表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夜に煌めく炉は蒼銀で  作者: 夜櫻 雅織
第一章:一年生第一学期 魔法の深淵と神髄に触れる資格は
58/192

第55話 それでも初心は大事だから

「おし、やるか。」


 そもそもとしてジーラ達には「諦めろ」と言われてしまった所だ、とりあえず今は自分の仕事に集中するとしよう。

 教師と言う物は非常に面倒な物で、仮に生徒が3人だけであろうと。仮にその回数が少ないとはいえど、それでも授業と呼べる物を行っている以上。こうして書類が来てしまっている以上、定期テストを作らなければならない。

 言わずもがな、これは初めての試みだ。

 他のメンバーとは違って部下を持たず、本当に陛下の勅命(ちょくめい)でしか動かず、誰にも命令をしない。する必要のない身である俺としては「誰かの為に課題を用意する」と言う事だけでもかなりの重労働なのだが、今回はそれの確認用テストまで作れと言うご達しだ。

 幾ら普段は遊びながらやる俺でもテストぐらいは真面目に作らなければならない事は重々理解しているし、変に厳しくしてはいけないと言う事も分かっている。

 聞いている限りではテストと言う物は学習の確認の為、理解度の確認の為に行う物だと聞いている。

 なのでこれまで授業で言っていない内容や教えていない内容での問題を出す際は必ず1点は与えるような問題にしなければならないとも聞いた。

 それ故に仕方なくシャルが普段使っている教科書を引かなければならなくなった。


 まぁ、とりあえず作るだけ作ってみるか。中間チェックはシャルがしてくれるし、最終チェックはディアルがやってくれるから問題があれば指摘してくれるだろうし。


 ディアルの学校、シャレル魔導学校の定期テストは実技部門と筆記部門の2種類がある。

 書類上は特講(とっこう)魔法学と言う名前になっている俺の授業は選択科目、履修していない生徒との差をあまり開けない為に配点自体が低く設定されている。


 結果に嘘は吐けんがな。


 それに比べ、通常科目に関しては500点を満点とし、俺の授業は220点が満点。配分としては筆記部門で100点、実技部門で120点となっている。

 個人的には元々彼らが優秀だと聞いていた事や、事実彼らの実力が異常である事を(かんが)みれば筆記も実技も9割ぐらいの点数は取ってほしい物ではある。



 断じて加減しないが。



「そうだなぁ……3つに分けようか。復習と……応用と。後は挑戦編としようか。」


 テストは確認の為の必要事項。

 だとするならば最初の内は復習を兼ねて難し過ぎない物を用意し、応用はかなり難しい物を。挑戦編はあいつらの考え方を確かめる事を目的にするのが吉だろう。

 にしても、こうしてみれば意外にも長い間傍に居たらしい。

 大体対峙した相手が死ぬ事から元より相手の名前を覚える事が苦手だった。

 でも、今はそれを求められ、我ながら呆れる速度で順応していて思わず笑ってしまう日々でもある。

 だからこそ、そろそろ出会ってから2か月程が経とうなど、欠片も思っていなかった。


 一応長命な俺としては時間の流れなんて遅いもんだと思ってたんだがなぁ……。人とよく関わるようになってからは……いや、あの学校の教師になってからはそうも言えなくなってしまったな。


「復習……。……ん”ん”。作っていてつまらんな、このパート。こんな物、わざわざテストに出されなくても復習してほしいもんなんだが……出来ないからこそ “作ってくれ” と言われるのか? それでも魔法師なのか……?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ