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俺が銀髪美少女に幸せにされるまで  作者: 結城ナツメ
銀髪美少女は俺の胃袋から幸せにする
14/40

絶望させる為なら

区切りよくする為に、いつもより短いです。

(本当にムカつく…。人の彼氏を奪っておいて、あんな涼しい顔して…)


 一人の少女が、そんな憎悪を込めながら歯嚙みする。

 その少女は乙葉のクラスにいる友人と談笑しているように見せかけているが、視線はずっと友奈に向けられていた。


 友奈はそんな視線に気付かず、作り過ぎてしまった弁当を乙葉たちと一緒に処理していた。


「うっぷ……二人ともすまない。僕はもう食べられない…」

「兵頭はまだ頑張った方だ。俺なんて十分くらい前からとっくに限界だぞ…」


「す、すみませんお二人とも…。男性は皆さん、お父さんのように大食漢なのかと思ってました…」

「酷い偏見だ…。菓子パンで腹を満足させてきた俺には拷問もいいところだぞ?……まぁ頑張って食うけどよ。せっかく作ってもらったし」

「わ、私も頑張って食べますね!」


 とんでもない量の弁当に苦しむ友奈を見て、少女は内心ざまぁと微笑むが、当然そんなものでは彼女の憎悪など収まらない。

 逆にぶっきらぼうながらも、乙葉に大切にされているように見える友奈に対して、憎悪の念が強まっている。


(なんでいつもいつも、アンタばかり幸せそうなのよ。私なんてあの人に振られてから、ずっと不幸続きなのにさ…)


「……………」


 少女がそう思うと同時に、乙葉がちらりとそちらに目を向けた。

 その時僅かに目が合い、少女はすぐに視線を友人に戻した。


(あの三澄って男、妙に勘が良さげね?昼休みならアソコに近付いて来る奴もいないから、そのタイミングで天津川を堕とそうと思ったけど……放課後の方が良さそうね。ちょっとリスクが増えるけど、あの二人は一緒に帰ってないみたいだし……うん。その方が丁度いいわね)


「ごめん!先生に呼ばれてたの忘れてた。ちょっと職員室行ってくるね」

「え?珍しいね、七森(ななもり)さんが忘れるなんて」

「私だって人間だもの。一つや二つくらい、忘れることあるわ。それじゃあね」


 そう言って少女は教室を出て廊下の隅まで行き、突き当たりを曲がる。そこは幾つかの文芸部の部室があるだけで、放課後以外は人気が少なく、内緒話をするのに持って来いの場所であった。

 彼女は鍵が壊れている部室に入り、誰もいないことを確認してからスマホを取り出して、とある人物に電話をかけた。


 相手は以前に連絡していた、友奈を嵌める為の協力者であった。


「もしもし?私だけど。明後日の昼休みにやる手筈だったけど、なんか勘が鋭い奴がいて……いいえ。予定通り明後日に決行よ。ただ、放課後に変更したくて……はぁ?だったら私も?……………わかったわよ。私にはもう、失う物なんてないんだもの…。好きにしていいわよ。勘違いしないで!天津川に絶望を味合わせる為なら、私はなんだってする。……ええ、いいわよ。天津川と一緒に、一生アンタ達の玩具になってやるわよ…」


 それから一言二言、言葉を交わして電話を切る。

 少女は、明後日は自分も巻き添えか、などと思いながらため息を吐く。しかし後悔など無い様子であった。


「よかった……あの人に初めてをあげておいて…」


 僅かに震える身体を抑えて、少女は無理矢理歪んだ笑顔を作った。

 全ては天津川友奈を堕とす為に、と自身に言い聞かせながら。

短いので、明後日までこちらを投稿します。


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