副ギルド長
「失礼します」
「やあいらっしゃい」
氏名 グラード ハインリッヒ
年齢 53歳
クラス 拳闘士
種族 ガールカ
LEV 75
スキル 自己強化魔法 Lv7 闘気操作 Lv7 拳闘 Lv7 調整術 Lv7
なかなか大きな数字が並んでいる大男がいた。
この世界で見た人間の中では最大ではあろうかという250センチは超えるかという身長に、
やや緑がかった肌。
照衛をおもわせるようなややいかつい角ばった顔。めずらしく美男美人ではない。
ちょっとうれしいのは内緒だ。
ただし、街の中で肩がぶつかってすごまれたらチキンな俺はそのまま死を覚悟するだろう。
「ミツオくんだね、まずは言っておくが無詠唱鑑定はマナー違反だよ」
パチッとウィンクしながら俺にいってきた。
「あっ、すみません。まだこちらの常識とか勉強中でして」
慌てて頭をさげる。
「いや、いや、ステータスから見ると異世界人と種族がなっているようだが、
これは王家の召喚かね?
いま、このアマデウス領と王家の状況は多少は耳に入っているかとは思うが。
なぜこの街にきたんだい?」
王子どもは古文書をもとに召喚をしたようだが、召喚自体はまったくのロストテクノロジーではないようで、
割と当たり前のように聞いてきた。
ただ、副ギルド長も実際の異世界人を見たのは初めてだと苦笑いをしていた。
どうやら部屋にはうそ発見器のような機能があるらしい、
まあ、別にうそをつく必要もないのでありのままの状況を説明する
なぜか金髪でないので間引かれたの下りでは目を白黒させていたが
現行のステータスの話をした下りでは可哀そうなものを見るような憐れんだ目で見られてしまった。
まあ鑑定と言語変換のスキルだけで食う分には困らないだろうしステータス値の低さは戦闘系や、魔術師、錬金術師等、回復師などの術師を目指さなければ当面は気にしないでもいいだろうとのことだ。
職員枠でギルドへ所属しないかと打診されたが、
ある程度のレベルがない状態だと荒くれどもにたいしての抑止力にならないだろうと丁重に断った。
ただ、これについてはギルド側としては異世界からきた俺への要監視対象としてのフォローで可視範囲に置きたいという思惑もあるらしいので、
専任の職員を1名つけるという形で歩み寄ることとした。
まあ、定期的にギルドに来て報告努力を行うというレベルらしいのでこちらもそれほど負担になるものではなさそうだ。
いきなり監禁、軟禁などされないだけでもいいのだろうか・・・?
ギルドに所属するにあたり現在のステータスに表示される異世界人の表記については
ギルド側での偽装魔法をほどこして欲しいとの要請がありこれについてはこちらとしても願ってもないのでお願いした。
ギルドとしても異世界人が日常的に闊歩しているという状況は好ましくないと考えるとのことだ。
俺としても当然、サーチされるたびに異世界人と触れ回る必要もないので助かる。
適当な出自を考えておく必要はありそうだ。
ただし、成長補正のスキルについてはここでも資料がない謎スキルではあるよう、。
ステータスの伸びに影響を与えていることはおそらく間違いないだろうという副ギルド長のありがたいお言葉だ。
ここまでマイナス方向に引っ張られるとスキルではなくて呪いかなとも思ってしまう。
そうこうしている間に冒険者としては第1級冒険者として登録証の発行は許可された。
一見1級冒険者といえば聞こえがいいがこの世界ではランクが上がれば数字が大きくなっていくらしい。
犯罪歴等のチェックはさすがに魔法石でも異世界まではカバーされていないためノーチェックであったが、
ここまでのヒアリングで副ギルド長は問題なしと判断したらしい。
ただし、今後1週間程度は先ほどの専任の職員と同行をして街の説明、生活習慣等のすり合わせを行うことを提案された。
まったくこちらとしては至れり尽くせりの話ではあるので二つ返事で応諾した。
こんなに使えない諸元でそこまでギルド側がコストをかけるメリットあるのかと気の毒になる気のつかいようだと言ったら、
数少ない異世界からの来訪者だからとぶっちゃけられた。
交渉術Lv7のようなので普通に普通に騙されている気もしないわけではないが手持ちのカードが少ない俺としては適当に踊らされるしかないかとも思ってはいる。
専任者は最初に受付をおこなったアイリスがなるということらしい。
彼女は現在は不在ではあるがギルド長の娘でありギルド内での信頼もかなり高いらしい。
初期期間中はアイリスと起居すると言われたときは、妙齢の女性となにかがあったら困るだろうとこちらが問いかけたら、
「まあ、押し倒せるならそれはそれで構わないが、
彼女は若手の中ではかなりの実力者なので彼女が同意しなければ間違いなく君が返り討ちにあうだろうね」
「子供ができたとしたら、異世界人との混血はどのような能力がでるか非常に興味深くもあるから、
むしろ私としては願ったりではあるが、
まあ、ギルド長はとても彼女を大事にしているので相応の覚悟は必要だけどね」
くっくっくっと楽しそうに付け加えてきたが目は笑っていないように見えるのは気のせいだろうか。




