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お仕置き……⁈


ヴィオラは嫌な予感がして、急に身を捩り暴れる。


「ちょっ、ヴィオラ、そんなに動いたら落ちちゃうよ?大人しくして、大丈夫……痛くしないから」


レナードは妖艶に笑みを浮かべると、舌舐めずりをする。ヴィオラは、そんなレナードを見遣り、思わず息を呑んだ。



半刻後。ヴィオラの身体には無数の赤い痕が出来ていた。


「んっ……れ、レナード、さま……こ、これはっ」


自分の身に一体何が起きているのかが、分からない。レナードは身体のあらゆる箇所に、口付けては強く吸うを繰り返している。


「これは、所有の証だよ」


「所有の、証……?」


「そうだよ、ヴィオラが僕のモノだという証なんだ」


ドレスは辛うじて脱がされずに済んだヴィオラだったが、上は首から、下はドレスをめくり上げられ、太腿からつま先まで、吸われてしまった。


始めは抵抗していたが、体力のないヴィオラは疲れてしまい、途中からはレナードになされるがままになってしまう。しかも、勝手に変な声が漏れてしまい……恥ずかしくてどうにかなりそうだ。


「君は僕だけの、モノだ」


「で、でも、レナード様には……婚約者が」


そこで、レナードはピタリと止まった。


「婚約者は君だよ?」


しれっとそう言うレナードに、ヴィオラは複雑な思いになる。レナードは、自分がまだ記憶喪失だと思っている。


「レナード様。私は、ヴィオラです」


ヴィオラの言葉に、レナードは奇怪な顔をする。意味が分からないと、言った感じだ。


「私は、モルガン侯爵の娘の、ヴィオラ・モルガンです」


「ヴィオラ、君、記憶が……」


レナードは、ハッとしてヴィオラの上から飛び退いた。


「どうして、嘘を吐くんですか」


レナードに、聞かなければならない事がある。記憶を失くした自分に何故婚約者だと、嘘を吐いたのか。両親や兄、妹はどうなったのか……デラから一通り話は聞いたが、真実を、レナードの口から聞くべきだと思っている。その為にレナードに会いに来たのだから。


「嘘、なんて……」


「教えて下さい、レナード様。私の両親や兄や妹を、どうしたのかを。……何故、あの日、私に会いに来たんですか。何故、私に婚約者だと嘘を吐いたのですか」


全ての始まりの日。レナードが、突然ヴィオラの部屋に現れた……。ずっと、知りたいと思っていた。その理由を。でも、聞くのが怖かった。だから、何も聞かなかった。


「……知ってどうするの」


「分かりません」


ヴィオラの正直な返答に、レナードは笑った。


「そう…………まあ、いいよ。教えてあげる。先ず、モルガン侯爵達は、死んだよ。王太子のこの僕を殺害しようとした罪で、処刑されてね」


淡々と話すレナードの言葉に、ヴィオラは瞳を伏せた。分かっていたが、改めてレナードの口から真実を聞くと、これが現実なのだと突きつけられた。


だぎ、悲しくも、苦しくも、なんの感情もない。ただ、虚無感がそこに、あるだけ。


「もう、いいや」


「え……んっ」


レナードは、再びヴィオラの上に跨ると、徐にヴィオラに口付けた。息が出来ないくらいに、深く、激しく、口付けをする。驚きヴィオラは、目を大きく見開いた。


いやらしい音が部屋に響き、恥ずかしさに、ヴィオラは頬を真っ赤にして、瞳を潤ませた。


「レナード、さま……?」


解放されたヴィオラは、酸素不足でくらくらする。


「ばれちゃったなら、しょうがないね。……君はあの日、アンナリーナにバルコニーから突き落とされ、記憶喪失になってしまった。記憶を失くした君を見て思ったんだ、これは、機会(チャンス)だと。最初から、やり直そうと思ったんだ……」


レナードは、ミシェルへの当てつけとして、ヴィオラを弄び捨ててやろうとした。自分のおさまらない感情の矛先を向けたのだ。


ついでに、以前から目障りだったモルガン侯爵家を一掃すれば、一石二鳥だと。


だが、ヴィオラと過ごす内にレナードは、いつの間にか、ヴィオラを好きになってしまった。始めは認められなくて、戸惑った。だが、倒れたヴィオラを見た瞬間、レナードは心臓が止まるかと思った。ヴィオラを失いたくないと、思ってしまったのだ。


「でも、今更どうする事も出来ない。僕の計画通り、君の目の前で、妹を選び、君を捨て傷つけ、モルガン侯爵家を破滅させて……終いにするつもりだった。だが、君は記憶を失くして、何も覚えていなくて。これなら……君とやり直す事が出来ると思った。何も知らない君の婚約者になって、僕は、君から愛されたかったんだ」









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