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【白銀の黒帝:6】全帝とその相棒  作者: 八木恵
3章:学園都市編
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帝会議

定例の帝会議の日。


帝全てが集まっているが、全帝であるヴィンスの姿がない。


総帝が「水帝、全帝は今回も欠席か?」と聞くと、水帝であるカイルが「僕は知りません」というのだった。 すると、扉が蹴りやぶれて、全帝がはいってくる。 

「定例会議とか、やめねー」と文句をいいながら、水帝の顔面を当然のよう殴るのだった。


「ぐあああ」と水帝であるカイルは、椅子から転げ膝をついている。 その姿をみながら、ニヤニヤわらっている全帝であるヴィンス。


「全帝、遅れてきて、水帝を殴るのをやめろ!」と注意する総帝だが、「うるせーな。 挨拶だよ」といい、座るのだった。 そして、自身を回復して、座り直すカイルだった。


その状態に、やるせない総帝は溜息を吐くが、気持ちを切り替えて会議を始めるのだった。

「本日の議題だが、昨今魔物の氾濫が多い。 ギルドでも調査しているが、原因不明だ。 まだ、数千規模だが、数万単位になると危険だ。 ギルドや傭兵団にも討伐任務の頻度を増やしているが、皆も任務が増えると思って構えておいてくれ」


全帝が「万単位でも、俺がなんとかしてやるよ」と力強く発言する。 昨今の討伐に総帝、風帝以外は全帝を尊敬し、賞賛している。

「全帝様がそうおっしゃっていただけるなら安心だ。」「ええ、安泰です。」といい他の帝達。 そんな言葉に気分を更に良くした全帝は「俺に任せとけ!」と更に胸を張りながらいうのだった。


そんな発言に危惧した風帝が、「全帝、確かにお主は強い。 だが、おのれの力に驕りすぎだぞ。気をつけろ」と注意する。

全帝は「うるせーぞ、糞ジジイ」といって、水帝を蹴り倒し、その場で≪転移≫と演唱し転移してしまう。 


すると他帝は、「単独転移とは、さすが全帝様だ」「ああ、あの希少な能力を使え、最近では日々数千規模の討伐を攻撃魔法で殲滅しているという」「いまや、彼はこの世界最強では?」「そうだな」といい、炎帝が「総帝、全帝様はもはやランクXに値するのでは?」というと、闇帝が「ああ、そうだな」といい、土帝も「王に進言してみては?」といいだす。


風帝は、全帝に蹴り倒された、水帝を介抱している。 

他帝達は、全帝が水帝に暴力をふるうのは毎回の事で、感覚がマヒしており、挨拶であり、水帝がまだ未熟で、避けない水帝が悪いと思っている部分がある。 総帝と風帝は、避けたりした場合に更に酷い仕打ちになるため水帝が我慢しているのはわかっており、ままならない状況にまたやるせない気分になっているのであった。


総帝は、気持ちを切り替えて、他帝の発言に対応するのだった。

「それは無理だ。 ランクXは、今も『白銀の黒帝』様が最後だ。 今日の会議は解散する」


こうして、定例の帝会議は終了となった。


◇◇◇

その数日後、王国辺境の地で魔物の氾濫により、2万の規模の魔物が襲撃する。

全帝と水帝、他帝も含めて討伐にいくが、1時間でほぼ全帝の広域殲滅攻撃魔法により討伐が完了する。


その噂は一気に王国中に駆け巡り、さらに全帝は国民からも賞賛され益々人気になり、世界最強ともてはやされる。

そして、全帝の地位もあがり、ほぼ大公と同一の権限までもち、総帝であるジョンの言う事も聞かなくなり、全帝はさらに冗長し傲慢になっていくのである。 水帝への過度な暴力は減らない。

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