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~第五章~
ガタンゴトン・・・
鉄で出来た線の繋ぎ目を乗り越えるたびに音を上げる。
窓の外に目をやると、茜色に染まった世界が次々と通り過ぎていく。
今日も終わった。
一人電車に乗りながら、今日を振り返る。
いつも通り起きたいつもの朝。多少いざこざはあったが特に変わらない通学。いつも通りの学校。
今日もそんな一日だった。
ただ、気にかかることはあった。
憲弘と千春のこと。
あからさまな憲弘の言い訳が余計に不安な気持ちを煽った。
この関係だけは変わらないでいてほしい。
『次は辰見~辰見です。お出口は左側です』
そんなことを考えているうちに家の最寄り駅に着くアナウンスが流れた。
憶測を消し去ることは出来なかったが、アナウンスのおかげで考えるのをやめることが出来た。
開いたドアを過ぎて改札を出ると茜色に染まる坂が見える。
かならず通る道。
ゆっくりと歩き家に着くと家族と温かいご飯とが待っている。
そして風呂に漬かり全身の疲れを癒して寝る。
これが俺の一日だ。
そして明日も変わらずにそれはやってきて平和で平凡な一日を繰り返す。
そうだと思っていた。
変化は確かに望んでいたがあんな変化は望んでなかった。




