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召喚されて骨  作者: わいとー
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12.続・講義 冒険者入門

12.続・講義 冒険者入門


「つぎに冒険者について説明するわね。

勘違いがあるといけないから、子供でも知ってることから説明するけれど、文句言わないでね?」

「かまわない。おれはこの世界のことはほとんど知らんのだ」

そう、全知でわかるのは真実だ、世の中にあふれる迷信や欺瞞は学び覚えていくしかない。

なにより、それが一般に知られているのか、厳重に秘匿されているのか、全く区別がつかんのだ。

簡単にわかるっていうのも難儀なもんだ…。


「聞いてるかしら?」

「すまん、少し考えに夢中になっていた」

「最初が肝心なんだから、ちゃんと聞いていてよ!」


冒険者、それはおれが地球でやっていたTRPGというローテクなゲームの設定に酷似していた。

主な飯のタネは、モンスター相手の傭兵。

日銭をためて、遺跡を探索し財宝を得る。

ギルドは冒険者を実績によって格付けし依頼を取りまとめ斡旋する。

社会的立場は、国家に属せぬ武装集団。

魔動甲冑により、国と対等に渡り合える戦力を抱える恐るべき者たちだ。


最下級は、掃除・雑用・力仕事など日雇いの仕事も請け負い、下位の妖魔の討伐を主に行う。

討伐依頼の相場は一人頭日当3000マグ。

これが最下級冒険者の命の値段だ。


しかし、中級・上級とその価値は大きく上がっていく。

そして、最上級の魔動甲冑の所有者は、最低でも依頼するのに1000万マグは掛かるといわれる。

これらの依頼は、当然難易度が高く、ある時は竜討伐、またあるときは上位種の妖魔集落の壊滅など、軍隊ですら及び腰になる者ばかりだという。


おれたちがなろうとしているのは無論、後者であり、現在のおれたちの装備と戦力であればおそらく余裕だろう。

しかし、冒険者で成り上がるにはそれなりに実績を積む必要がある。

魔動甲冑は謎が多く、その真贋を確かめるすべは持ち主の実績に依存するしかない。

また、自称魔動甲冑は世の中に腐るほどあり、新人がただの鎧を魔動甲冑と語るのもよくある風景の一つとなっている。


最近は宿まで付いてきたスカウトすら欺く贋作が出回っており、名乗りを上げても、「本物ならそのうち台頭するだろう」との上層部のお達しもあり、特に何もせず普通に接することが増えているらしい。


これは宿の人から聞いたことだが、リーナも当てが外れたとがっかりしていた。


あのスカウト何のために付いてきていたんだ?

と、思うかもしれないが、本物である可能性を捨てるには魔動甲冑は惜しすぎるため、今日も哀れなスカウトたちは、一定以上の魔力値を検知した対象を尾行しているそうな。


がんばれスカウト!

真の魔動甲冑に出会うその日まで!


「ざっとこんなもんかしら。

あとは、パーティーとクランについて説明すればおおむね終わりね。

ランクは私も詳しくないからギルドで聞きましょう」

「そうか、ためになる話ばかりだ。

続きもよろしく頼む」

「ええ、でも……夕食までには終わらせましょう」


 パーティーとは、冒険者の一時的な集団を指す言葉で、多くの場合3人から8人程度の集団だ。

しかし、上位の集団は5人を超えない事がほとんどらしい。

報酬が頭割りになる以上、上位の装備を維持するのには多人数が多いのは不利になること。そして、離脱者が出ても補充が利かないことが主な理由といわれている。

多くの場合、前衛・後衛・斥候の役目を分担する。

おれたち三人でいうと、斥候・おれ、前衛・リーナ、後衛・リリー。

というようになる。

基本的に、最下級を出ると依頼はパーティー単位で受け、報酬は頭割りかパーティーで管理するらしい。


 クランは、パーティーが複数所属するギルドの中にある小ギルドのようなもので、大規模依頼を独占して受けるために組まれたものが起こりとされている。

事実、複数パーティーで行われる「大討伐」と言われる大型魔獣の討伐はクランが独占して受けた場合の方が、成功率が高く、脱落者も少ないことが結果として残っている。

あらかじめ、集団戦の訓練を行い、パーティーが崩壊したときの合流なども考慮されているため、当然と言えば当然である。

しかし、上位クランに所属することでギルドに幅が利いてしまうことから、特権意識を持った冒険者が増えてきていることが指摘されている。

事実、上級者の引率や、依頼の選別などのアドバンテージは大きく、クラン所属者と、「ノラ」といわれる未所属者では上級への到達率が倍は違うと言われている。


また、完全に異質なクランとして、5人しか所属者がいないが、冒険者ギルドと直接交渉権を持つクラン「ペンタゴン」がある。

「ペンタゴン」は、魔動甲冑の所持者のみで構成され、普段は個別に活動しているが、大規模依頼の時には集結し、圧倒的な戦果をあげることで有名なクランだそうだ。

冒険者あこがれの存在であり、武勇伝は吟遊詩人の歌に名高いという。

名高い割に、個々人の能力や武装については不明点が多い。

主武器すら分からんのもいる。



ペンタゴンって……アメリカのあれか?

転生者か召喚者がいそうだな……。

居たとしても、まともな奴らだといいんだが……。


「こんなところよ。

何か質問はある?」

「いや、今は思いつかん。

とりあえず、最下級から依頼を積み重ねていくしかないんだろ?

現状、クランに入るつもりも無いしな」

「そうね、ワイトとリリーの正体がばれると面倒だから、いっそのことクランを作ってしまうのもありかもしれないわ。

ペンタゴンにあこがれて少人数でクランを組む初心者も一定数居るから。

ほほえましい目で見られるのは間違いないけどね」

「それで、面倒事が減るなら大歓迎だがな」

「それもそうね。

さて、夕飯は部屋に持ってきて食べましょうか。

さすがに、猫ちゃんもご飯のにおいをかげば起きるんじゃない?」

「もっともだな。

では、取りに行くとしよう」


おれとリーナは部屋を出て夕飯を取りに行くのだった。




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