魔物の氾濫 前編
それから、シュン達の食堂に対する貴族の干渉もなく、ギルドや王たちの接触もないまま、食堂の営業は、金曜日と土曜日のみとしている。 たまに2か月の休業があり、その間シュンとリンは、魔界と神獣竜界へいっている。 学園との関わりもないため、休暇もシュンの気分次第で決めているのであった。
一方、カイル達は、食堂が営業している時の金曜日の夜は立ち寄り料理を堪能している。
そして月日はながれ、学園の後期が始まったいた。
◇◇◇
そんなある日、王宮に緊急を知らせる連絡が続々はいるのだった。
報告内容は、魔物の氾濫による援軍要請だった。 しかも、発生箇所は同時で2か所である。
1)商業都市の辺境の高原での魔物の氾濫
・魔物の数は約30万。 群れが商業都市に向かっており、あと1時間で商業都市に到着
・商業都市にいる海軍とギルド、傭兵団あわせて5万の兵で討伐にむかっている
2)迷宮都市の平原での魔物の氾濫
・魔物の数は、約5万
・既に、迷宮都市の傭兵団とギルドあわせて1万が交戦中との事
その報告に、国王は急ぎ対策会議を開催するのだった。
会議に集まったのは、宰相、騎士団長、竜騎士団長、そして本部ギルドマスターであるジョン。
「なぜ、魔物の氾濫があいつぐ。 神獣達には手をだしておらんだろ!」と叫ぶ国王。
「今はこの事態を一刻も早く収束させるほかありません。 調査はこの苦難を乗り切ってからで」と机をたたき騎士団長の一言で、冷静になる国王だった。
それから会議で話しあい、対策が決まる
1) 商業都市への援軍
・全ての帝、王都ギルド本部の隊員達と王都の傭兵団
・魔法師団含めた王国軍 2万
2)迷宮都市への援軍
・全竜騎士兵
・魔法師団含めた王国軍 2万
・海洋国家の海洋都市にいるギルド支部の隊員達と、海洋都市の傭兵団への援軍要請
となった。 なお、魔道国家への援軍支援については、要請し、万が一の援軍として待機してもらう事になった。
こうして方針が決まり、国王が「対策は決まったようじゃ、皆、急いでくれ!」と最後をまとめ、各々に連絡をする。
◇◇◇
ちなみにこの大陸、安定的な平和が続いてきており、シュンがいた時代は総人口で1,000万だが、数千年が経過し人間の総人口は8,000万人以上に増加していた。 王国の人口がのうち7割強をしめうち1割の約50万は何かしらの軍、ギルド隊員、傭兵団に所属している。一般のギルドは多く3割はいるが、戦闘に参加しないものもいる。 国軍は20万いるが主要都市(商業都市、迷宮都市、魔道国家)に2~4万ずつ配備し、王都には7万の兵がいる。 ちなみに、竜騎士団は竜の数の関係から、100名足らずであるが戦力的に1騎100人力である。
迷宮都市には、援軍が3万+竜騎士団で、魔物の数より多い数で討伐にあたり、氾濫報告後3時間で討伐が完了する。 残念ながら、数百単位の犠牲者はでてしまうのだった。