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夜に煌めく炉は蒼銀で  作者: 夜櫻 雅織
第一章:一年生第一学期 魔法の深淵と神髄に触れる資格は
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第80話 面倒事を増やそうとするな

「良いんじゃないか?」

「……少しだけ期待したんだが。」

「とは言われても。お前がそういう職業であるように、俺もこういう職業だから生徒の為に、学校の教育体制やその水準を少しでも上げられる術は何が何でも逃す訳にはいかないなぁ~って。」

「こういう時だけ頭が回るよな、お前。」

「職務を全うしてるだけなのにこの仕打ちである。」

「まぁ良いじゃない、ティア。それで十分教員としての貴方の実力も、名声も世界的に認められるわよ?」

「望んでない。そもそも俺は変に目立っちゃいけないんだっての。」

「すっごく今更だと思うんだけど。」

「俺もそう思うんだが。あぁでも、ティアがやってくれるなら色々好きにしてくれて良いぞ。教員の担当科目を変えるとか、契約体制を変えるとか、必要とあらば給与とかも全部。」

「横暴にも程がある。……はぁ。じゃあ解雇する権限だけくれ。場合によっては逮捕か、裁判なのかもこっちで決める。」

「あぁ、ご自由に。」


 全く期待していなかった訳ではないが、それでも反論が出来ないぐらいに珍しく正論を投げられているのも事実。これをどう黙らせるか、というのがこれからの難題ではある訳だが……まぁ嘆いた所で何も始まるまい。


 まぁでも確かに今更……か。


 俺が黙ってるのを良い事に、なのか。それとも単に熱が冷めないだけなのか、ディアル達とどんどん話を進めていくアラーク先生をこんなにも睨みつけたくなるような衝動に駆られるとは思ってもみなかった。

 しかし、結局は何を言った所で仕方ないと言う結論に着地するのだから喚いても仕方ない。ここはあれを横目に、この場をどう切り抜けるのかを考えるべきだろう。


 まぁ……やる事なんぞ決まってるが。


「ディアル。」

「何だ? 大人しく受けてくれる気になったか?」

「悪役かお前は、しょっぴくぞ。」

「じょ、冗談だと思えないんだから辞めてくれ……。」

「……ったく。とりあえず、俺に授業学研究会の参加と学年教員主任をさせたいなら陛下の許可を煽げ。それまで、俺は絶対に首を縦に振ってやらん。」


 というより、俺にそんな事を独断で決める権限なんてないんだよ。……願わくば、陛下が断ってくれる事を切に願う。

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