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夜に煌めく炉は蒼銀で  作者: 夜櫻 雅織
第一章:一年生第一学期 魔法の深淵と神髄に触れる資格は
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第79話 どいつもこいつも聞ぃちゃいねぇ

「ルーベル先生、授業学研究会を発足しましょう!」

「ちょっと待ってくださいアラーク先生、色々と。色々と足りてません。話が突然過ぎて何も伝わっておりません。まずは全て説明してからにしていただけますか?」


 何で外の連中はこうも事を急ぎたがるんだ。


 ディアル達で多少慣れたつもりだったが、どうやら全く以て慣れていなかったらしい。まぁでも世の中には色んな奴が居る、こればっかりは俺の経験不足であると認めざるを得ないだろう。

 一応、ある程度何が要因でそうなってしまったのかには幾つか心当たりがある。というかこの世間知らず……と称してしまいたいが恐らく、こいつらも怠惰で積み上げられた教育界の被害者なんだろう。まぁだからといって同情してやるつもりはない。

 ただ、それにしても本当にこの学校は何かと喧しい。そもそもの話として頭であるディアルとシャルが喧しい時点で、この学校に属する人間全員が喧しいと見て良いだろう。


「ルーベル先生の用意した試験を見て、本当に、心の底から感銘を受けました……! 生徒達からの信頼も厚く、ルーベル先生が担当していない生徒達もルーベル先生を頼りにしているという話も幾つか耳にします! ルーベル先生は立派な教員の鑑です!」

「……あくまでこれは副業であって、本業はこの子供達に未来を与えるなんて綺麗な物ではなく、死体を積み上げるだけの野蛮で狂気極まりない職業なんですが。アラーク先生、失礼ですがお酒にでも酔っておられるので?」

「非常勤ではありますが、ルーベル先生が学年主任になられれば全ての問題は解決しますよ!」

「駄目だ、聞いちゃいねぇ……。」

「アラーク先生、授業学研究会は具体的に何をする目的で作るんですか?」

「勿論、生徒の皆さん達にとって楽しく、かつ授業の質を高める為の一歩先の授業を研究する為ですよ。お恥ずかしながら、私達もルーベル先生が酷く嫌っておられるあまり面白みのない授業ばかりを受けてきましたので、どうしても勉強はつまらない物という固定概念があって……。ルーベル先生には申し訳ありませんが、その根幹から容赦もなければ加減もなく叩き直していただいて、根底からの改善を図ろうかと思いまして。」

「完全に俺に依存する事になるであろう事は十分にご理解出来ているようで何よりです。……ただ、もう少し俺の意見を考慮してほしいんですが。」

「先生、やってくれ!」

「やらん。」

「でも先生、そしたらあのクソったれな先生とかの処分も好きに出来るし、何より色々権限も手に入んで?」

「……聞いてなかったのか。俺はあくまで副業でここに居るだけだ、こっちで権力を渡されても困るだけだ。」

「で、でもせんせ、あんな国家反逆罪級の……犯罪者もせんせの独断で効率的に潰せる、かも。」

「……。」

「揺れてるな。」

「おん、揺れてる。セイズ、もっとやれ。」

「そういうのって、せんせの仕事にも関係ある……んじゃない?」

「…………いや、いきなり俺達の権力を行使するよりも先に校長が動くべきだろうし、その次に警察を挟むべきだし、それでも対処出来なかった場合の為の俺達なのにいきなりてっぺん持ってきてどうするんだよ。」

「正論で潰された。」

「諦めるん早いって……!」

「も、もうちょっと頑張ってくれ!」

「とりあえず、ルーベル先生。そこまで仰るのであれば、一度校長の元へ行きませんか? 勿論、シャルロット先生のご意見も聞きに!」

「あぁ~……。嫌ぁな予感……。」

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