~第三十六章~
不意にフリントの姉で、ウィンガルム族の女性のシーナが立ち上がる。
抱きついて離れようとしなかったフリントを引き剥がすようにして。
・・・やっぱり、姉ちゃんと同じ名前だとなんか変な感じがするな。
心の中の変なもやもやが解けないでいた。
「この匂い・・・懐かしいな・・・」
と、シーナの声が耳元で聞こえた。
耳元?
「・・・あ、あの!?」
声が裏返ってしまった。
無理もない。シーナが立ち上がったと思うとおもむろに俺の側まで近寄ってきて、目の前数センチのところで止まり、その整った鼻で俺の匂い?を嗅いでいたのだから。
「シ、シーナさん!?何してるんですか!?」
「・・・あぁ・・・」
篠崎も声を裏返して慌てるようにし、杉弓は何故か肩をがっくりと落としていた。
とろけてしまうような甘い声と、少し潤いを帯びた唇、安心しきったようなその表情に俺は完璧に目を奪われた。
心臓の鼓動がはちきれんばかりに脈を打つのが聞こえる。
こんなに激しかったらシーナに聞こえてしまうんではないかというくらいうるさい。
緊張が一向に解けず俺は生唾を飲み込んだ。
「あぁ、すまない。つい懐かしくてな・・・」
すう、っと俺からゆっくりと離れていく。
今思うとこんな綺麗な人にこれだけ近くに寄られたことはなかったため離れてからもうちょっと堪能したかったなと後悔した。
冷静さを取り戻した俺はシーナの甘い声から零れた言葉に疑問を抱く。
「懐かしい?どいうことだ?」
「・・・いえないんだ」
天使のような微笑が一瞬、凍りついたかのように寂しさに満ちた。
零れた言葉も感情が込められていないような音に変わる。
「そ、それより・・・お前達。疲れているであろう。我らウィンガルム族の長に合ってはくれないだろうか?久しぶりの客人だ、もてなそう」
「・・・まじ?」
俺達三人は思いもよらないその言葉にお互い顔を見合わせる。
「あぁ。おおまじだとも」
「「「やったー!!!」」」
俺達三人の喚起の声が重なってあたりに盛大に響き渡った。
[近況報告]
まことに申し訳ないのですが・・・
この度、私Verfaiyaは今流行のインフルエンザに
感染してしまったため執筆が非常におくれてしまっています・・・
数少ない購読者の皆様、大変ご迷惑をおかけいたしますが
ご理解とご容赦をお願いいたします><;;




