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召喚されて骨  作者: わいとー
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5.異文化交流は難しい

5.異文化交流は難しい


おれとリリーが集落に着いたのは夜も更けてからだった。


すっかり気を抜いていたおれとリリーは、集落の正面から堂々と入って行った。

当然鳴り響く警報の鐘の音、剣や杖で武装し、鎧をまとった人々に囲まれる。


「**********!!**!」

ひときわ立派な鎧をまとい、あわく光を放つ両手剣をもった若い女がよくわからない事を叫んでいる。

教会の連中の話は分かったんだが、別の言葉なんだろうか?


調べるか……。

スキル「異世界言語理解」:異世界で最初に出会った言語の会話・読文能力を得る。また、念話に完全翻訳機能が付与される。


習得言語一覧:

古代神聖語:極めて古い言語で、文法・単語ともに現代文明の言語と類似点は少ない。

現代では一部の宗教結社が機密保持のために利用している。


なるほど、理解した。

教会の偉そうなおっさんが変な言語で話しかけてきたせいだったのか。

しかし、骨がいきなり念話送ってきたら余計怖がるんではないだろうか?


「リリー、通訳できるか?」

「できるよー!あなたはだぁれ?ってきいてるよ!」

「わたしはワイトです。魔法でこんな姿ですが人間で敵意はありませんって伝えてくれるかい?」

「いいよー!」

リリーが通訳してくれるようだ。いやー助かったわ。

教会のことは伏せておいた方がいいだろう。教会がこの世界でどのような立場なのかをよく知らない。リリーも町にある偉そうな人のいるとことしか認識していなかったしな。


「***ワイト!****、***************!」

リリーが通訳したところ周りに衝撃が走る。走り去る者もいるのを見るに、状況を理解して伝えに行ってくれたのだろう。


女が涙目で叫ぶ。

「*****!!!ワイトっ***!!」


「おれの不幸を思って泣いてくれるとはなんてやさしい人だ。こんな人を嫁にしたかったよ」

「ワイトお嫁さんほしいの?たのんであげる!」

「リリー待つんだ!これはたとえであってそういう意味では―――」

「ワイト**********!」


周囲にどよめきが走る。

女はひざがガクガクさせながら答える。

「*****!********!」


「すぐに王都まで付いてきてくれるなら、結婚してくれるって!ワイトよかったね!」

「なんと!この世界ではこんな骨で初対面でも正面から告白すれば結婚できるのか……。異世界の常識、おそるべし!」

「ワイト!早く王都にいこー!リリーも行きたい!」

「そうか、では夜ではあるが、早速行くとしよう。案内は彼女に頼めるのだろうか?」

「きいてみる!」


早速リリーがきいてくれる。

「******、*****?」


女改め我が婚約者が答える。

「******。***、リーナ。**********。」


「案内してくれるって!あとお嫁さんはリーナって名前なんだって。末長くよろしくお願いしますっていってるよ!」

「こちらこそ。と伝えてくれるかい?」

「わかった!」


「*****!」

リーナは笑顔で泣いている。

このくらいのことで嬉し泣きとはこっち世界の人たちは感情がゆたかだな。


おれ氏、異世界で一目ぼれした女性を嫁にする。


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