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依頼:鉱山全てを開放せよ!

ルキトの街にやって来たルリとスフェール。

しかし、街には活気がなかった。

そこでギルドへ向かうと鉱山が全てモンスターに占拠されていると言われ──




 翌日メンディスの街をスフェールさんに乗って立ち、夕方頃にルキトの街に到着した。

 鍛冶の街と聞いていたのだが、どこか殺風景に見えた。

「活気がないですね」

「そうだな、ギルドに向かうぞ」

「はい」

 獣人モードのスフェールさんに促されギルドへ向かう。

「おお来たか!」

 若いギルドマスターさんが居た。

「俺はガイ、このルキトの街の冒険者ギルドのマスターだ」

「あの、街に活気がないといいますか」

「それが依頼内容なんだ」

「?」

「実はな、鉱山全部にモンスターが居座っちまって対処に困り果ててるんだ」

「はい?」

 私は耳を疑った。


 鉱山、全部?


 話を聞くと、ミスリル鉱山二つ、普通の鉱山七つをモンスターに占拠されてしまっているらしい。

 しかもどれも対処が難しくて放置した結果、在庫の鉱石などが尽きたらしい。


「深刻な問題ですね……」

「で、何が居るのだ?」

「ミスリル鉱山にはミスリルリザードとメタルリザードがいると情報がありましたが、もうメタルリザードもミスリルリザードに変わってるでしょう」

「なるほど、もう一つは?」

「メタルドラゴンだ」

「確かに両方とも人間には重荷だな」

「ミスリルってことは魔法とかに強いんですよね」

「異世界から来たのによく知ってるな」

「本とかで……」

「で、残りの鉱山は三つがブラッディゴブリン、四つがブラッディオークが住み着いてるんだ」

「これも並みの冒険者には無理な話だな、ブラッディオークは確かA級と聞く」

「うへぇ。私Dランクなんですけど」

 私はげんなりする。

「大丈夫だ。この間やったガン=カタとやらは結構いけてたぞ」

「はぁ……」

 本当にいけてたのかな?

「それにフェンリナ様だけでなくドワノフ様の加護も貰っているのだ、怖じ気づくな」

「が、頑張ります」

「異世界人は人間以外を差別すると聞いたがお嬢ちゃんはその限りじゃないみたいだな」

「フェンリナ様が目をかけたのだ、寧ろドワーフなどには目をきらめかせるぞ」

「はは、それなら嬉しいもんだ」

「よし、行くぞ今日中に全部終わらせてしまおう」

「あ、あのーメタルドラゴンは……」

「それは我がやる。他は手伝え」

「うへぇ……」


 かくして私達は鉱山を巣くうモンスターの討伐に出る事になりました。


「あれがミスリルリザード……ひかってて綺麗」

「手はず通り行くぞ」

「はい」


 私は頷き、銃を二丁ともミスリルリザードに向ける。

「ファイヤーバレット‼」

 凄まじい速度で放たれた炎の弾丸はミスリルリザード二匹の脳天から全身を焦がし丸焦げになった死体がごろん。


 バチバチバチ‼


 凄まじい雷撃音がしたと思って見ると残りのミスリルリザードが丸焦げになっていた。

「うむ、でかした。他にミスリルリザードもメタルリザードも、モンスターの気配もない。ここは安全になっただろう」

 その言葉にほっと息をつく。

「証拠品だ持って行くぞ」

 と言われてミスリルリザードの死体をアイテムボックスの中に詰めていく。

「さて、次はゴブリンとオークだ」

「あれ、メタルドラゴンは?」

「最期だ」

「分かりました」

 私はミスリルリザードをしまい終えると、スフェールさんの背中に乗りその鉱山を後にした。

 ちょこっとだけミスリルを拝借したのだが、まぁ許されるだろう、精神労働したし。


 その後、ブラッディゴブリンとブラッディオークの住処になっている鉱山七つを巡った。

 巡ったというか蹂躙したというべきか。

 ブラッディゴブリンは可食部はなく、魔晶石を持って居るのでそれを売り出す為全部回収。

 ブラッディオークは食べられるけど、ちょっと食指がわかない。

 いつか私も食べるんだろうか?


 ちなみに両方とも、魔法の弾丸で心臓ぶち抜いてあの世行きにしました。

 容赦は無くなってるな、私。


「さて、本命に向かうぞ」

「はい」


 そう言って集落を壊し終えた私はスフェールさんの背中にのり駆け出した。

 二つ目のミスリル鉱山へと。





「……」


 ずしん、ずしんと足音を立てるメタルドラゴン。

「お前には荷が重い、ここで大人しくしていろ」

「はい」


 そう言って物陰に隠れると、スフェールさんはメタルドラゴンへと襲いかかった。


 鋭い爪による斬撃が、メタルドラゴンの鋼鉄のような皮膚を裂く。

 声を上げると、雷撃が直撃する。

 一進一退なんかじゃない、蹂躙だ。


「終わったぞ」

「これ、入りますかね?」

「入りますかね、じゃない。入れるんだ」

「あっはい」


 どうやら私のアイテムボックスは普通の人の何百倍──フェンリナ様とドワノフ様の加護で無制限に入るらしく、入れることができた。

「じゃあ、戻るぞ。もうモンスターの気配はないしな」

「はい」





「ただいま戻りました──」

「もう、戻って来たのか⁈」

「で、証拠のブツを……」

「分かった、解体小屋に来てくれ」

 と案内されました。



 どさどさどさどさどさどさ……

「いったん止めてくれ!」

「え、でもメタルドラゴンが……」

「メタルドラゴン解体は無理だ他はなんとかなるが」

「ミスリルリザードはどうする?」

「肉が可食部がない、全てお前達が買え」

「わ、わかったそうするぜ」

「ブラッディオークの肉だけ寄越せ」

「分かってますよ」

「あの、食えるんですか?」

「超がつくほど高級品だぜ?」

「はは……」

「こういう所を見ると異世界の人間だなって思えるな」

「はぁ……」

「メタルドラゴンが解体できないなら、後で場所を貸せ、我が解体する」

「「「え?」」」

 三人そろって声を出しまう。

「ちょ、ちょっとフェンルリ様よ、いくらアンタが退治したとは言え、解体は──」

「数十回解体したことがある。こいつは肉も食えないから素材が欲しければ言え」

 その発言に私達三人はぽかんとしていた。


 解体屋さんが解体している間、私はギルドにお願いしてお風呂がある、小さな一軒家を借りた。

 元は商家だったその家に、火と水の魔晶石をつけてお風呂を沸かす。


「シャンプーとか石けんがあればいいのに」


 そう言いながら鞄をあさるとシャンプーとリンス、石けん、洗顔石けん、入浴剤が出て来た。

「わーお」

 特別な鞄ってこういうことなんだなと思いながら体を洗い、お風呂に入る。

「あ゛~~!」

 体の芯までしみて温かい。

 体の垢を落とし、風呂に浸かり、そして上がり、服に着替える。

 出したシャンプーとかはアイテムボックスへ入れておく。

 髪が早く乾く吸水タオルで髪を拭き、櫛でとかす。

「あーさっぱりした」

「ずいぶん満足げな表情だな」

「そりゃあお風呂に入れましたから!」

「……そうか」

「スフェールさん、お風呂嫌い?」

「最低限しか入らぬな」

「えーもったいないです! 入浴剤も入れてるし、石けんもあるから使ってくださいよ」

「……まぁそこまでいうなら、な」

 私は心の中でガッツポーズを取る。


 数十分後……

「初めて風呂が心地よいとおもったぞ……」

 そう言って少し小さくなった石けんを私に手渡した。

「えっと乾燥させないと……」

「それなら──」


 温風が部屋の中を吹く。

 あっという間にスフェールさんの体は綺麗乾いていた。








スフェールはルリの力を信用してますが、まだ不慣れなところがあるのを把握しています。

それにしても鍛冶で有名な街なのに金属が入ってこなくなったら大変ですよね。


ゆっくり更新していくので、お付き合いいただければ幸いです。

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