王都にて
ここは、王都のギルドマスター室。 ギルドマスターである、ジョン・フリークスが、ダン、ヴィンスとカイル3人を迎えている。 なお、各支部には転移魔法陣(シュン作成)があり、支部と本部の移動はそれを使用しているのだった。
「ダン、久しぶりですね、どうぞ座ってください」
といわれ、案内されたソファに座る、ダン、ヴィンス、カイルだった。
ヴィンスはダン、カイルや既知のものには横暴だが、横暴になる場所はわきまえており、外面がよく表面上は快活な少年に見えるのである。
自身デスクの椅子に座ったジョンが、優しい表情になる。
「はじめまして、ギルド本部のギルドマスターのジョン・フリークスです。
君が、ヴィンス・スキナー君ですか。 確かに魔力量が尋常じゃないぐらい多いですね。」といった、ジョン表情は優しいままだが、目だけは威圧しているのだった。
「はい、はじめまして。 俺が、ヴィンス・スキナーです。 短いですがお世話になります」と、軽く会釈するのだった。
「君が、カイル・タナー君ですね。 君もなかなかの魔力量ですね。」といった、ジョンの表情は微笑み優しい目線のままだ。
「はい、はじめまして、カイル・タナーです。 こちらこそよろしくお願いします」カイルも同じく軽く会釈するのだった。
すると、ドアがノックされ、女性の声で「マスター、お飲み物をお持ちしました。」と聞こえ、「アリア、どうぞ」というと、20代前半の170CMで細く綺麗な女性が入ってくる。
「秘書のアリアです」と紹介しつつ、アリアは飲み物を置き終えた後、「はじめまして」と礼をする。
その際、アリアがヴィンスを見て、少し頬を赤らめている。。。
「アリア、私がいいというまで入室禁止でお願いしますね。」というと、アリアは我に返り「はい、畏まりました」と退室していくのだった。
ジョンは、飲み物を飲み、一息いれるのだった。
「王都での滞在とあと学園について説明します。
国王との謁見ですが、1週間後となります。 謁見に向けてマナーを習っていただきます。 その後、帝会議があります。 帝会議は王都にある会議場で毎月1回、夜の7時から行いますので必ず出席してください。 王都にいる際の移動は、このギルド本部から会議場までの転移魔方陣を使用します。 学園に居る際は、学園都市のギルドから一度本部にきて、移動してください。 帝の任務としては、主に護衛、警備、あと最近はないですが、魔物氾濫時の討伐や、これも最近はありませんが、他国との戦争時の参加です。 他、緊急時に招集があり、その際の会議の参加と対応となります。 帝であることは秘匿とされておりますので、お2人とも帝として参加する際は必ずフードを深くかぶり容姿を出さない事が鉄則です。 わかりましたか?」というと、「「はい」」と元気のよい返事だ。
「次は学園について説明します。 学園の案内については、後程資料を渡します。 君達はギルドマスターの推薦枠という事で入試免除で特待生となります。 ただ、君達の魔力量は学生を遥かに超えていますので、やや多めという形で魔力制御の腕輪を用意いたしますので、そちらをはめてください。 でないと、他の生徒との差がはげしいので。」といい、「学園に行く際に、学園長あてのお手紙を渡しますので、学園に入る際学園長と面談してくださいね」というと、「「はい」」と素直に返事をするヴィンスとカイルであった。
「帝以外の任務以外は、王都滞在中、一般任務を受けていただいてもかまいません。 流石に帝のカードは利用できませんので、学生用の時も使用できるようギルドカードをランクAで用意しましたので、こちらを使ってください。」といって、ジョンは、ヴィンスとカイルに偽造ギルドカードを手渡すのだった。
「以上ですが、質問はありますか? なければ、アリアにお2人の寮を案内させますが」
「あの、ギルド本部には開かずの扉があるっていう噂を聞いたんですが本当ですか?」と聞いたのは興味深々で目を輝かせているヴィンスだった。
ジョンは、表情を変える事なく、
「ええ、本当ですよ。 ただ、場所は教える事はできません。」
ヴィンスはニヤリと笑い「もし、見つけて、開けたらどうなります?」と聞くと、ジョンは笑いながら「見つけても、開ける事はできないと思いますよ。」というだけだった。。
その後、アリアを呼び、2人を寮へ案内していく。
マスター室に残ったジョンとダン。
「ヴィンスは、対面的にはいい奴なんだが、力に驕っている所がある。 向上心もあり、好奇心も旺盛だ。 気を付けてくれ」
「ええ、でしょうね。 若いからですからね。 まぁ、問題が起きても、何とかしますのでご安心ください」
「ああ、悪いな。 では、俺は行く。 またな」といって、ダンは去っていくのであった。
1人残ったジョンは、ダンにはあー言ったものの、若き少年が冗長しない事を願うばかりだった。。