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嵌められていたようです

「なん・・・だと・・・・」


 アイリスさんの親父のこめかみにピクピクと血管が浮かび上がる。

 普通は、手を出して切れるのがテンプレートじゃないんかよ。

 俺の娘のアイリスたんをもてあそんでとか何とか・・・


「行き遅れとはいえ、こんなにかわいいアイリスたんに、

 7日も起居を共にして・・・

 手を出さないなんて・・・貴様・・・・」


「たしかに、アイリス嬢は行き遅れですがそれにしても・・・」


 なにげに、公爵らしい男性がひどいことを言う。


「アイリス嬢はこんなに気立てもいいのに手をださないなんて・・・行き遅れとは言え・・・」


 奥さんもひどいな。

 アイリスさんフルボッコだ。


 アイリスさんまだ21歳だよな。


 ちょっとまて、ひょっとした俺が32歳だったのが16歳に召喚したら減っていたよな。

 年齢のカウント方法が違うのか・・・。

 アイリスさんが21歳ということは若作りしているが、


 実は俺たち年齢ならば42歳ということだったのかも。

 そうか、それならば行き遅れというのもわかる。


 アイリスさんの方を見るとひどくダメージをうけているようだ。

 すでにHPは0のようにも見える。


 いや、まてまて騙されるな。

 俺も鏡を見るとかなり若返っているように思える。

 ファリスは15歳で普通に15歳に見えた。

 これは、この世界の適齢期が違いすぎるんだろう。


『YES ロリータ GO タッチ』


 この世界の基準がこれなのか。

 まあ、15歳でまだファリスも結婚してなかったのを考えると。

 適齢期が異常に狭いだけだろう。

 となると、俺の常識だと結婚適齢期の女の子が行き遅れとしてあまりまくっているのか。


 いやいやいや、違う。


 そうじゃない。


「私のような無位無官無能な人間にアイリスさんと一線を越えてしまうような無礼な真似ができましょうか。」


 無難で模範的な回答だろう。

 おそらく中世的世界であるこの世界。

 異世界から来たとはいっても非勇者認定だ。

 識別と言語認識だけのプラス補正ステータス、パラメーターは激弱・・・うんでかい顔なんてムリポ。


「心配するな。私も無位無官ですぞ。」


 ふふんとドヤ顔でアイリスさんの親父さんが俺に投げかける。


 うん、このドヤ顔は親子だわ。


 でもこの人って冒険者ギルドのギルド長なわけだから、

 きっちり役職持ちやんけ。

 商工会議所の議長かそれなりの企業の社長とかの役職にはあるだろう。


 冒険者ギルドで扱っている金の流通量なんて、

 そこらの商会よりもでかいだろうし。

 そうでなければ、あれだけの冒険者に報酬なんて与えられないだろう。


 むしろ、ヤク・・・ゲフンゲフン


 うん、この人も特権階級に決めよう。


「こじつけですね」


「うむ」


 カイゼルひげのくせにノリは悪くないアイリスの親父さん。

 まあ、冒険者ギルドの親方なわけだしな。


 こそこそってサーチもしてみる。


 氏名  アルスバーン ローエングラム 

 年齢  43歳

 クラス 魔導士

 種族  人族

 LEV 88

 スキル 黒魔法 Lv7 白魔法 Lv7 赤魔法 Lv7 強化魔法 Lv7 調整術 Lv7 両手棍 Lv5 片手棍 Lv5 両手槍 Lv5 飛行術 Lv4 錬金術 Lv4 片手剣 Lv4 忍術 Lv4


 うおっ。

 圧倒的なスペック、グラードさんもすごかったがなにこれすごい。

 飛行術ってこの世界人も飛べちゃうんかよ。

 こうやって見るとたいがいがLv7で止まっているけど。

 俺の使い道がないLv8ってどうなんだろ・・・。


「まあ、ここはこちらの言い分も包み隠さずに話そう。」


 まわりに目配せをして、部屋にいるすべて人たちが退席させられた。

 残ったのは公爵らしき夫妻、アイリスさん親子、俺の5人となった。


「正直に言いましょう。げ

 現状で言いますとミツオ殿への期待は訪人ということだけです。

 そして、それで構いません。」


 きっぱり言ってのけられた。


 俺のように召喚された訪人と呼ばれる異世界人は記録に残っているだけで数十名確認されている。

 すべての者が偉業を達成したわけではないが、

 多くの訪人が歴史に強烈な痕跡を残している。


 あるものは魔王をうちたおし。


 あるものはある帝国の建国の王となり。


 あるものは賢者として魔法の体系の確立をおこなった大賢者となった。


 そして、訪人の本人ではなくとも、その子、孫、子孫がやはり同様の偉業を行なったことも記録に残っている。


 アルスバーンが弁ずるに、金髪云々というのは対魔王の勇者に多くみられる特徴であったそうだが、

 それに固執しなくとも訪人の血は有用であり一部民間にも信仰に近いものが根強くあるらしい。


 まあ、王子様からしてみればむしろ王家の安定からしてみれば必要な対魔王戦力さえ手が入れば他の異分子はいらんかなと、

 俺はおもったりもしたが。


 俺的な考察ではこういった閉ざされた社会では外からの遺伝子を入れることで血の更新をはかる。

 昔で言えばそれなりの血統をもったものに村娘をあてがい血を取り入れた。

 これと類似していることなんだろうか。


 さらに、この公領が完全に追い詰められているという事情も後押しされている。


 まず、この公領は総人口は5万人程度であり、

 ほぼ公領内で食料は賄われておりさらに他領への輸出しているので食料自給は賄われているが、

 とにかく、場所が悪い。


 北側の多くを海、南側が聖竜山脈という峻険な大山脈、

 東側を俺が最初に飛ばされたロードスの森を挟んで王国、

 さらに最悪なのが西側が魔王領となる。


 元々この公爵家は対魔王領への押さえとしてここに興されている。

 さらに、本来は王国と公領への橋渡しとなるべき金狼族があっさり奇襲とはいえ落とされたため、

 公領内にはすでに厭戦感がつよくなり始めているとのことだ。


 つまり俺、訪人がこの国の有力者とつながることでプロパガンダ、広告塔として使おうというのが、

 公爵およびアルスバーンの目論見であったらしい。

 そして、俺が人間的な資質を見極めるためも含みアイリスさんとの1週間があったようだ。


 公爵はアイリスさんとのカップリングではなく、

 自らの娘のリリーナ嬢と俺に嫁がせることも考えたらしい。

 リリーナ嬢はかってレオンハルト王子との婚約を破棄された過去を持ち、

 この世界の常識では貴族間での新しい結婚はなかなかに厳しい立場にあるためということもあるそうだ。

 ただし、さすがに公爵家との婚姻は領内の貴族との調整に時間がないために比較的フットワークが軽く動けるアイリスさんにまずは白羽の矢を立てたとのこと。


 まったく実績もない俺ごときにここまでの厚遇を図る段階で異常な事態なのはわかるし。

 公爵領が追い詰められているのを実感できる。


 正直に言うのはいいのだがここまでぶっちゃけていいのかとも思う。


 こうなってくるとファリス主従との出会いから仕組まれてきたと勘繰るレベルだ。

 俺が元の世界にもどれることは出来るかは甚だ不透明なので、

 おの世界の有力者から手を差し伸べられるのについてはやぶさかでは確かにない。

 そして、俺が広告塔になるのならば受けるのもありなのか。


 お互いにwinwinではあるようだ。

 アイリスさんはどうなんだろう。

 貴族ならば確かに自分の意志での結婚はなかなかできないのは、

 ノブレス・オブリージュの観点からも義務だろうからいいのだが。


 アイリスさんは貴族ではないし、ある意味今の段階で結婚しておらず行き遅れと言われていることが、

 むしろ本人の結婚への意志の希薄さがあったのではないかとも想像してします。


「アイリスさんは俺と結婚はよろしいのでしょうか?

 むしろ、王国とのことが落ち着きましたらむしろ俺との結婚を後悔することになるのでは?」


 きょとんとした顔で俺を見つめてくるアイリスさん。

 もちろん、こんな美人の人が俺の嫁になってくれるのはうれしいことではある。


 齢32歳での初彼女がこの娘ならば俺の方からしてみれば願ったりかなったりだ。


「アキオさんご心配されずとも本当のところお手付きにはなっていませんが、

 私はすでに1週間アキオさんと二人っきりで起居していますので、

 まわりからは既にアキオさんとはそういった関係とみられていますので・・・・ぽっ」


 すでに嵌められて退路も残ってなかったようです。

昨日予約失敗をして作成した分が消えてしまいましたので、

その分少し長くなってしまいました。

手を抜いてメモ帳で書いて保存しなかったのが痛恨でした。


よろしかったらブックマーク、感想などいただけましたらうれしいです(・w・)

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