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夜に煌めく炉は蒼銀で  作者: 夜櫻 雅織
第一章:一年生第一学期 魔法の深淵と神髄に触れる資格は
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第53話 夏は娯楽の季節なんだから

「それはそうと……先生。7月は何か予定とかあるのか?」

「いつも通りお前らの子守りと仕事だけど、何か。」

「俺達にとっての夏と言えば体育祭と夏休み! 先生、俺達と何処かに遊びに行かないか?」

「先生、先生ってお堅い職業やから全然遊びに行った事ないんやろ? 俺らと遊びに行こ~!」

「せんせ、僕達と遊ぼ……?」


 お前ら、本当に俺の職業忘れているんじゃないだろうな。


 一応書類上、戸籍上は軍人になっているので裏社会に蔓延る奴らとは違うのでそう簡単に、日常的に命を狙われるような立場には居ないが、それでもそんな顔は割れている。

 だと言うのにそんな奴が子供を連れて出掛けていたなどと知れればそれなりに騒がしくなるであろう事は詳しく言わなくとも分かる事だ。


 ま、しばらくは忙しい上に一応お前らの先生になったからやる事は多いんだけどな。


 こいつらがなかなか学校へ行ってくれないので開けないのだが、そもそもとして今回俺にディアルから送られてきた封筒の中身は第1期定期試験の内容についてだ。

 ただ他の授業とは違って満足な授業を行えていない事、俺としてもまだまだ教えられていないので此方としてもあんまり踏み込んだ内容を問題と出来ないので今回ばかりはシャルが魔法学の授業をしている時に使っている教科書から幾つか出題しようとは思っている。

 しかし、それはあくまで “読めば分かる内容にはしている” と言うだけ。何も分かり易くしてやる気はない。


 さっさと内容決めたいから学校行ってくんねぇかなぁ……。


「先生、スイパラとか興味ないんですか?」

「スイパラ……?」

「え、知らない? スイーツパラダイスの略で、めっちゃ甘い物食べるんだ! まぁ勿論他にもスイパラの料理版でビュッフェとかもあるんやけど、スイパラの方が楽しいって!」

「すっごく美味しいんだ!」

「……とは言われても。あんまり食に興味なんてないし、甘い物もそこまで好きじゃないし。」

「あ、そういえば。先生、先生って好きな物ないんですか?」

「好きな物……。……まぁ、強いてあげるならパスタとか、か? 前に陛下が……あぁそうそう、パスタの中でもショートパスタと言う種類は結構形が違ってて面白いなぁとは思ってたが。」

「え、味じゃないのか。」

「……せんせ、本当に食事に興味ないの?」

「ない。食べられる程度の味で、腹が膨れれば後は基本的にどうでも良い。まぁでもあっさりしたものは結構好きだな。元々あんまり食べる方ではないし、仮にも軍人だから食事をゆっくりする習慣もなければ好き嫌いを言っている余裕もない。」

「あ、じゃあ今度俺が作ろうか?よくよく考えたらこんな暑い中先生を歩かせるんもあれだし……。」

「おい、俺を何だと思っているんだ貴様。」

「そういえば……せんせ。せんせは料理……しないの?」

「出来ない、しないと言うよりは経験がない。どいつもこいつも保護者な所為でキッチンに立った事はないし、普段は城に住んでたもんだから向こうのシェフが……って何余計な事話させてるんだ。さっさと学校行ってこい!!」

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