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まさかの番い発言と、ヒュマナの信者

唯一持って居たルリの母が選んだ特別になった鞄を見て、ルリは寂しさを覚える。

そんなルリにスフェールが番い発言をし、ルリは大混乱。

眠った時フェンリナに尋ねると──




「じゃあ、お風呂上がりにはこれ!」

 と、コーヒー牛乳にストローをつけて渡す。

「何だこれは」

「コーヒー牛乳って言って、私の世界の飲み物です」

 そういってストローで飲んでみせる。

 スフェールさんはすぐに真似て満足そうに飲んだ。


 空になったのを鞄に入れると消えてなくなった。


「便利ー……」

 持ってきた鞄の中で傷一つつかず、お気に入りの鞄。

 大きめで、色んな物を入れてきた鞄。

 大好きな母が選んでくれた鞄。


 ほろり。


 涙がこぼれた。

 もうお母さん達には会えないんだなと思うと涙が出た。

 すると、スフェールさんが私の涙を拭ってくれた。

「泣くな、寂しいだろうが、これからはこの世界で生きて行かねばならない」

「……はい」

 私は涙を拭う。

「我の番い(・・)なのだ。元気でいて貰わねば困る」

「……はい?」

 耳を疑った。

「だから、我の番いだと」

「……はいぃー⁈」

 頭がこんがらがってきた、こう言う時はそうだ。

「私ちょっと早く寝るね!」

「ああ」

 眠ることにした。





「ちょっとぉ、フェンリナ様ー⁈ どういう事ですか⁈」

「ごめんなさい、ただで貴方の護衛をするか微妙だったから、気に入ったら番いとして守りなさいと神託を出してたの」

「じゃあ、私、スフェールさんに気に入れられてたの⁈」

「ええ」

 頭を抱える私。

「何じゃ、そんなに嫌か?」

 ドワノフ様がやって来た。

 お酒飲んでるし。

「嫌、というか、私の意思がないところで話が勝手に進んでいたのが何というかこう、うぐぐぐぐ」

 言葉にできない。

「嫌なのか?」

「……嫌では、ないと思います」

「ならいいじゃろ」

「そういう問題じゃないんですー!」

「自分が部外者扱いされてるのが嫌なのよね、当事者なのに」

「そうです! 蚊帳の外……げふん当事者なのに、その話は私がいない所でされたのが嫌だったんです!」

 蚊帳の外という言葉が通じるか分からないので言い直して見た。

 というかこの世界に蚊帳はあるのか。

「ありますよ」

 おうふ、また思考よまれた。

「ここから遠い東の国に貴方の住んでいた国の昔のような世界がありますもの」

「つまり……刀とかがある」

「ええ」

 ふおおお、いずれ行ってみたい。

 が、今は其処は重要じゃない。

「でも、番いであることはかくして置いた方が良さそうね」

「え?」

「貴方にも戦う力はあるけれども、スフェールの番いと知られたら各国が貴方を狙うでしょう。貴方が傷を負えばスフェールの怒りは国を滅ぼす。だからそのようにスフェールには神託しておきましょう」

 私はほっと息を吐く。

「では、貴方はスフェールと今まで通りに過ごしてね」

「あの、番いとか聞かれたりは……」

「してないわ」

 再度安堵の息を吐く。

「大変な事に巻き込まれた貴方には国だけどヒュマナが召喚した異世界の人間達が各地で暴れてるし、それとは無関係のモンスターも暴れているの、だからお願いどうか世界に平穏を」

 フェンリナ様にとても重たい事を言われて恐縮する私。

 スフェール一人?一匹?でどうにかなるんじゃ無いかなーとは思わなくも無い。

「いいえ、スフェールだけでは駄目、貴方の力が必要なのです」

 といわれても、私の攻撃技なんてガン=カタもどき位しかないんだけど……やるしかないかぁ……

「そろそろ目覚めの時間です、どうか宜しくお願いします」

「え、ちょっと待ってー!」





 目が覚めた。

 起きて家中探したがスフェールの姿は見つからず。

「もしかして、解体小屋にいったのかな」

 と思い行ってみた。


 すると、予想的中。

 スフェールは綺麗なナイフでメタルドラゴンを解体していた。

 解体屋さんも手伝いをしている。


 解体が終わったらしいスフェールに声をかける。

「スフェールさん」

「ん、ルリか」

「解体終わりましたか?」

「ああ、後は買い取りだ肉も薬になるからなメタルドラゴンは、肉が不味くて食えない代わりに」

「は、はぁ」

「すげえ解体だったぜ、熟年の捌きっぷりというか」

 解体屋さんが驚いたように言う。

「ギルドマスターさんは?」

「鉱山全てがモンスターから解放されたからな、その報告と護衛依頼の書類とにらめっこ中だ」

「はぁ」

 そう言って品定めをして購入していく。

 白金の金貨52枚と、金貨175枚貰った。

 残った物はアイテムボックスにしまっていく。


「ふぅ」

「さて、飯にするか」

「うん」

 そんな話をしていると──


 カーン! カーン!


 鐘を叩くような音が鳴り響いた。

「こいつは……」

「ヒュマナの加護を持った連中に冒険者が襲われて帰って来た! 頼む、出てくれ!」

「どうやら朝食はこの後になりそうだな」

「う、うん!」

 実際、私を殺そうとしたあの女神ヒュマナの加護を受けた者達だ、他の冒険者より強いみたいだし、私で大丈夫かなと不安がある。

「安心せよ、其方には二柱の神の加護がある」

「……うん」

 私はスフェールに乗ってルキトの街を飛び出した。


「人間以外の種族は奴隷か、皆殺しだ!」

「そうだそうだ!」

「人間こそ至高!」


 耳障りな声が聞こえる。

 男達はそう言って銃や剣、魔法で冒険者達に攻撃している。


「やめなさい!」


 冒険者を守るように、割って入る。


「なんだ、嬢ちゃんは⁈」

「人間でも俺等の邪魔を」


 二丁の銃から魔法をぶちかます。


 男達の後ろに吹き飛んだ跡ができる。


「降参しないなら、ぶちかましますよ」

「ひ、ひるむな! 俺等には加護ががっはぁ!」

「お、おい! ひっげふ!」

「ごはぁ!」


 私はためらいなくぶち込んでいった、死なないの分かってるし、昏倒する位の威力になってるし、モンスター以外は。


 あっという間に、全員地面とキスする状態になっていたのでスフェールが少し不満そうに。

「我の出番が無かったな」

「ご、ごめんね! 次は作るから!」

「分かった」


──この縄を使いなさい──


 フェンリナ様の声がしたので鞄に突っ込むと縄が出て来た。

 それで蹂躙者達を縛り上げるとずるずると引きずって帰って行った──







ルリ、複雑な乙女の心境。

知らぬ間に番いにされていたのでそりゃ複雑にもなりますね。

そして、防衛戦。容赦なくヒュマナ信者に銃ぶっぱしてます。

死なないと分かっていると容赦ないですよね、人間相手だと。死ぬと思うと躊躇っちゃいますが。


ここまで読んでくださり有り難うございました!

更新はゆっくりしていきますが、ご容赦いただけますと幸いです。

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