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夜に煌めく炉は蒼銀で  作者: 夜櫻 雅織
第二章:一年生第二学期 ご無沙汰、我が家
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第15話 最適化は慣れてから

「……? 教室じゃないのか?」

「あそこは邪魔な物が多い。小さい物を錬金するならともかく、でかい物を錬金するのには向かない。」


 どんな技術でもそうだが、最初の内は再現する事。実現させる事に重きを置くのも相まって、完成物というのは判を押したようにでかくなってしまう事が殆ど。最初から小さい物、というのはその元の材料があまりにも小さすぎるか、それを作る為の材料の数や種類がそこまで大きくなければ多くもないという前提があるからにすぎない。

 その為、今回俺がこいつらに用意したのはそれなりに大きい物。作る人、用途、材料によってはこの国を囲う巨竜壁と同等か、それよりも大きな物も存在するがまぁこいつらの事だ。流石に天井よりも高い物は作らないだろう。


 勢いあまって扉を潜れないでかさの代物を作りそうではあるが。


 その場合は俺が一時的に扉と壁を変形させて通れるようにするか、このままここを倉庫にして完成物を置物にしてしまうのが無難な所だろう。

 実際、何かを作り出したとしてもその半数程は研究所に資料として置いてはあるが触らないまま埃を被ってしまう事の方が多い。こいつらもそれを学ぶ良い機会だろう。

 教室ではなく、そこから少し離れた所にある多目的室。元々新校舎ともあって必要最低限の物しかないこの館内。他にも広くて何もない場所は幾つかあるが、今回やろうとしている事にはこれぐらいの広さで良いだろう。

 状態保存の魔法が校舎全体に掛けられているのもあって埃1つないこの部屋。

 あらかじめ準備しておいた、床に描かれた錬金術の中に今回買ってきた夜煌石。砂のような物の入った中瓶。黒い小さな袋。幾つかの夜空色の羽。夜空色の髪束をそっと置く。


「せんせ、それは……?」

「錬金術の材料。こっちの石は夜煌石っていう特殊な石で、夜空と星、月の力を持つ高濃度魔力を宿す石だ。」

「夜煌石って確か……夜煌祭の?」

「あぁ。こっちの砂は海岸によく落ちてる貝殻とかを潰して作られた星の砂。お前らでも浜辺に行けば直ぐ手に入るだろうよ。んで、黒い袋の中は俺の自然に抜け落ちた鱗。」

「先生の!!?」

「……羽と髪もそうだよ。」

「……黒魔術?」

「残念、錬金術は科学から生まれた物。黒魔術から生まれた召喚魔法とよく混合されるかあっちは呼び出す魔法、こっちは形を与える魔法だ。用途が違いすぎる。」

「これで……何、するの?」

「ゴーレムを作れ。尚、自分達がやる時は自分達の髪等を使うように。そうする事で自分が作り出したゴーレムに自分が主人である事を示す事が出来る。」

「ご、ゴーレムって石状の生命体で、稼働する防衛者じゃないの……?」

「いや、実際はガーゴイルのような置物の事で、そういうのは防衛システムという別の呼び方をする。まぁ、あくまで防衛システムがゴーレムの形をしてるだけで命令に従うゴーレムと、防衛するだけの防衛システムとはまた違う。ちなみに、習得はかなり難しいぞ。好きに苦しんでくれ。」

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