~第五十一章~
・・・・・・
・・・
あれ?
俺は死んだのか?
何も見えないし、何も感じない。
これがあの世?
真っ暗じゃねえか。
自分が死んだことすら分からなかった。
痛みもない。音も聞こえない。何も見えない。
こんな真っ暗闇な世界が果たしてあの世なのかさえ分からなかった。
無理もない。何せ見たことがない。
すると突然、視界に光が差し込んできた。
うっ・・・
俺の目に飛び込んできたのは・・・
え・・・
姉・・・ちゃん?
「大丈夫か!?イオリ!」
しかし、その声は俺の思った人とは違った。
背中には二対の荒々しい翼。
壮麗で蒼穹のように曇りのない青い瞳。
「シ、-ナ?」
一瞬、ほんの一瞬だが俺の姉とその姿が重なった。
太陽の光で反射する爪で俺と弾丸の間に割って入り、それをすべて叩き伏せていた。
「上総君!!」
「上総!!」
シーナの姿に見とれていた俺の耳に二つの聞き覚えのある声が響き渡った。
篠崎に・・・杉弓。
なんでここに・・・
ユニコーンの泉に向かったんじゃ・・・
そうか、シーナがここにいるってことはもう角は貰ってきたんだな。
木に寄りかかるようにして腰の力が抜け落ちた。
そのまま地面へとへたり込む。
「毒は・・・大丈夫なのか?」
「あぁ、篠崎と杉弓のおかげでな」
「そうか・・・よかった」
その言葉を聴いてさらに安心してした。
すでに死んでしまったのかと思っていたがどうやら助けられたらしい。
視界に入った竜田も驚きの表情を隠せないでいる。
その視界の隅から篠崎と杉弓が駆け寄ってくるのが見えた。
「大丈夫ですか!?」
「酷いやられようだな・・・ちくしょう。人間とやりあうことになるなんてな・・・」
「本当・・・だぜ・・・ったくよ、」
あ・・・まずい、意識が・・・
視界が霞んでいく。
「・・・くん!?・・・り・・て!!」
「・・・い!?か・・・さ!?」
薄れ行く意識の中二人の声が掠れていきながら意識を手放した。




