学園都市の食堂 前編
ヴィンスとカイルが3年生になり、数か月が経過。
万単位規模の魔物の氾濫はおきていないが、週1度は数千規模の魔物の氾濫が続き毎週のようにヴィンス、カイルも帝として討伐に参加していた。 ただし、彼らは基本週末のみで平日は学業優先であった。
そんなカイルは、デール達と毎週金曜、冒険者クラスのカリキュラムのため、学園都市のギルドの任務を受けている。
とある日の金曜、討伐任務が完了し、カイル達4人はギルドに報告をし終わり、夕食をどこで食べるか相談していた。
「最近、裏通りに開店した食堂がたまにしかやってないんだが、すげーうまいって噂になってるんだよ。いってみねーか?」というのはデールで、とりあえず特に他の案もないので、カイル達4人はその噂の食堂へ向かう事になった。
デールの案内で、カイル達4人が食堂のに着くと、看板には『ボブの食堂』と書いてある。
建物の造りはとてもレトロだが、細部にわたりセンスがよい。 デールがドアを開くと、店内のテーブル席の半分が埋まっており、大人たちはエールやワインを飲んでいる。
すると、長身痩躯で見目が良いがちょっと頼りなさげに見えるウェイターが「いらっしゃいませ。 何名ですか?」と声をかけてきた。
「4人なんですが、入れますか?」と聞くデールに、「どうぞ」といって、ウェイターが中央辺りの4人用のテーブル席にカイル達案内してくれる。
カイル達4人が席に座ると、「いらっしゃいませ」と声をかけて、カイル達に水を配膳するのは10代後半ぐらいの少女だった。
彼女は、濃紺の髪を二つに纏め、グレーのロングワインピースにフリルのついたエプロン姿で瞳は紺で、可愛くもあり綺麗系の美少女だ。
その美少女は、カイル達にメニューを渡し「メニューが決まり次第お伺いします。」といって去っていく。
その少女の目見の良さに、カイル達4人は見惚れてしまい時間がとまった。
「おい、すげー美女だな。」というデールの言葉で、皆我に返り、「ああ、年齢も俺らと変わんねーな。 と、とりあえず、メニューみようぜ」というパーシーの言葉でカイル達はメニューを開くのだった。
だが、メニューを見ても、聞いた事のない料理ばかりで悩むカイル達4人は、なかなか決める事ができない。
「お食事ははお決まりですか?」と注文を取りにきたウェイターに、
「聞いた事ない料理で何を選んだらいいのか」と正直にいう。
「なるほど。 当店のメニューは東国でも口伝になっている料理を、当シェフが再現したものばかりなので珍しいかもしれません。 お客様のように学生さんですと、こちらのハンバーグが人気ですね」
「じゃぁ、俺、ハンバーグで!」というデールの言葉で、「「「ハンバーグで!」」」と結局4人全員が同じ料理を注文するのであった。
10分後には、テーブルには、鉄板にハンバーグが2段になっている料理が4つ運ばれ、ライスがついてきた。 4人で一口たべ「「「「うめー」」」といいあい、もくもくと無言で夢中になって美味しい料理を堪能している。
すると、店のドアが空き、客が来店しようだ。 客は店の奥のテーブルに案内されている。
デールが小声で「ヴィンスとハーレムたちだ。」というのを聞いて、カイル達はみな面倒な奴らがきたと顔色が変わるのだった。 せっかくのいい気分が台無しである。。