うわ~飼犬のパンナコッタ、可愛いな。仕事の疲れが癒されるな」
ツッコミ「はー、ほんま仕事疲れたわ。週末は今めっちゃ凝ってるスィーツ作りしよ。なにがええかなぁ。プリン……パンナコッタ……ゼリー……なにかぷるぷるしててつるんって食べれるのがええよな……。おっ席空いてるやん、しかもあれは別部署の同期やないか」
ツッコミがあいている席を見つけてボケの隣に座る。
ツッコミ「よっ。ここで会うなんて久しぶりやな。隣失礼するな」
ボケ「ああ、どうぞ」
ボケはスマホにまた向き直り、ずっと見ている。ツッコミは隣をちらりと見て気に掛ける。
ボケ 「はー、パンナコッタ……」
ツッコミ「スマホ見てどないしてるん?」
ボケ 「いや、ずっと見ていられるなぁって」
ツッコミ「まぁ、そうやな。パンナコッタ……プルプルとしていて可愛い……と言えなくもないな」
ボケ 「毛がめっちゃ生えてるんだよね」
ツッコミ「毛が!?」
ボケ 「剛毛で、撫でるとちょっとチクチクするんだよ」
ツッコミ「それほんまにパンナコッタか?」
ボケ 「食べちゃいたいほど可愛い」
ツッコミ「まぁ、そうやな。食べちゃいたい、には同意するわ。せや、パンナコッタの可愛いは作れるんやで」
ボケ 「良いこと言うな。可愛いの作り方を教えてくれ」
ツッコミ「まずゼラチンを水でふやかす」
ボケ 「ゼラチン?」
ツッコミ「小鍋に牛乳」
ボケ 「牛乳…?」
ツッコミ「生クリーム」
ボケ 「生クリーム…?」
ツッコミ「砂糖を入れてかき混ぜる」
ボケ 「かき混ぜる…?パンナコッタも混ぜたらべたべたになりそうだな」
ツッコミ「そしたら火をかけて」
ボケ 「火を!?」
ツッコミ「うん?火をかけて温めるんや」
ボケ 「もっと穏便にできないだろうか!」
ツッコミ「なんや、えらい剣幕で。そやなぁ電子レンジに入れる」
ボケ 「惨劇!!」
ツッコミ「怖!いきなり叫び出して怖いわ!!え、えー。パンナコッタを可愛く作るんやろ?」
ボケ 「パンナコッタ……悪かった。お前は今のままで十分可愛い」
ツッコミ「せやなぁ。可愛いというか旨いというか」
ボケ 「貴様、パンナコッタを食べるというのか!?」
ツッコミ「ちょ、お前さっきから怖いわ。食べる以外に何かあるん?」
ボケ 「こう、抱き寄せて」
ツッコミ「パンナコッタを?」
ボケ 「ぱんなこったたんかわいいでちゅねーーーってむちゅむちゅキスをして」
ツッコミ「パンナコッタを!?」
ボケ 「散歩に連れていく」
ツッコミ「パンナコッタを!!?パンナコッタ火力勢すぎてびびったわ!!」
ボケ 「同担拒否!!」
ツッコミ「びびるわ、ほんまに。お前のパンナコッタへの愛はヘビー級やわ」
ボケ 「何しろもう5年も一緒に生活しているからな」
ツッコミ「え、え?5年も?ちょ、変な匂いしない?大丈夫?」
ボケ 「たまに腐った魚の匂いはする」
ツッコミ「それ大丈夫か!?もうアウトじゃないか!!?」
ボケ 「いや、きちんと洗えばポップコーンの匂いがするんだ」
ツッコミ「いや、それどんなパンナコッタやねん」
ボケ 「見てみるか」
ツッコミ「……え、見せてくれるん?」
ボケ 「ああ、黒色で可愛いぞ」
ツッコミ「パンナコッタの色が!?それは、その…やばない?」
ボケ 「まぁ、しろっぽいクリーム色もあるんだが、うちのは黒だな」
ツッコミ「え、ええ……めっちゃ怖いわ……」
ツッコミが恐る恐るボケの差し出すスマホを覗き込む。
ツッコミ「……ラブラドールレトリバー」
ボケ 「ああ、黒ラブといわれている犬種だな」
ツッコミ「パンナコッタは…いつから犬の話に?」
ボケ 「最初からだが?」
ツッコミ「もうええわ!」
はじめてコント形式の作品を書いたので、これで合っているかどきどきです。