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「ヴィオラ……驚いたよ。君が突然現れるなんて」


「申し訳ありません。どうしても、レナード様にお会いしなければならなくて……」


「ヴィオラ……僕も君に会いたかったよっ」


レナードは驚愕しつつも、ヴィオラに会えた事に舞い上がり、微妙に噛み合ってない事に気付いていなかった。


お会いしなければならない、と、会いたかったは似ている様でまるで違う。

ヴィオラは必要故に会いに来たが、レナードは、ただ単に自分の願望だ。


レナードは、ヴィオラを抱き締めたまま動かない。


「あ、あの、レナード様」


その時、レナードの背後からの痛いくらい突き刺さる視線にヴィオラは、戸惑った。ロミルダが、凄い顔でこちらを睨みつけている。


「はぁ……ヴィオラの匂いだ」


レナードは全く気にしていないようだが……。それに、レナードは少し会わない間に、ちょと変態チックになった気がする……。


「君にずっと、会いたかった。こうして抱き締めて」


レナードはヴィオラの顔を上に向かせると、口付けを迫ってきた。


「⁈」


ヴィオラは、首を振り嫌がる素振りを見せる。


「久しぶりで、照れてるんだね。可愛いね、僕のヴィオラは」


照れている訳ではありません。曲がりなりにも婚約者が見ている前で、他の女を抱き締めて口付けとか、不謹慎です。


「レナード様、後ろの方は……」


ヴィオラの言葉にレナードの笑顔が固まった。そして、ゆっくり振り返り後ろを見る。そこには、顔をひくつかせたロミルダがいるのだが。


「誰もいないよ?どうしたの、ヴィオラ?」


流石に近くにいたアランも、そして、いない事にされたロミルダも開いた口が塞がらないという表情をした。皆一様に、お前がどうした⁈と思ったのは言うまでもない。


「へ?いえ、あの……」



予想外のレナードからの返答にヴィオラは言葉が見つからない。確かにヴィオラの目前には、婚約者(ロミルダ)がいる。なのに、誰もいないって……一体。


「さあ、行こうか」


「きゃっ⁈」


レナードは、当たり前のように、ヴィオラを持ち上げお姫様抱っこをすると、スタスタと歩き出した。


余りの事にレナード以外誰も何も言葉が出ない。アランとロミルダをその場に残して、レナードとヴィオラは去って行った。





「レナード様⁈」


レナードに連れて行かれた先は、無論レナードの部屋だった。ベッドの上に降ろされ、ヴィオラは戸惑いの声を上げた。


「ヴィオラ……寂しかった。君と離れてから、僕は心が引き裂かれる想いだったんだ。しかも愚王は、また僕に黙って、あんな女を勝手に婚約者にしてるし。どうにかして、婚約破棄させる為に頑張ったんだけど。中々手強くてね。でも、安心してくれていいよ。僕の愛してるは君だけだ。無論僕の妻になるのも、君だけだよ、ヴィオラ。もしも、あの女が婚約破棄しないとこれ以上駄々を捏ねるなら……僕にも考えがあるから。

それにしても、来るなら一言言ってくれれば良かったのに……。それに、どうして僕からの愛を込めた手紙に、返事をしてくれなかったの?1日2回は出したのに」


色々と、どこから突っ込んでいいのか、ヴィオラには分からない。


レナード様って、こんな性格でしたっけ……。


笑顔が引き攣る。レナードはヴィオラを抱き締めたまま一緒に横になった。


あー……そう言えば、記憶喪失中、よくレナードとこうして一緒に寝た記憶が。


「そんな、悪い子には、ちょとお仕置きが必要だね」





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