~第十九章~篠崎未来
悠然と立っていた狼が地面の砂を蹴り飛ばして向かってくる。
寸前でそれを交わして反転し、再び双銃で弾丸を放つ。
しかし、最初とはすこし変えて・・・
私はけして無駄球は撃ちません。
狼は何も気づかず、再び風の壁で弾丸を受け止めようとする。
ズギャン!
「!?キャウン!?」
弾丸は風の壁を貫き、狼の尻尾に風穴を開けた。
確実に息の根を止めるために放ちましたが・・・あの壁も柔ではないようですね。
狼は翻りながら、尻尾痛そうにして地面へと着地する。
何も分かっていないようですから伝えてあげましょう。
まぁ人語を理解できるかどうかは知りませんが。
「私の武器の能力は『インパクト・コントロール』。その形状を様々に変えることが出来ます。今のは弾頭を通常より細く鋭くしました。これで風の壁も貫きます!」
そう言い放って再び弾丸を放つ。
しかし、空気を裂いて突き進んだ弾丸は今度は狼のかぜの壁に阻まれ地面へと落ちた。
どうやら壁を分厚くしたようですね。
それなら!!
狼は弾丸を叩き落して、空に舞い上がりながら突進してきた。
「くっ!?」
反応が遅れ直撃は免れるも、地面を削って飛んできた石が足にかすめ出血する。
「これしき・・・上総君に心配は掛けられないの!!」
そういって弾丸を放った。
インパクト・コントロールで弾丸ほ刃のように薄くして放つ。
狼の側方から向かっていく。
ズシャャア!!
「ギャン!?」
弾丸は風の壁を切り裂き、失速することなく狼の側方から両前足を切断した。
体制を崩して地面にのた打ち回る狼。
両前足からは夥しい量の血液が流れ出ていた。
「せめて楽に逝かせてあけます」
そう言い放ち背中の大筒を構える。
そのまま痛みで苦しむ狼に向かって砲弾を放った。
爆煙が立ちこめ、狼の悲鳴が聞こえなくなる。
「お母さんお父さん、私は無事です。どうか心配しないで・・・必ず帰るから」
私の帰りを待ってくれている両親に言葉を伝えたくとも叶わない。
せめて今は上総君の役に立ちたい。
そう思って杉弓さんの言ったもと居た場所へと足を進めた。




