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夜に煌めく炉は蒼銀で  作者: 夜櫻 雅織
第二章:一年生第二学期 ご無沙汰、我が家
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第31話 聞く気ねぇじゃねぇか

「あ、そうだ。先生、すっかり忘れてたんだが先生に話しとかないといけない事があるんだ。」

「忘れる程にどうでも良い事なら忘れといた方が良いんじゃないか?」

「先生、実は何か嫌な予感でもしてたりするのか?」

「何故そう思う?」

「先生が嫌がる時は大体そうだから。後は面倒な時。」

「確かに。先生、何かあるん?」


 俺よりもそいつの方が分かってると思うんだがな。


 情けないと言って良いのか、それともこいつらの察しが良過ぎる事を恨めば良いのかは分からないが猛烈に嫌な予感はしている。出来れば話を聞かないまま、さっさと逃げてしまった方が良いと俺の中の何かが騒いでいるのも察してはいる。

 とはいえ、それでは困るからこうして様子見してる訳だ。……猛烈に強い嫌な予感は重い足枷のように纏わりついてはいるが。


「……で、何だ。さっさと話せ。」

「両親の仕事が落ち着いてな、是非先生に会いたいと。」

「断れ。」

「会ってほしい。」

「……はぁ。勘違いしてる所悪いが、書類上俺はただの授業担任。お前らのクラス担任はシャルだ、俺がお前らの両親に会う正当な理由は何処にもない。」

「それでも是非、先生の話を聞いてみたいと。……本当に駄目、か?」


 駄目だって俺は言ったはずなんだがな。


 だからと言って以前1度やったようにシャルやらディアル、陛下の許可を取れと言えばこの行動力の塊共はしっかりとその手順を踏む。一切の躊躇いもなく、それさえやれば良いんだなと言わんばかりに1つ1つこなしていくのは俺も学習している。

 不愉快な事に俺がどれだけ断る事を望んでもあの3人は良い経験だと言わんばかりに許可するのも学習済みだ。悪足掻きする方が馬鹿だというのもしっかりと。


「……何で俺なんだ。シャル達に」

「ちなみになんだが先生、隣の部屋にもう来てるぞ。」


 ………………。


「……準備するからお茶菓子でも出しとけ。」

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