第3話 衝撃
その音は生徒達の混乱を招くのに十分過ぎる程の轟音だった。
悲鳴が校舎中で聞こえる。そんな中、間釣は霧邦と基延を呼ぶ。
「おい、運動バカ、メガネ、今の音って何かさあ…」
「俺は運動バカじゃねえ!」
「そんな怒んなって〜、って俺をメガネって呼ぶな!」
見事なノリツッコミだと間釣は感心していた。皆がパニックの中こんな平常通りでいられるのは彼等ぐらいだろう。
「で、今の音なんだけど…」
まだ怒っているらしい二人を尻目に間釣は話を続ける。
「何かが爆発した音っていうか、そんな感じだったよね。」
「そうだな。」
「うん、そうかな〜。」
流石に二人も真面目な顔をしている。
「この学校では危険な物って、徹底的に管理されてて創立以来一回も事故が起きてないんだよな?」
「あ〜、つまり今のは事故では無く、何者かの仕業っていう可能性が高いって訳ね〜?」
「…あぁ、そういうことか。理解理解。」
そこまでわかっていたら3人の心は1つだった。伊達に親友してる訳ではないのである。教室を出て、音が聞こえた校庭の方向へ走る。
基延は完全に息が切れていた。
「インドア派を走らせんなよ〜。」
と彼は叫んだが、先に校庭へ着いた2人は反応すらせずに立ち尽くしている。
校庭はなぜか砂埃に包まれて様子がわからなかったが、近づくとかろうじて少し先が見えた。それを見た基延は1言、
「ありえね〜。」
とつぶやくと他の2人と同じように呆然と立ち尽くした。