~第四十一章~
ダダダダダ・・・
・・・ん、なんだ?
ダダダダダ・・・
何だこの音は・・・
人が寝てるってのに騒がしいな。
寝てる?
そうか、俺あのまますぐに気を失ったんだっけ。
今何時なんだ?
だいたいこの世界に時間はあるのか?
まだ完全には目覚めていない意識を地面を駆ける様な騒がしい音に意識を奪われる。
次第に重く閉じた瞳が開かれる。
あれ?篠崎と杉弓は?
寝ぼけ眼で横を見るが薄れた視界に寝ているはずの二人の姿が捉えられなかった。
ダダダダダ・・・
ん、くそ・・・なんだってんだよ
まだはっきりと開いていない瞳を擦って起こし、重たい体を持ち上げた。
大きなあくびが口から無意識に突いて出る。
足取りを出口のほうへと向けて歩き出した。
岩の壁から顔をひょいと出すとたくさんのウィンガルム族が駆けているのが目の飛び込んできた。
「な、なんだぁ?何があったんだ?」
その光景に呆気に取られて開いた口がふさがらない。
「あ!上総君!!」
「篠崎!!」
ふと視界の脇から飛び込んで来た篠崎に声を掛けられた。
「一体何があったんだ?」
「大変なの!!シーナさんが、シーナさんが!!」
篠崎は慌てるようにして俺の手を取る。
シーナがなんだって?
少々混乱しているのか篠崎の不十分な説明に俺は状況がうまく理解できなかった。
「シーナがどうしたんだ!?」
「えーっと・・・とにかく来て!!」
「うお!?」
握られた手をそのまま篠崎に引きずられて俺はシーナの部屋の方へ連れられていった。
つか・・・篠崎はシーナの部屋覚えてるのかな・・・
「フリント君!!」
「篠崎のねえちゃん!」
シーナの部屋に駆け込んだ俺達に掛けられた言葉はフリントの声だった。
シーナの部屋には杉弓のほかたくさんのウィンガルム族がいて、シーナの横になっている周りを取り囲んでいた。
「何があったんだ!?フリント!!」
その異様な光景にただ事ではないと感じフリントのもとへ駆け寄る。
「姉上が!!姉上が!!」
フリントは誰が見ても分かるほど混乱していた。
顔は俺の方を見ているのだが視線が全く安定しておらずきょろきょろと浮遊していた。
「落ち着けフリント!いったいシーナに何があった!?」
目の前に寝ているシーナに一瞬視線を移してフリントの両肩を掴み視線を安定させる。
「えと・・・今朝起きたら姉上が寝てたんだけど、なかなか目を覚まさないから起こそうとしたら凄い熱で・・・それに・・・」
熱!?昨日の傷口からばい菌でも入って感染したか!?
「体中に見たこともない痣が!」
「痣!?」
フリントの言葉でシーナの額を触ると確かに異常なほどの熱を帯びていた。
微熱なんてレベルじゃねえぞこりゃ・・・
その後に腕をまくってみると痛々しい光景が目に飛び込んできた。




