都忘れ
自ら禁を課す厳格な黙城には、一人も見えない。ただ一筋の残魂だけが風に引かれ、花の群れへと導かれる。白雪が世に一度の寒空を降らせ、水の飛沫さえも凍りつく。
紅い糸が白に入る。まるで晴れた陽に白雲が立ち込め、この一世の天の間を乱したかのようだ。
繁淮、一人の旅人。都城へと行き着く。炊煙は立たず、道行く人々はぼんやりと我を失っている。彼らは生涯を眼差しで示すことを選び、一瞬のことさえ声で軽く論じようとはしない。この町に生きる人々は、一生に一度は外へ出て交流しなければならない。道端の荷物こそが、彼らの最後の家書なのだ。
虬枝は極めて「開放的」で、氷層を生々しく打ち破る。雪雀はここに巣を作るが、他の土地のように歌うことはない――数十年の間ずっとそうであり、この世代は当然それを誤りだと疑わない。
「なぜ?」
旅人は道行く人々に問う。彼らが「助けたくない」のではない。彼らはただ懸命に「示す」ことしかできないのだ。風の声と言葉が黙城の隅々、一寸一寸に潜り込み、細く連なる声となって流れ出る。これがおそらく、この大きな城で唯一二つある声なのであろう。
彼には分かる。それらの眼底の手振り、眉骨の震え、喉仏が押し下げられてまた浮かび上がる字を、彼はすべて読むことができる。彼自身にも、なぜ分かるのか分からない。
風が彼の袖口をめくる。一筋の赤い糸が手首に絡まり、雪の中から引き出されたかのようだ。彼は無意識に首筋を押さえる――そこには古い痕があり、衣領に長年隠されていた。
数十年になる。城中の王子はかつて浩浩蕩蕩と他人を「征討」した。最後には、彼は単身で赴いた。彼は出発の直前の言葉を思い出し、刃のない剣を提げて解こうとした――彼は「物語」で敵を打ち負かしたのだ。帰路の途中、もうすぐ曼珠沙華が見えるのだろうか。
彼は乱葬崗の中で目を覚ました。身に着けていた身分を象徴する首飾りは、どこへ行ったのか分からない。
城の君主は別の儲君を立て、旧事を柵の中に塵封した。民衆は首を長くして待ち、かつてのように公投を発議し、王の言葉を復叙させようとした。しかし「彼」は人々に口を閉ざさせた。
人々は新しい儲君がどんな姿なのかさえ知らない。彼は一度も公衆の前に姿を現したことがない。
簾の後ろには音がない。ただ火盆の中の灰が、一層、また一層と積もるだけだ。
城から一里離れた外で、「罪人」の罪を認める言葉だけが聞こえる。「彼」は、それは偽りだと言う。
彼は身を躍らせ、自分自身の側へと向きを変える。
書物はその名諱を残そうとした。
しかし「彼」は思う。名を冒した者を、なぜ後の人に覚えさせねばならないのか、と。
旅人は道行く人のすべての手がかりを一つに繋ごうとする。彼は荷物を開き、日記を探り出す。読めば読むほど、疑惑は深まる。
虚雲十九年五月十七日 我、刃のない……早く会師できますように。
虚雲十九年五月三十日 この一簇を植えた……
虚雲十九年六月十五日 この都忘花に……私は……傷を……
虚雲十九年七月一日 白雪が降り尽くし……燃える中に……
書頁の中に一行の小注が挟まっている。遠い島に花あり、名を都忘という。これを見れば、都城を忘れることができる。
後に、花を植えた者は死ぬまで帰ることができなかった。
掌が突然熱くなる。彼は手を広げ、雪が掌紋に落ちる。刃のない剣の上に落ちるかのようだ。
しかし旅人は確かに虚雲二十年にこの城へ来たのだ。どうして?どうして……ど……
焦げた匂いが伝わってくる……
一群人が外で見ている。「儲君」を守るために。
彼は何かを残さねばならない……
旅人は日記、著作、そして都忘花の種を雪の中に置く。
火は猟師のように、小屋を呑み込む。何の音もなく、何の反抗もなく、何の苦訴もない。
「咻咻」という音とともに、また一人の人が重なり合う。剣、鎧が金色に輝く……
第二年、焦土の上に一簇また一簇と紅白の混じった花が咲き上る。種は炎の気流に乗って殿中へ入り、ある清らかで凄まじい部屋の中で根を下ろし芽を出し、唯一の家族写真を覆い隠した。
苔の上に、氷花の浪。
都忘れ、独り枉。
書信を留め、血紅が漲る。
人々は「読む」。この書と花の主人を見ることはない。




