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夜に煌めく炉は蒼銀で  作者: 夜櫻 雅織
第一章:一年生第一学期 魔法の深淵と神髄に触れる資格は
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第42話 これが俺達に出来る、最善手

「校長先生、ちゃんと宣言通り戻ってきたぞ!」

「うん、お帰り。……それで?何か策があるようだったけど、あのティアと言う名の難攻不落の大要塞を落とす手立ては見つかったかい?」

「……ティアの為なら僕が出来る事は何でもやるけど。」

「必要があればお願いします。……とりあえず、まずはこれを。」

「手紙と……こっちは書類?」

「ちょっと父上に色々と相談して参りまして。……どうかご検討とご確認願えれば。」


 これで何とかなれば良いんだが。

 少し家へと戻り、タイミングの良い事に屋敷で待機してくださっていた父上にもしっかりと話を通し、色々と準備をした。

 これなら先生も納得してくれるはずだ。納得してくれるはずだと、そう信じたい。

 校長先生が手紙と封筒の双方を開封し、ルールゥ先生が半ば覗き込むようにして其方へ目を通しているのだが……ルールゥ先生は心底驚いたように目を見開いて固まっており、校長先生は校長先生でかなり困った様子だ。

 まるでこうなるとは思っていなかったと言わんばかりに、信じ難い物を見ていると言わんばかりに。


 結構論議したんだぞ。


「……え、本気かい?」

「えぇ、本気です。」

「……ディアル、ちょっと貸して。それ。」

「あ、あぁ……。……ほ、ほら。ティアと同じ本職がこんなに啞然してるぞ、ほ、本当にこれを許可したのか?」

「あぁ、許可してくださった。“余ってるから再利用してくれ” と言われてもいるんだ。何なら他にも必要な物があれば言うようにとも言われてるぞ!」

「学校からも結構近い場所にありますし、これならちょっと面倒くさがりな所がある先生も動いてくれる……と、思いまして。」

「……。」

「……同僚としては如何ですかね、ルールゥさん。」

「……ま、ぁ反論はされないとは思うけど……うん。勿論押し切ればって言う前提は就くけど、それでもまぁ……。うん、僕としてはこっちの方が学校ごと守護するよりもずっと良いと思うし、僕達だって顔は出し易いけど……。」

「それに追加し、俺達目線で他の授業が忙しいからと言う理由で一時的に先生の授業を休止にするか、放課後へ一時的に授業の時間を変更するかの提案をしてみるのは如何でしょうか。それなら先生の都合ではなく、俺達の都合になりますからそれこそ2週間に1度の授業にするとだとか、手は幾つもあると思うんです。」

「確かに……。ティアを納得させるのではなく、ティアが納得せざるを得ない方法を取ると言う事か。」

「はい。それならあのお優しい先生の事です、二つ返事で従ってくれるかと思います。……恐らくですけど先生にとっては殆ど法律と言っても過言でない程に遵守されるかと思いますので、是非とも其方の方から変更を掛ける方が最も効果的かと。可能であればルールゥ先生と一緒に行っている仕事の方も何らかの変更を掛けては如何でしょうか。」

「うん、良いね。何処まで効果を生み出せるか分からないけど、やるだけやってみる分には良いかも。」

「……でも完全に授業を停止すると変に気付かれそうだな。」

「それは俺も気になっておりますので時間の変更の方が宜しいかもしれません。そっちの書面の方の準備は此方で進めておきますので、学校側と本職側で出来る作業と対策の方をお願いします。」

「……まぁ、色々と腑に落ちない所もあるが君達の提案通りにするとしよう。ルールゥさん、部隊を代表して軽く許可の類を頂けても?」

「まぁティアの為だからね。これで他のメンバーや陛下に何かを入れても僕の方からも弁護してあげるよ。そのまま君達は君達に出来る事をやって。」

「っ、はい!」

「おし……! セイズ、早速家具から準備するぞ!」

「うん……!」


 これでも先生が折れないのかどうか試してやるぞ!

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