~第五十章~
「ぐぅぅお!!」
突き刺さってきた弾丸の威力は凄まじかった。
一発一発に怒りが込められていて尚且つ強烈な重み。
遥か上空で俺の体は矢のように地面と水平に吹き飛ばされた。
「ぐっはぁ!!」
空を裂いて突き進んだ俺の体は後方にあった大木をなぎ倒して静止した。
衝撃が全身に伝わり、口から多量の血を吐く。
毒も回り始めて内臓自体が悲鳴を上げだしたように感じる。
力が緩み地面に片膝をついてしまった。
「くそ・・・」
それにしても・・・
なんであのマシンガンみてえなやつは弾切れを起こさないんだ!?
かれこれ三分近くは打ち続けてるぞ?
無数に銃身があるとはいえあの中にあれだけ長い時間打ち続けてられる弾丸が入るとは到底思えねえ。
地面に吐血した血を握り膝を片手で押しながらゆっくりと立ち上がる。
前方から地面を踏みしめる足音が聞こえてきた。
「どうして弾切れしない?ってツラしてんな」
「へっ・・・心読んでんじゃねえ・・・」
やべえ・・・視界が・・・歪む。
「まぁ、ここで俺が殺し損ねても陣内の毒で勝手に死んじまうからな。教えといてやるよ」
男が両腕のマシンガンを頭上に掲げた。
「俺の能力は身体融合。武器を体の一部にすることが出来る。それと武器の能力は・・・」
激しい頭痛が襲ってくる。
「エア・イン・オート・リロード。弾の自動装填だ。空気中に分散した無数の塵を弾丸に変換して勝手に装填してくれんだよ」
嘘だろ・・・つうことは・・・
驚きが表情に現れる。
それを見て男がにやけるとゆっくりと口を開いた。
「そうさ・・・いくら撃っても弾切れは起こさねえ!!」
頭上に掲げていたマシンガンを振り下ろす。
「・・・そういや名乗ってなかったな」
太陽光に反射してなのか銃身がきらりと一瞬輝く。
くそ・・・動かねえ。
「俺の名前は・・・」
くそ・・・
くそ!!くそ!!くそぉ!!
「竜田虎次郎だ!」
「動けえぇぇ!!」
ダダダダダダダ!!
無数の弾丸が放たれた。
駄目だ・・・助からねぇ・・・
瞳を閉じて死を覚悟した。
無数の銃声も次第に聞こえなくなり、自分の息をする音さえも耳に入らなくなった。
まるで、辺りの時間が止まったかのように。
何も感じなかった。
それどころか弾丸で貫かれるからだの痛みすら感じられなかった。
あぁ・・・きっともう撃たれてるな。
痛み・・・感じねえ。
音も、衝撃も、何も。
よかった。
死ぬときに何も痛みを感じないで死ねて。
死ぬ?
そうだ。杉弓と篠崎。それに・・・
姉ちゃん。
わりい。俺死んじまったわ。
杉弓・・・お前はめちゃくちゃ強えから生き残れるだろうな。
篠崎・・・お前なら冷静にさえなってれば頭のきれるやつだからきっと生き残れるだろうさ。
姉ちゃん・・・
ごめんな。助けにいけなくて。
今朝の最後のお願い・・・
こんなことになるんだったら・・・
聞いていやればよかったな。
ごめん。
しー姉・・・




