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魔法deガン=カタ

身を守るための攻撃手段を手に入れる為に訓練するルリ。

しかし、人に向けるのはどうにも躊躇われてしまう。

そこで何か方法がないか鞄を漁るとエアガンが出てくる──




「まずは攻撃手段を手に入れる。幸い魔法は全適正あるため、死に物狂いでやれば覚え──」

 スフェールさんは其処まで言って無言になった。

 少しして──

「フェンリナ様から直々にご神託が降った、魔法は丁寧に教える事。オークの集落やゴブリンの群れに放り込むなどやってはならない、だそうだ」

「はは……」


 私はフェンリナ様に心から感謝した。

 そんなことやってては命がいくらあっても足りないからだ。


 それから精神統一の訓練や、集中する訓練などを経て、魔法を大体使えるようになった。


「では、ルリ、それを人に向けられるか?」

「ちょっとそれは……」


 訓練で威力が凄まじくなった私の魔力を防げる人は早々いないだろう。


「何か別な方法を考えるとするか……」 

「何かないかなー?」

 私はフェンリナ様に言われたことを思い出し、バッグをあさる。

 すると出て来たのは──


「銃⁈ ──って何だ只のエアガンか」


 私は落ち込みつつも安堵して、エアガンの引き金を引く。

 すると数十発撃っても、弾は出続け、地面に落ちた弾は消えていた。


「どういうこと?」


 弾を入れる場所は空っぽで余計私を混乱させた。

「その物体フェンリナ様の加護が付与されてるな」

「へ?」

 スフェールさんの言葉に間の抜けた声をあげる。

「ふむ、ふむ魔法を打ち出すように付与できるなこれは」

「本当ですか?」

「ああ」

「ああ、なら武器はこれで……あ、でも人は鎧を粉砕する程度の威力にしてください」

「仕方ないな、相手に寄って威力が変わるようにして、使い手もお前だけにしよう」

 スフェールさんがそう言うと何かの文字のようなものがたくさんエアガンを囲む。

 そして光る文字達がエアガン二丁の中に吸い込まれるように消えた。

「……」

 私は首をかしげてから木に向かって引き金を引いた。

 白い巨大な弾のような回転する物体が木に穴を開けた。

「え、え?」

「何も考えず撃ったな、そうすると、無属性の魔法の弾が出る」

「えっとつまり、属性を考えながら撃たないと、駄目、ですか?」

「その通りだ。まぁ無属性の魔法は聖属性クラスのレアな攻撃だからこれはこれでありだな」

「そう、ですか……」

 そう言いながら、銃を二丁持った私はちょっとポーズを取ってみる。

「……ガン=カタならいけそうだな」

「ガンカタ?」

「ちょっとしたまぁ、やり方です……よし、試しにオークの退治の依頼を受けて見ましょう!」

「気合いが入ってるな」

「はい!」

 映画で見た、あの格好いいのがもしかしたらできるかもしれないと、小さい頃から練習していたのをやってみようと思ったのだ。



「オーク5匹……よし、これ受けます」

「はい、お気をつけて」

「有り難うございます」

 受付嬢さんに見守られて、私はその場を後にする。



「四十匹くらい居ますね……」

「そうだな」

「では、やってみます。駄目そうなら助けてください!」

「勿論だ」


 私は飛び出した。


 バン! バン! バン!


 オークの心臓に穴が空いていく。

 距離を取り、拳銃を二丁構えて下がり、そして隠れて、飛び出して撃ち込む。


「ふぅ、疲れた」

「アイテムボックスに入れるぞ」

「あ、お願いします」

 スフェールさんとアイテムボックスに入れる。



「では、帰るぞ。乗れ」

「はい!」


 袋を持って行くと、ギルドマスターさんに呼び出された。

「聞くが、今回の依頼はルリお前さんがこなしたんだな」

「我は見ていただけだ」

「ふむ……では、Dランクまで上げさせよう」

「え、良いんですか」

「フェンリナ様の神託で、お前さんはこれから色んな場所に行かねばならない可能性がある、ランクは上がっておいたほうがいいだろう」

「あ、有り難うございます」

「ルリ、早速だが神託が降った」

「え?」

「ルキトの街が困っている、言って助けてやってくれ、とのことだ」

「分かりました!」

「それと……」

「?」

 部屋を出ようとすると、肩を掴まれどさっと重い袋を渡されました。

「そこのフェンルリが素材をを交換して貯めた金だ、持って行け」

「え?」

 私はスフェールさんを見る。

「肉だけは貰った、他には興味がない」

「スフェールさん……」

「ざっと500金貨だ、しばらくは困らんだろう」

 私はそれをアイテムボックスに入れる。

「スフェールさん、有り難う」

「礼はいらん、フェンリナ様の神託と加護を持つお前を守るのが我の役目だ」

「……?」

 加護?

 何それ聞いて無いぞ?

 と、思いながら、その日は休み、翌日立つことにした。

 そして夢の中──





「加護って何ですかー⁈」

「ごめんなさい説明し忘れてたわ、飛ばされる際、私はスフェールが貴方を見つけやすいように加護をつけたの。女神フェンリナの加護を。私は人、フェンルリ、そして炎と風と家庭を司る女神」

「ヒュマナは?」

「あの子は人間だけを司る女神。だから人間に傾倒しすぎてるんだけど、今回は見過ごせないと創造神のお怒りを受けているわ」

「人間以外の加護もつければよかったのに」

「それがあの子が嫌がったのよ、全く」

「あの他にはどんな──」

「おう! フェンリナが加護を与えたのはお前さんか!」

「わわ!」

 ちっちゃいけどもじゃもじゃで筋肉質のおじさん?が現れました。

 どちら様⁈

「儂はドワーフと人を加護するドワノフじゃ。他にも水と炎、土、鍛冶を司ってる」

「重複していいんですか」

「寧ろ重複している加護持ちの方が魔法の威力や能力も上がります」

「ふぇ」

 驚きの新事実。

「お前さん、明日ルキトの街に向かうんじゃろ」

「はい」

「ちょうどいい、あそこは鍛冶が盛んな街だ。お前さん、名前は」

「ルリ、です」

「よし、ルリ。儂の加護をやろう。ドワノフの加護をしっかりとうけるがいい」

 そういってドワノフさんは私の額に手を当てました。

 額に何か紋様が浮かび、消えました。

「ルキトの街の問題解決、頼んだぞ!」

「頼みました」

「はい!」





「ん……」

 私は目を覚ます。

 欠伸をすると、スフェールさんはもう起きていた。

「食事を取ったらルキトの街に向かうぞ、いいな」

「はい」

「それと」

「?」

「いつの間に鍛冶神ドワノフの加護も貰ってたんだ?」

「ね、寝てる間に……」

「器用だな……」

 スフェールさんは少し呆れているようだった。


 み、見捨てられないようにしよう!


 私は心から誓った。







ガン=カタ?の要素がこれです。

美味くガン=カタを表現できているか、ちょっと分からないので?をつけています。

ルリは加護を貰いましたので、威力が一部倍増しています。


話は毎日ちまちま書いています。

宜しければ読んでください。

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