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日本の昔話 「浦島次郎」

作者: ア煌

浦島太郎の弟が主人公です。

とある海岸で沖の方から青年の乗った亀がやってきました。


海岸に到着して亀から降りた青年は亀と別れの言葉を交わしました。


次郎

「ありがとう~、姫様によろしく言っといてくださぃ」


「解りましたぁ、次郎さんもお体には気を付けて下さいね、では、さようならぁ」


そうして亀は沖へと戻っていったのでした。


次郎

「さてっ、家に・・・・・戻りたいのだが・・・ここってだいぶ風景が変わっているなぁ~?」


どうやら次郎が竜宮城に行っている間に海岸の風景が変わっていたようです。


次郎

「あそこの岩場は変わらないから、確かに俺の村の海岸なんだが・・・何だ・・・この・・・海岸と村を遮断するかのような巨大な1枚岩の城壁みたいなのは??」


次郎が見た物、それは高さが有り端が何処に有るのかも解らない程に左右に続いている防潮堤でした。


次郎

「これを乗り越えるにしても・・・・無理だな!」


次郎は防潮堤に近づき足で蹴ってみました。


次郎

「かっ、硬ったあぁ~~~、何だこの硬さは?」


そりゃ~コンクリートですからねぇ~。


次郎

「一体、誰が作ったんだ?、人間業じゃないな??、神様の仕業か???」


竜宮城に旅立つ前の次郎のいた時代ではコンクリートなんて物はありませんでした、そりゃ神業に思えますよね。


次郎

「何処か・・・・ん!?」


次郎は何かを、見つけたようです。


次郎

「あそこだけ色が違うな?」


色の違う所に歩いていく次郎。


次郎

「これは・・・・鉄の扉か?」


次郎の目の前には鉄で出来た扉がありました。


次郎

「取手があるな!」


扉の取手を握り扉を開こうとする次郎。


次郎

「んんんんんん~~~んっ!?、ひ・・・開かんっ??、」


扉は次郎が押しても引いても開く事はありません、そして扉を横に動かそうともしましたが開く事は出来ませんでした?。


次郎

「開かずの扉かぁ~?」


それもそのはず、次郎のいた時代の扉の取手はあくまでも掴むだけの物ばかりで、45度に回す事で扉が開く切っ掛けになる事など次郎には想像も付かないからです。


次郎

「駄目だっ、他を探そう」


そう言って扉から離れ別の入り口を探して歩き始めました。


次郎

「しかし、海岸にゴミが多いなぁ~・・・しかも見た事のないような物ばかり???」


次郎のいた時代の海岸の漂着ゴミと言えばほとんどが流木で、たまぁ~に武者鎧の破片などでした。


次郎

「何か書いているが俺・・・字読めねぇしなっ!」


そんな海岸を少し歩いた所で先ほどの扉よりも遥かに大きい鉄の扉がありました!。


次郎

「なんじゃこりゃあぁ~、この大きさぁ、・・・巨大な鬼でも通るのか?」


ここの扉は防岸工事を行う重機やダンプカーが通れるように大きく作られた扉なのです。


次郎

「もしかして俺がいない間に村が鬼に占領されたのかな?」


そんな巨大な扉の横には先ほどの扉と同じ大きさの扉があり開いておりました。


次郎

「おっ、あそこ開いてんな!、あそこから向こうに行けるんじゃないか?」


扉をくぐり防潮堤の向こう側に出た次郎は驚きました。


次郎

「ああああああ・・・・・、何だ?この黒い道は?、しかも家の形が変だし・・???」


黒い道とはアスファルト道路の事で、家々も次郎のいた時代とは比較出来ない程に変化しています。


次郎

「あっ、でもあそこの八幡様は変わっていなから、やはりここは俺のいた村なんだな!、俺が竜宮城に行っている間にこうも変わったのか?」


そこに1人の女の子がやってきました。


女の子

「あっ!・・・・・・もしかして卓郎君っ?」


次郎

「えっ!、いえっ違います」


女の子

「ええっ、その顔その話し方、間違いなく亀ん家の卓郎君だよねっ?」


次郎

「いいえっ、俺は浦島の・・・」


女の子

「だからぁ本家の卓郎君だよね??」


女の子の言う「亀ん家」とは屋号であり、浦島家の本家の屋号として「亀」が使われていたのだった。


次郎

「いいやっ、俺は浦島次郎ってんだ」


女の子

「えっ、卓郎君じゃないの?、半年前に消息不明になった卓郎君じゃ・・・」


どうやら浦島家の男子は消息不明になるのが好きらしい!。


次郎

「そいつの事は残念だが、俺は浦島次郎だ」


女の子

「でも、浦島次郎って・・・・おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんくらいの頃にいた名前のような気がするんだけど?」


次郎の話によると、次郎は消息不明になった兄の浦島太郎を探して海岸を捜索中に兄の所在を知っている亀と出会い次郎も竜宮城に行ったのだが太郎は既に地上へと帰った後だったので、その後次郎は竜宮城で少し生活をしてから地上へと戻って来たところであった。


そして、女の子は次郎に太郎の事について語った。


昔々、太郎が地上に戻ったのは消息不明になってから40年くらいたった頃で状況に悲観した太郎は「開けてはいけません」と言われて持たされた玉手箱を開けてみたら白い煙が出て太郎は当時の地上の状況に合わせた姿に変わってしまった事を次郎に話したのだ。


次郎

「そ、そうだったのか、兄さんはそれで本望だったんだろうなぁ」


女の子

「んん~、でもその後飲んだくれジジイになったって話しもあったけどね」


次郎

「はぁ~!?」


女の子

「そりゃそうでしょ、帰ってみたら知らない風景だし玉手箱のせいで年取って結婚どころじゃなくなったし」


次郎

「そうだよなぁ~・・ん!?、じゃあ、今、家を継いでいるのは?」


女の子

「浦島三郎さんが家を継いで本家になったって聞いたわ」


次郎

「あの好色野郎が跡取りになったのか!」


女の子

「でも三郎さんのおかげで浦島家は繁栄したそうよ、沢山子供を作ったみたいで」


次郎

「世の中何が幸いするか解ったもんじゃないなぁ~」


女の子

「ところで、次郎さんは何歳なの?若く見えるけど??」


次郎

「ああっ、10と7だったかな?」


女の子

「17歳っ、私と同い歳じゃん」


次郎

「同じ歳っ!、それにしては随分と大きくて大人びた顔だちだなぁ~?」


そりゃそうでしょう、次郎のいた時代とは日本人の体格や顔だちは違いますからね。


女の子

「私っ、海の雫って言うの」


次郎

「海の雫?」


女の子改め雫

「あっ!、海は分家の家の屋号、本名は浦島雫よっ」


そうして、現代社会での浦島次郎の生活がこれから始まるのであった。


次郎

「玉手箱は永久に封印だなっ!!」


一方、竜宮城では。


卓郎

「あっ、それっ、あっ、それっ、よいよいよいよいっ、貴方の御名前どう書くのっ?」


人魚

「あっ、こう書いてこう書いてこう書くのっ」


浦島卓郎が宴会の真っ最中であった!、浦島卓郎の地上への帰還はいつの「時代」になるのだろうか??。


終わり


浦島卓郎が地上に帰還する・・・・事はあるのでしょうか?。

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