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 1晩ほどしてから男も目をさました。


  女は名前をファリスと言い、男はロバートという。

  男の方は先ほどから1言礼をいったっきり何も言葉を発しない無口な男だ。

  最初は俺の服装を見てかなり不思議そうな顔をしていたが自分が俺のアンダーウェアを着せられ(かなりパッツンパッツンではあったが)、

 さらに治療もされていたと知るとすんなりと信じてくれたようだ。

  少し信用するのが早すぎるのかとも思ったがどうやら自分が気を失っている間に同行の少女に対して狼藉を働かなかったのが最も重要なポイントではあったようではある。


  俺が最初に召喚されたのはユーノス王国という国で、5年ほど前、前王妃のユークリット公爵家のユーリアが身罷り、フローリッシュ伯爵家のクレアが王妃となると以前より体調を崩されていた現王はほとんど寝込むことが多くなり政務から遠ざかることとなる。

 そして、第一王子のジークフリードと第二王子のウォルフガングが突如国家反逆罪として留学先より追放され第三王子のレオンハルトが第一王子となる。

 レオンハルトのかねてよりの婚約者であったアマデウス公爵家のリリーナは、王子への再三の侮辱行為をとがめられ婚約破棄され同時に宰相職であったアマデウス公爵は脱税及び第一王子と第二王子と協同して反乱を準備していたと除爵を宣告されたためにこれに反抗してユーノス王国からの独立を宣言する。

 ここでユーノス王国が突然人類至上主義を提唱し国内の魔族、獣人族、妖精族などはすべて人間に支配されるものとみなし純粋な人間以外のすべての種族を迫害、奴隷化しはじめる。アマデウス家は3代前に妖精族であるエルフ族より妻をめとっていたためこれがこの独立宣言の理由であるとの一方的な宣言であった。金狼族であった彼女たちもユーノス王国に対してアマデウス家に合わせて反乱をおこすが、全体人口の80%を占め人族が高位貴族のほとんどを占めるユーノス王国に対しては衆寡敵せず敗北し、

 ファリスの父は自城の落城前に一人娘のファリスと騎士爵のロバートを城からアマデウス領へむけて落としたが途上落ち武者狩りの農民に遭い命からがらこのロードスの森に逃れたらしい。


  俺を間違って召喚したやつらは、けったくそ悪い連中だとは思ったがそれ以上にくそったれな国だったらしい。

 むしろ自分が金髪であの国にとどめおかれて侵略に手を貸さなくてよかったかなとも思う。


  彼らには、こちらの事情も分かる範囲では説明した。


  突然レオンハルトを含む3人組に召喚されたが自分の髪の毛の色が金色でなかったために不要と放逐されたこと。

 こちらの世界の知識等がまったくないことを特に隠すことはないだろうと説明をした。


  金髪でないために放逐されたことについては二人とも目を丸くしていたが現在の王家ならばさもありなんと納得したようだ。

  話をしていて、微妙にかみ合わないことがあり、詳しく聞いていくと

  この世界ではステータスという詳細な可視能力値があるらしい、

  話の端々にスキルだの能力値だのという単語がでてきているのだが、この二人にとっては当たり前のことをまったく知らなかったため話がずれていたらしい。



  「それじゃあ、みようみまねでいいので、わたしと同じようにやってみて」


  右手首を左手で軽くつかんで


「「ステータスオン」」


 すると、目の前に数字の羅列が出現する。

 すげぇ、これだけでも異世界に来た甲斐があったと感動しているのは内緒だ。


  氏名  ミツオ アサミ

 年齢   16歳

 クラス  なし

 種族   異世界人

  LEV  1

 HP   36/36

 MP   36/36

 STR  6

 DEX 6

 VIT 6

 AGI 6

 INT 6

 CHA 6

 LUK 6


 スキル


 言語変換 Lv8 識別 Lv8 成長補正 Lv 3


 なぜか年齢が半分の16歳になっており、

 レベルは1であった。

  他の数値については正直見方がわからんがパッと見た感想では平凡?

 とりあえず口頭で数値を説明すると。


  予想通り二人とも微妙な顔をする

 6という数値は基本的には初期値としては最低値らしい

 初期値としては36が最高で6が最低のようだ内心では6面ダイス6個でステータスを決めてるのかなと想像した。

 まあ、召喚されたようだがこの数値をみるかぎりたしかに外れかミス召喚ではあるのようだ、召喚主がためらいもなく放逐しても間違いではないかもしれない。

 ただ、スキルの言語変換の8というのはかなりレアスキルというか王立の翻訳官の最高位でさえ6程度らしい。おそらく、彼女たちとの意思疎通にまったく苦労していないのはこのスキルが働いているためであろう。

  同様に識別の8もレアらしく自分より識別値の低い相手のパラメータ等をすべて見ることができるとのことだ。


 ファリスの説明にしたがい彼女のスキルを見る。


  「サーチ」


  氏名  ファリス フォーレン

 年齢   15歳

 クラス  姫巫女

  種族   金狼族

  LEV 3

 スキル 片手棍 Lv1 神聖魔法 Lv2


 氏名  ロバート

 年齢   38歳

 クラス  騎士

  種族   金狼族

  LEV  62

 スキル 片手剣 Lv5 両手槍 Lv4 両手剣 Lv4 土魔法 Lv4 盾 Lv5


 二人のステータスが浮かび上がる。


 ファリスは姫巫女、ロバートは騎士らしい。

 この世界でのそれぞれのクラスがどういった役割になるかはよくわからないが、

  姫巫女が支援系の職で、騎士は盾職になるのだろうか


  ただ、ふたりとも頭をひねっているのが俺の成長補正 Lv3というスキルであるようだった。

 ひょっとしたらこのスキルに引っ張られてステータスが低いのかもと言われたが

 補正が入ってこれってどうなんだろう?

 まあステータスの効果が実際使ってみないとわからないので正直どうでも良いといえばどうでもいいんだけどね。


 ただ、ステータスには表示されていないがどうも隠しスキルかアビリティがあるような気がしてならない。


  『昨日二人に使ったアンダーウェアとペットボトルが背嚢にもどってるんだろう・・・?』

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