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兵頭は倦怠期?

新章です

 味覚が元に戻り、食事に楽しみを見出した。どうも三澄乙葉です。

 謹慎明けから早一週間。もうすぐ中間テストが始まる時期となった。


 昨日、江月おばさんにテストはいつもどうしてるのか聞くと、気合で乗り切ってると言っていた。

 つまり前日に丸一日使って勉強してたらしい。それでも赤点ギリギリらしいが。

 まぁそれは仕方ない。むしろ記憶障害を抱えた状態でよく赤点を回避出来てるもんだ。


 しかし最近の俺はそれも段々緩和されてきており、三日前のことなら憶えていられる様になっていた。

 今度病院で検査してもらう予定だ。


「これも天津川のおかげかもな…」

「んー?天津川ちゃんがどうかしたん?」


 四時間目が終わり、赤メッシュ眼鏡イケメンという属性モリモリ野郎が既に目の前を陣取っていた。その為今の独り言を聞かれてしまった。


「別に。なんでもねぇよ」

「ほーん。そうかい」


 赤メッシュ眼鏡イケメンの属性モリモリ野郎こと、兵頭の問いかけを適当に誤魔化した。

 しかしここで違和感を感じた。いつもならウザいテンションで問い詰めてくる癖に、すぐに引き下がったからだ。


「?」


 気になって兵頭の表情を見てみるが、いつも通りのマヌケ面だった(俺にとって)

 しかし、やはりどこかおかしい気がする。昨日までの兵頭の表情とテンションを頭の中で比べてみると……ウザったらしい笑顔が足りないな。

 今の兵頭は無表情、真顔だ。いつもニヤニヤしてる癖に、どうしたと言うのか?


「兵頭。お前なんか変なもんでも食ったか?ウザさが鳴りを潜めてる気がするんだが」

「ひっど。それじゃまるで、僕がいつもウザいテンションの男みたいじゃないか?」

「自覚無かったのかよ」

「ドイヒ~…」


 苦笑いしながら受け答えする兵頭。

 ……やっぱりおかしい。いつもの勢いが無いぞ、コイツ。

 元気がないって言ったら良いのか?しかし顔色は悪くなさそうだし、キッチリ弁当を開いてる様子から食欲は普通にありそうだ。


 あれか?いつものテンションばかりでいるのが疲れて、倦怠期的なアレでも来たか?


「お待たせしました。三澄さん、兵頭さん」

「やっほー!……って、あれ?兵頭君、なんか元気なくない?」


 兵頭の様子に首を傾げていると、遅れて天津川と小鳥遊がやってきた。

 そこで小鳥遊が兵頭の様子にいち早く気付いた。


「え?そうかなぁ?僕はいつも通りだよぉ」

「そう?だったらいいけど」


「どうぞ、三澄さん。こちら本日のお弁当です」

「ああ。ありがとう」


 そうして最早日常となった、このメンツでの昼食タイム。

 最近では残った昼休みの時間でトランプをすることもしばしば。

 ……まぁ。そのおかげ?で男子からの嫉妬の視線がヤバいというのにも気付いてしまった訳だが…。


「おい。あの空間だけ桃色じゃねぇか?」

「言うな。皆そんなのずっと前から気付いてる。見ないようにしろ、さもなくば心が死ぬ」

「くっそ~…。兵頭ならまだしも、なんでよりにもよって三澄なんだ…」

「理由はいくつもあるだろ?察しろ」


 昨日読んだ恋愛小説でも見たような光景が視界端で繰り広げられている。

 三人はとっくに慣れていて、澄まし顔で食事を摂っているが……いや天津川の耳が赤い辺り、少し恥ずかしがってんな?


「食べる場所、移した方が良いかもな」


 三人にだけ聞こえるように言うと、小鳥遊が真っ先に反応した。


「ああ、それは賛成。三澄君と天津川さんの居心地悪そうだもんね」

「いや。俺は別に構わないんだが、天津川の耳が熱中症になりそうでな」


「なぜピンポイントに耳なんですか!?」

「さっきから耳だけ真っ赤だし」

「え!?」


 俺が(そのこと)を指摘すると、耳を塞いで顔を赤くし出した。

 うん。やっぱり場所を移した方が良さそうだな…。


「それじゃあ、僕がどこか良い場所はないか調べておくよ」


 天津川の様子を見た兵頭が、苦笑交じりにそう言う。


「いいのか?」

「いいよ。気分転換に学校を見て回るのも良いと思うしね」


「「「気分転換?」」」

「おっと、こっちの話だよ。あははは…」


 兵頭はそう言って、何度目かの苦笑をしながら言った。

 その声は、やはりいつものウザさなどはなく、元気が無かった。


「どうしたの兵頭君?やっぱり今日おかしいよ。花壇の手入れにも来なかったし」


 そういえば今朝は、寝坊したとかで兵頭だけ来てなかったな。

 兵頭も人間だし、寝坊の一つくらいするだろうと気にしなかったが、今の様子からして何かあったとしか思えないよな。


「それは寝坊しただけだって。ほら見て?少し隈出来てるでしょ。ちょっと寝不足で調子出ないだけだよ」

「……そう?わかった。でもそれこそ珍しいじゃん?何かあったら相談乗るから、あまり一人で思いつめないでね。愚痴だけでも聞いてあげれるし」

「おっと?寝不足=悩み事だとお思いで?たはー!確かに僕が元気ないとそうもなるかー!なーはっはっは!」


 兵頭は俺たちに心配かけまいと、無理矢理笑ってるような気がした。

 ……これは、変に気に掛けるのはマズい奴だな。しばらくそっとしておくか。

ギャグキャラがこうだと読者も調子が狂うのはあるあるですかね?


この話が面白いと思ったらブクマ登録と高評価、いいねと感想をよろしくお願いいたします。


次は「神様は純粋な者にこそ、夢のような力を与える」を投稿します。

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