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勇者を継ぐ者  作者: 本城達也
第一次オストルン大戦【前半】
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稽古の帰り道②

 ジョージが今日もまたタズたちと常連客が大いに盛り上がっているのを見て、優しい笑みを浮かべながらそれを見守り、再び店の外へと片づけの続きをするべく出ようとしたときのことだった。


 片づけの途中で売れ残りの串焼きを置きっぱなしにしていたところに、人影が見えた。

 その人影は、売れ残りの串焼きをさっと取って逃げ出していった。


「ド、ドロボー!待て!」


 ジョージが叫びながら、逃げる人影を捕まえようとしたとき、タズがジョージの声を聞いて店の中から飛び出してきた。


「おじさん、どうしたの?」

「あ、あいつに店のものを盗まれた・・・。

 まぁ大したものじゃないから別にいいけど・・・」


 ジョージは、逃げていく人影の方を指さした。


「じゃあ、ボク、取り返してくる!」

 

 タズは、ジョージが制止する間もなく飛び出して人影を追いかけて行き、すぐに見えなくなった。

ジョージからすれば、出店の売れ残り商品よりもタズの安全の方がよほど大事だったので、危ない目に合う前に取り逃がして帰ってきてくれよ、と願うのであった。


 タズが店の外に飛び出していったのを見たイリアも何事かと思って店の外に出てきたため、ジョージはイリアに今起こったことを説明した。



「あの子ったら本当に向こう見ずなんだから。

 私がタズを連れ戻してくるわ。

 大丈夫、あの子はああ見えて結構強いのよ。

 おかしなことにはならないから安心して待ってて」


 イリアはジョージにそう言うと、イリアもタズが駈け出していったという方向に向かって走り出した。


 イリアの話は事実であり、この王都で今のタズをどうこうできる者はほぼいない。

 イリアはその点については何も心配していなかった。


 ――イリアが心配していたのはそれとは全く別のことだった。



(あの子、天然なところがあるから・・・

 なんだか嫌な予感がするわ・・・)



 王都に来てからというものの、あの可愛い弟は、所構わず、相手が大人だろうと、子どもだろうと、男性だろうと、女性だろうと、即陥落させている。


 イリアは別の意味でタズのことが心配で仕方なくなっていたのである。


 もっとも、イリアは、タズの中で自分は一番であると自負していたことから、自分の地位に危機が迫っているとは思っていない。


 イリアの中では、タズにとって自分は

イリア≧イリス>アスター=その他タズの村の人たち>>超えられない壁>>その他大勢


 くらいのランク付けだと考えていたのであった。


(今の私はイリスにだって負けないんだからっ!)


 タズを追いかけながらそんなことを考えていたのであった。


グレンは、どこ行ったのと疑問に思われた方もいるかもしれませんが、彼は普段は王都には帰らず、森の中に建てた家で暮らしてます。

理由は前に書いた通り王都にいると色々と煩わしいからですね。

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