表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法世界の妖憑き  作者: Lilac
第三章『全知の物語編』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

86/189

稲妻

 レオノールの得意とする魔法、『雷』は電気を操る魔法だ。微弱で繊細な電気を巧みに操り、敵の探知や敵を避ける隠密行動を可能にすることに加え、『雷』の魔法は魔素(マナ)の消費と比例して強力になる性質を持つ。圧倒的な手数と火力、それが『雷』の魔法使いの強みだ。



(もっとだ……もっと速く!)



 手数と火力は、確かな武器になる。それを応用し、伸ばしていけば強くなれるなんて事は、レオノールは理解している。その道に進めば、順当に強くなれる。研鑽を重ね、鍛錬を積み、魔法を究めれば、あの師すら超えるかもしれない。



(それじゃあ……ダメなんだ)



 それは、()()()()()()。毎日毎日、手で砂を掬って山を造るような作業を、レオノールは好きになれない。それに、その道はもう満員だ。旭も、国綱も今その道を歩んでいる。



(俺は俺の道を往く)



 自由気ままに、魔法と生きる。それが、レオノールの選んだ道。そしてレオノールが見出した、『雷』の魔法のもう1つの強み。それが、()()だ。

 火力でも、手数でもない。『雷』は、光とほとんど同じスピードを持っている。その速さはおよそ時速30万km。もちろん、レオノールがそれと相応の魔素(マナ)を消費すれば、その速度に達することができる。



(……まだ、足りないっ!)



 だが、レオノールはまだその領域に達していない。そもそもの魔素(マナ)量が足りなさ過ぎるのに加え、生身の状態で光の速度なんて出したら体が耐えられない。最高のコンディションでも、音速にさて到達できない。



「でも、十分だ」



 それでも、レオノールに追いつける人物など、ここには存在しない。数分と経たず、レオノールはエストレイラたちを捕捉した。チラリと視界に映ったそこには、先程まで国綱と戦闘していた木曜(フエベス)がエストレイラたちの前に立ち塞がっていた。

 ただ、それだけの事にレオノールは疑問を抱く。いくら相手が手練の魔法使いといえど、レオノールよりも早くエストレイラたちに追いつくことは不可能だろう。どれだけ身体強化の魔法を積んだところで焼け石に水だ。

 だというのに、目の前の現実はどうだろう。汗ひとつかくことなく、息切れもせず、木曜(フエベス)はエストレイラたちと対峙している。



(……そういうことか)



 レオノールは1つの仮説を立てる。ありえない話ではない、現実的に可能で、すべての辻褄が合う仮説だ。ほとんど正解に近い仮説に、レオノールも自信を持っていた。



(問題は、これをどうやって伝えるか……だな)



 そしてレオノールがとったのは、最も合理的で手っ取り早い、レオノールらしい方法だった。雷による加速は止まり、今度はひたすらに電荷をためて帯電する。そして――



「”震霆(しんてい)”ッ!」



 雨は降っていない、雲ひとつない美しい夜空の空だというのに、古書館内には轟々と(いかづち)の轟音が響き渡る。これは()()だ。俺はここにいる、と言いたげな雷の音。



「やっと見つけたぜ、可愛い姉ちゃんじゃねぇか! 敵じゃなけりゃ仲良くなりてェくらいだ!」


「次から次へと……!」



 そして、その音の元へ集うのは強者たち。合図の意図に気づいて集まり始める。



(アステシア先生が来るまで)


水曜(ミエルコレス)が来るまでが)



 レオノールと木曜(フエベス)が激突する。



(こいつはここに釘付けにする!)


(それまでが、私の時間制限(タイムリミット)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ